ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Naughty by Nature

2007年12月11日 | P-Q
Barbara Pierce. 2007. Naughty by Nature. St.Martin's Paperbacks. Historical Romance.

RT Timesでは評価4ですが、ここは全体的に気前がいいように思います。私からは3つ半です。

Story:         
Dialogue:    
Hero:          
Heroine:      
Sensuality:  

Patience Winlowは男爵家の娘でしたが、14歳の時に美形の旅芸人Julian Phoenixにそそのかされ、何もかも捨てて、実は詐欺泥棒も働いていた彼の一座に加わります。

それから2年経ち、足を洗ってせめて普通の舞台女優になろうとがんばっていたPatienceですが、彼女の人を読む聡明さが買われて、Ramscar伯爵の妹のコンパニオンとして雇われることになります。
この伯爵の妹、Meredithは数年前にあった大火事のせいで顔と心に傷跡が残っており、屋敷から足を踏み出すこともままならないほどでしたが、RamscarはPatienceの力でなんとか改善できないかと希望を抱くのです。

が、一つ屋根の下で家族のように暮らすことになったPatienceは美しく魅力的で、Ramscarと親密な関係になるのは時間の問題でした。

                   


以前、Tempting the Heiressをケチョンケチョンに評価して以来避けていたのですが、ずーっと避けている間にすっかりこの作者のことを忘れてしまってました。
でも今回RT Timesで評価4と出ていたのを見て、「聞いたことある作家だナ…」とも思いながらこのNaughty by Natureを手に取りました。

今回のは良かったです。エンターテイメント性は十分あります。

が、Wallpaper historicalだし、Baloghのような複雑な感情の描写を期待するとがっかりするはめになります。
Patienceの生い立ちを考えると、もっと別のお話が書けるはずなのに、彼女の過去にたいする感情面はおろか、H/Hの人物像を掘り下げるような描写はほとんどなく、お話は全体的に深みに欠けています。
Patienceは一度、一座を抜けて実家に帰ろうとしましたが、両親からひどく拒絶されます。そのことに関しても、結局最後まで何の進展もなければ、Patienceの気持ちも「傷ついた」だけで終わっています。


ザザザーッと簡単に読めて、そこそこ楽しめるものを求めているならこの1冊で十分でしょう。


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