ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Once a Knight

2008年04月16日 | D-E

Christina Dodd. 1996. Once a Knight. Avon Historical Romance.

ロマンス小説専門店でオススメされたこのKnightシリーズ1作目は、アンチヒーローな騎士物語です。

Story:           
Dialogue:     
Hero:           
Heroine:        
Sensuality:     

Lady Alisounは彼女の城を守るために、用心棒のような存在になる騎士を雇うことにします。
選んだのは、数々の功績を残しかつては大変有名だったSir David of Radcliffe。が、彼を探し出してやっと見つけたと思ったら、この伝説的な存在の騎士はただの飲んだくれで剣を持って戦うこともできるのか疑わしいほどに変貌していました。
しかし、何か他の思惑があるAlisounは、それでも彼を雇います。

かつては王に仕え、数々の戦いをこなし伝説の騎士としてチヤホヤされたDavidですが、今では彼に残っているのは「過去の遺産」である名声だけ。
母親のいない娘のためもあり、棚からぼたもちのようなAlisounの依頼を引き受けます。
城につくと早速、Alisounの命が狙われていることがわかり、Davidは伝説の騎士のイメージ通りに強さと威厳を見せつけて振舞わなければいけなくなります。


領地の民のことを思うAlisounは美しく大変人気がありますが、表向きは「氷の女」のイメージがあり、実際あまり笑うこともありません。
が、一旦Davidは彼女を危機から救うと、彼女を守ってやりたい思いに駆られ、実はとても情熱的な一面も持つ彼女の側にずっといたくなります…。

                                   

どうして白馬の騎士的なお話を想像してたのか自分でも分からないのですが、このお話は全くそんなのではなくてびっくり。
Davidは確かに数々の功績を持つ本当は優秀な騎士です。でもそれは過去のお話。このお話の中では、騎士になるための訓練をしていた少年に練習で負けっぱなし。徐々にみんなの憧れのまなざしが冷めていき、ヒーローとしてのプライドも威厳もあったものではありません^^;

でも、彼が徐々に地の底から這い上がってきてみんなからまた尊敬されるようになる様子や、ヒーローとしての素質に欠けるDavidのとっても人間らしいお話はユニークで、随分前に読んだのですがかなり印象に残っています。

ハートマークがいまいち増えなかったのは、ロマンスの要素が薄かったからです。
Alisounに関しても、私もこうなりたいと思うような強くて賢い女性ですが、フレンドリーさに欠けているし感情移入できる部分も少なく、Davidが惹かれた理由というのは今となっては覚えていません。

"Once a Knight"という題名から、Once a night(一晩に一度)という二重の意味とか、OnceというからにはTwiceなんとかとか、裏表紙にあるように"Always a lover"などと深読みさせる題名ですが、お話を読み進むうちにこの題名の意味は直に「かつては騎士」のままか…と苦笑。
良くて、「クサっても騎士」?かな。(笑
でも、結果的にはAlisounにとっても城の民達にとっても、みんなを守る騎士となったDavidです!

こういうお話もたまにはいいですね。


Book1: Once a Knight
Book2: A Knight to Remember
シリーズといっても2作品だけですね。これからも続きが出る可能性はあるのかな?



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