Julia Quinn. 2007.
The Secret Diaries of Miss Miranda Cheever. Avon Historical Romance.
大ヒットを出した人気作家の宿命でしょうか。
Quinnのいいものを知っているだけに、この新作の欠点が目立ちます。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
Miss Miranda Cheeverは、ブサイクだとからかわれ落ち込んでいた時に、幼なじみの兄であるTurner子爵に「将来、絶対きれいになるよ」と言われた10歳のあの日からずっとTurnerを思い続けていました。
そしてTurnerが予言したとおりMirandaは、絶世の美人ではないけど、美しい大人の女性へと成長します。
Turnerのほうは、思いもかけず苦しい人生になっていました。美女と激しい恋に落ち(たと思い)、若くして結婚。しかし、妻のウソ、不倫と、絶望的な結果に。
昔はよく笑い暖かい人柄だったTurnerはすっかり変わってしまっていました。
そんなTurnerとMirandaは彼の妻のお葬式で再会します。
前妻のせいでもう純粋さはなくなり、もう誰も愛することなんてできないと思っているTurnerですが、人の真の部分を見抜くことが出来るかのようなMirandaの純真な目を覗いた時から何かが変わり始めます。
「Quinnだから」という先入観なしに読めば、平均的なお話かなとも思います。いつものユーモア有りで軽快な感じでお話は進みます。
でも、Quinnのベストを知っているファンの評価は厳しくなると思います。私もBridgertonシリーズのViscountとか単行ものでいくつかものすごく印象に残ってるものがあるから、この新刊の欠点には「Quinnどうしたの?」と思わざるをえません。
Spoiler
気になった点を挙げるとネタバレになるので、この先は読みたくない方はここでストップ!
全体的にH/H間のドキドキはあんまりありません。Mirandaの妊娠がわかってからの後半にQuinnのいいところがチラホラ出てきますが、充分ではありませんでした。
Mirandaの日記がもっとMirandaの心のうちを明かすのかと思ったら、別にそうでもなかったし。Turnerとの新婚生活の最初の数ヶ月なんて、日記1ページ分でまとめられてるんです…。
もっとこのMirandaがTurnerを一生思い続けてきたことが綴られている日記が、後になってTurnerの心を開く助けになるのかと思うと、最後のほうでTurnerがこれを見て「あぁ、本当に愛してくれてたんだね」の一言。
そ、それだけ!?
Mirandaが愛のない結婚はしないとずーっと心に決めていたのに、別にそんなに押しが強くもないTurnerの求婚にあっさりと3日で折れるのには脱力。
流産のことも、「祖母も母も経験した」であっさり終わっているのには「???それだけ!?」と何度もその周辺を読み直してしまいました。Turnerのコメントもなし…。
どうなってるの?
さらに、Turnerが「愛してる」と言えない理由は、Quinnの理屈は理解できても、私にはどうしても「言語障害!?」("L"だけ発音できないとか?)としか思えませんでした。普通そこまで態度で示したり心に感じていたら言えるもんでしょ、って。
Quinnは家族愛を描くのがうまくて、幼なじみや兄弟姉妹達のやりとりがとってもほのぼのとしているし、ひょうきんな部分も忘れてません。
でも、今回は過剰といえば過剰、それだけにうすっぺらな感じがしました。
毎回「絵に描いたような」ステレオタイプしか映し出さないせいでしょうか、単にウソっぽすぎるようにしか見えなくなってきました。
兄弟姉妹同士のやりとりも、今回のは特に幼稚すぎます。
もっと以前のようにドキドキさせるリージェンシーロマンスに戻って欲しいです!
(Spoiler終わり)
と、今回は辛口批評になりましたが、テンポがいいのでお話自体はスラスラと読めます。あまり細かいことをきにしなければ、もっと楽しめるかもしれませんね。
Bridgertonシリーズの最終回に比べたら挽回したほうでしょう。
>>Spotlight on Julia Quinn
The Secret Diaries of Miss Miranda Cheever. Avon Historical Romance.
