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思いつきで数百億円「どうせうやむやに」の情けなさ

2020年07月09日 19時30分05秒 | 政治のこと

思いつきで数百億円「どうせうやむやに」の情けなさ

わたしは埼玉県のある町に住んでいる。10万円の「特別定額給付金」の申請用紙は5月下旬に来たが、6月1日現在、まだ「アベノマスク」は到着していない。 【写真】山中教授に面会し、一方的に予算打ち切りを通達した和泉洋人首相補佐官 ■ 一国の総理が考えたあげくの政策なのか  


「アベノマスク」は別に待ちわびているわけではないからそれはいいのだが、4月1日安倍首相が布マスクを2枚、全世帯に送ると得意顔で発表したとき、これが一国の総理が考えたあげくの政策なのかと、わたしは唖然とした。マスクが店から払底し、少しでも入荷すると即、人々が殺到するといった状態だったとはいえ、マスク2枚というケチくささに、心が萎えるほど情けなかったのである。 

 そんなことよりも、もっと驚いたことはその費用が220億円かかると知ったことである。「正気か?」と思った。費用対効果のこのバカげたギャップ!  全国民のだれもが「まったくの無駄遣い」と思ったはずである。いったい全体、どこの愚か者がこんなことを考えたのだ?  


行政にかぎらず、会社や組織のどんな政策決定にも、かならず最初にいいだした人間がいる。それに同意・反発・修正があるのがふつうだが、阿諛追従で無審査のまま決定ということもないわけではない。  

「アベノマスク」を最初にいいだしたのは、今やなにやかにやで有名になった官邸官僚の佐伯耕三首相秘書官(44)のようである。2017年に松本人志ら「ワイドナショー」のメンバーと安倍首相の食事会を設定したり、今度のコロナ自粛の際には、星野源の動画にのっかって首相の優雅な生活をアップしたのも佐伯氏だとされている。「おまえはルイ14世か」とネット上でボコボコに叩かれた。佐伯氏は灘高から東大法学部、経産省から首相秘書官とエリートコースをまっしぐらだが、余計なことをしてはそのことごとくが世間感覚とずれまくっていて、阿呆ボンぶりを露呈しているのだ。 

 その佐伯氏が、安倍首相に「全国民に布マスクを配れば不安はパッと消えますよ」といったというのだ。この提案に、それまで指導者能力不足や政策決定の遅さを指摘されて、不人気にクサクサしていた、これまたおなじ世間知らずの安倍首相が「それいいな、よし、やろう」といったかどうかは知らないが、飛びついて応諾した。そんな思いつきひとつで、数百億円の金が、まるで子供に小遣いを与えるような気楽さで出費されたのである。総費用の計算は下っ端にやらせたのだろう。発注先の選定はどうしたのか。

 ■ 自分の懐は一円も傷んでいないから  この「アベノマスク」は、4月7日に「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」で閣議決定したとはいえ、ほとんど秘書官と総理の二人だけで決まった感がある。閣議決定は満場一致が原則だから一人の反対もなかったのだろう。

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