>42年連続で東大合格者数トップの座を死守する開成。OBたちはそのことを世間が思っているほど、気にしていないのかもしれない。
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開成の国公立医学部合格者が大幅減少した納得の理由…今年は東大理Ⅲにわずか「3人」(田中幾太郎)(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース
4/1/2023
開成の国公立医学部合格者が大幅減少した納得の理由…今年は東大理Ⅲにわずか「3人」(田中幾太郎)
4/1(土) 9:06配信
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【開成vs麻布の真実】#9
「開成は医学部に強いというイメージがあり、医者の子弟も多かったが、最近は昔ほどではない」と話すのは開成OBの千葉大医学部の教授。同学部の教授の半数近くが開成出身者で占められていた時代もあったという。
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東大合格者数と並んで進学校のバロメーターとされる国公立医学部の合格者数に異変が起きている。まだ数字が出揃っておらず、今後変わる可能性があるが、開成が冴えない。
昨年の44人から26人と大きく減らした。東大理Ⅲの合格者数も17~21年は5年連続で2ケタだったが、昨年6人、今年は3人となった。同様に医学部志願者が多い麻布の国公立医学部合格者は28人、うち理Ⅲは開成と同じく3人だった。
「医学部を狙う生徒が集まる中高一貫校としては名古屋の東海、京都の洛南、神戸の灘が有名ですが、首都圏の1番人気は男子では海城、女子では桜蔭」と話すのは大手学習塾スタッフ。海城の今年の国公立医学部合格者数は51人。その人気は開成を凌駕(りょうが)する勢いだ。
「さらに凄い」といわれる桜蔭の国公立医学部の合格者は52人で首都圏トップ。理Ⅲは11人で灘に次ぐ2位、東京医科歯科大医学部も11人でこちらは全国トップである。私大も含めた医学部合格者は153人にも及ぶ。1学年の生徒数は235人前後。重複がかなりあるにしても、
「今や医学部に特化した学校という印象」と医系進学塾経営者は話す。
一方、開成は「なんとしても医者を目指す生徒は以前より減っている」(同校関係者)という。今年の東大合格者148人のうち、理Ⅰ(83人)と理Ⅱ(20人)の2つで約70%を占める。
「官僚も多く輩出してきた開成ですが、元々は理系が強い学校。その選択肢のひとつとして医学部があった。でも最近はさらなる可能性を求め、医学部以外の理系を受験する生徒が増えている」(同)
■OBが誇るのは進学実績より結束力
受験の段階で医師という固定した進路に縛られたくない生徒が増えてるのだ。「昔も理系で最も優秀なのは理Ⅰに進んだ」と振り返るのは77年卒業のOB。岸田文雄首相の1年後輩だ。自身は地方の国立大医学部に入り医師の道に進んだ。 「僕はテレビドラマのベン・ケーシーに憧れて脳外科医になった。単なるミーハーなんです。勉強が好きでたまらない連中は医学部より理学部で研究をしたいという気持ちが強かった」
このOBは開成で一番誇れるのは進学実績より結束力だと強調する。運動会で高2と高3が参加する棒倒しは同校最大のイベント。8チームに分かれ、熱戦を繰り広げる。その激しさは「ニューヨーク・タイムズ」に取り上げられたほどだ。
「何年たってもこの時のことが話題になる。僕はいまだに『白組の○○』と呼ばれ、卒業生同士の絆を再確認するんです」
42年連続で東大合格者数トップの座を死守する開成。OBたちはそのことを世間が思っているほど、気にしていないのかもしれない。
(田中幾太郎/ジャーナリスト)