〈栃木・“制服姿”の女性死体遺棄〉逮捕された男は8年前に11歳少女を誘拐・強制わいせつ容疑で逮捕の前歴あり。中学では影の薄い“無キャ”、今年3月に「会社辞めちゃったんです」
10/19(木) 22:01配信
集英社オンライン
中学時代の安栖容疑者(右・知人提供)
栃木県上三川町の路上に放置されたレンタカーから制服のような服装をした若い女性の遺体が見つかる事件があり、栃木県警は19日、運転席にいた埼玉県熊谷市拾六間、職業不詳、安栖達也(やすずみ・たつや)容疑者(28)を死体遺棄容疑の現行犯で逮捕した。
【写真あり】卓球部だった“たっちゃん”こと安栖容疑者…修学旅行では金閣寺の前でキメ顔の集合写真
前回は未成年者誘拐と強制わいせつの罪で懲役2年・執行猶予4年
安栖容疑者は同日午前3時10分ごろ、普通乗用車の後部座席に身元不明の女性の遺体を乗せて同町坂上の路上に遺棄した疑い。現場付近をパトロールしていた下野署員が不審車両を見つけ、運転席にいた安栖容疑者と後部座席の女性の遺体を発見したという。女性は10代から20代とみられ、白ブラウスにセーターとスカートという制服のような服装だった。死後数日以内とみられ、県警は身元の確認を急いでいる。
安栖容疑者は8年前にも神奈川県内で小学6年の女児(当時11歳)を車で連れ去るなどして未成年者誘拐容疑で逮捕され、有罪判決を受けた前歴があった。
当時の報道などによると、安栖容疑者は2015年9月9日午前2時ごろ、横浜市西区の路上で、女児を軽自動車に乗せて連れ去り、約17時間後に女児の自宅周辺を警戒中の神奈川県警戸部署員が発見して女児を保護、安栖容疑者を取り押さえた。女児にけがはなかった。
安栖容疑者は女児とは携帯型ゲーム機のチャット機能を通じて知り合ったといい、横浜地裁が2016年1月に未成年者誘拐と強制わいせつの罪で懲役2年、保護観察付きの執行猶予4年(求刑・懲役2年)の判決を言い渡していた。
熊谷市の安栖容疑者の自宅近くに住む女性によると、安栖容疑者は祖父母の代から地元に根付いていたという。
「安栖さんのところはおばあちゃんたちが何十年も前からここに住んでいたから知ってるよ。おじいちゃんは昔自衛隊に勤めていて、15年以上前に亡くなってるね。達也くんにはお兄ちゃんがいて、お父さんが会社員、お母さんはパート勤めというごく普通の家庭だよ。達也くんもごく普通の子で、小さなころは家の前で遊んでるのをよく見かけたし、最近も今年の3月ごろに見かけたよ。朝7時ごろ達也くんがゴミを出しに行くところで、上下黒っぽい洋服を着ていたね。平日だったから『仕事はどうしたの?』と尋ねると『会社辞めちゃったんです』と言うので、『まだまだこれからよ、頑張りなさいね』と励ますと『今日もこれから仕事探しに行くんですよ』って言ってたんのにね。まさかこんな事件を起こすなんて思いもしませんでした」
安栖容疑者は地元の熊谷市内の小、中学校を卒業しており、中3時代に同じクラスだったという男性はこう語った。
「同じクラスでしたけど本当に印象になくて、卓球部に入っていたことしか思い出せません。クラスの一部の子には『たっちゃん』とあだ名で呼ばれていましたが、勉強もスポーツも『可もなく不可もなく』って感じ。たしか中間テストの時期に『テスト嫌だね~』みたいな話はしてたと思います。いわゆる『陽キャ』でも『陰キャ』でもない『無キャ』ですね。少なくともクラスの中心にいるようなタイプではなかったです。女の子と話している姿も見たことないし、彼女はいなかったと思います」
また繰り返してしまったのか…
同級生の母親から見ると、印象的ではないが物静かで、かわいげのある子供だったようだ。
「小・中学校で息子と同級生だったので、かわいらしい昔の印象なら覚えてます。お友達やその親御さんたちからは"たっちゃん"って呼ばれてましたよ。男の子なのにすごく色白で、親達からも『可愛い子だよね』とウワサされてたんですよ。とても大人しくて穏やかな子で、友達にも優しい思いやりのある子でした。年の近いお兄さんがいて、小学生のときは一緒に登校したり遊んだりしてて仲がいい兄弟だったと思います。お友達も比較的おとなしい子が多かったですね。勉強とか運動が得意ってわけじゃなかったし、やんちゃなタイプにもならなかったから、特別目立つような子じゃないけど、いい子でしたよ。まだ地元に住んでいるとは聞いた覚えがありますけど、まさかこんな事件で久しぶりに名前を聞くとは思っていなかったので、驚いてます」
近くの商店主にとっても、今回の事件の知らせは青天の霹靂だったようだ。
「小さいころはよくお母さんに連れられて駄菓子を買いにきたりしたよ。おじいちゃんとおばあちゃんは九州の出身で、おじいちゃんは自衛隊員だったけど、心臓を悪くして亡くなられたみたいだね。お父さんも会社員と聞いてるけど、最近見かけないから在宅で何かしてるのかもしれないね。いずれにせよ、お母さんも明るくて気さくな人で、達也くんもいい子に見えたし、どちらかというとおとなしい子だったわ。最後にうちに買いに来たのは小学生のころだったかしらね。前にも事件? いやいや、この辺であの子が何かしたなんて聞いたことないし、トラブル起こしたなんてことも聞いたことないわよ。だから今回のことは本当に驚いたけど」
8年前の事件のことは、近隣でも詳しく知っている人は少ないようだ。近くに住む男性もこう声を落とした。
「安栖さんね。知ってますよ。ご家族が本当にかわいそうだよね。昨日もお母さんとおばあちゃんと友達で庭でみかんをもいでたけど、まさか息子がそんなことしてるとは思ってなかったんだろ。達也くんを直接知っているわけではなかったのだけど、そういう子がいるのは知っていた。彼が20歳のころ別の事件を起こしてね、俺は内容はわからないけど知り合いの保護士から聞いていた。『家の近くに通うのはちょっと』と、自宅から少し離れた保護司のところに通っていたと聞いてるよ。また繰り返してしまったのか…」
女性の遺体には全身に複数のあざが点在しており、県警は死因の特定を調べるために20日、司法解剖をおこなうという。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班