視野の広さ光った藤井が連勝 渡辺「中盤でポッキリ」 名人戦第2局(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
視野の広さ光った藤井が連勝 渡辺「中盤でポッキリ」 名人戦第2局
4/28(金) 21:06配信
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第81期名人戦七番勝負第2局に勝利し、渡辺明名人(右)との感想戦で笑顔を見せる挑戦者の藤井聡太王将(中央)=静岡市葵区の浮月楼で2023年4月28日午後8時20分、岩下幸一郎撮影
静岡市葵区の浮月楼で27日から指されていた第81期名人戦七番勝負の第2局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛)は28日午後7時51分、挑戦者の藤井聡太王将(20)が渡辺明名人(39)に87手で勝ち、第1局に続いて連勝した。谷川浩司十七世名人(61)の持つ最年少名人記録(21歳2カ月)と7冠達成に、また一歩近付いた。
【第81期名人戦 両対局者のおやつ・食事まとめ】
持ち時間各9時間のうち残り時間は藤井王将33分、渡辺名人19分。第3局は5月13、14の両日、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で行われる。
藤井王将の封じ手は端攻めを目指す1六香(43手目)だった。その後、飛車と角の利きを端に集中させて猛攻する動きを見せた。控室では端攻めが厳しそうとの意見が大勢だったが、昼食休憩明けに藤井王将は2六角(51手目)と撤退。続いて9六歩(53手目)と香の入手を図る意表の手順を見せ、控室では立て続けにどよめきが上がった。
渡辺名人は飛車を成り込み、藤井王将も6三香成(67手目)と両者ともに左右挟撃態勢を作り、盤面全体に手が伸びる戦いに。控室の予想もなかなか当たらず、棋士らが頭を抱える難解な終盤戦となった。渡辺名人は3三玉(72手目)と上部脱出を図ったが、藤井王将の2六歩(73手目)がそれを許さない好手で、勝利をたぐり寄せた。
解説の澤田真吾七段は「渡辺名人は最強の受けで端攻めを受け止めたが、藤井王将の9六歩(53手目)や2六桂(69手目)など盤面全体を見渡した視野の広さが光った一局だった」と語った。
【丸山進、新土居仁昌】
◇藤井王将の話 (中盤で)大きな誤算があった。飛車成り(60手目)からの攻めが厳しく、苦しいと思っていた。5三成香(81手目)と銀を取って相手の攻めをしのげれば(勝てそう)と考えていた。
◇渡辺名人の話 6五桂(64手目)から2四香(66手目)の構想がまずく、2四香が先手になっていなかったのが誤算だった。中盤でポッキリ折れてしまったので、次はそのようなことがないようにしたい。