大ヒットを出した人気作家の宿命でしょうか。
Quinnのいいものを知っているだけに、この新作の欠点が目立ちます。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
Miss Miranda Cheeverは、ブサイクだとからかわれ落ち込んでいた時に、幼なじみの兄であるTurner子爵に「将来、絶対きれいになるよ」と言われた10歳のあの日からずっとTurnerを思い続けていました。
そしてTurnerが予言したとおりMirandaは、絶世の美人ではないけど、美しい大人の女性へと成長します。
Turnerのほうは、思いもかけず苦しい人生になっていました。美女と激しい恋に落ち(たと思い)、若くして結婚。しかし、妻のウソ、不倫と、絶望的な結果に。
昔はよく笑い暖かい人柄だったTurnerはすっかり変わってしまっていました。
そんなTurnerとMirandaは彼の妻のお葬式で再会します。
前妻のせいでもう純粋さはなくなり、もう誰も愛することなんてできないと思っているTurnerですが、人の真の部分を見抜くことが出来るかのようなMirandaの純真な目を覗いた時から何かが変わり始めます。
「Quinnだから」という先入観なしに読めば、平均的なお話かなとも思います。いつものユーモア有りで軽快な感じでお話は進みます。
でも、Quinnのベストを知っているファンの評価は厳しくなると思います。私もBridgertonシリーズのViscountとか単行ものでいくつかものすごく印象に残ってるものがあるから、この新刊の欠点には「Quinnどうしたの?」と思わざるをえません。
Spoiler
気になった点を挙げるとネタバレになるので、この先は読みたくない方はここでストップ!
全体的にH/H間のドキドキはあんまりありません。Mirandaの妊娠がわかってからの後半にQuinnのいいところがチラホラ出てきますが、充分ではありませんでした。
Mirandaの日記がもっとMirandaの心のうちを明かすのかと思ったら、別にそうでもなかったし。Turnerとの新婚生活の最初の数ヶ月なんて、日記1ページ分でまとめられてるんです…。
もっとこのMirandaがTurnerを一生思い続けてきたことが綴られている日記が、後になってTurnerの心を開く助けになるのかと思うと、最後のほうでTurnerがこれを見て「あぁ、本当に愛してくれてたんだね」の一言。
そ、それだけ!?
Mirandaが愛のない結婚はしないとずーっと心に決めていたのに、別にそんなに押しが強くもないTurnerの求婚にあっさりと3日で折れるのには脱力。
流産のことも、「祖母も母も経験した」であっさり終わっているのには「???それだけ!?」と何度もその周辺を読み直してしまいました。Turnerのコメントもなし…。
どうなってるの?
さらに、Turnerが「愛してる」と言えない理由は、Quinnの理屈は理解できても、私にはどうしても「言語障害!?」("L"だけ発音できないとか?)としか思えませんでした。普通そこまで態度で示したり心に感じていたら言えるもんでしょ、って。
Quinnは家族愛を描くのがうまくて、幼なじみや兄弟姉妹達のやりとりがとってもほのぼのとしているし、ひょうきんな部分も忘れてません。
でも、今回は過剰といえば過剰、それだけにうすっぺらな感じがしました。
毎回「絵に描いたような」ステレオタイプしか映し出さないせいでしょうか、単にウソっぽすぎるようにしか見えなくなってきました。
兄弟姉妹同士のやりとりも、今回のは特に幼稚すぎます。
もっと以前のようにドキドキさせるリージェンシーロマンスに戻って欲しいです!
(Spoiler終わり)
と、今回は辛口批評になりましたが、テンポがいいのでお話自体はスラスラと読めます。あまり細かいことをきにしなければ、もっと楽しめるかもしれませんね。
Bridgertonシリーズの最終回に比べたら挽回したほうでしょう。
>>Spotlight on Julia Quinn
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