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これは病気…朝起きられない起立性調節障害、根強い偏見 春日部の女子高生、「苦しむ人らの居場所」つくる

2022年10月08日 07時03分07秒 | メンタルヘルスのこと>心の健康
これは病気…朝起きられない起立性調節障害、根強い偏見 春日部の女子高生、「苦しむ人らの居場所」つくる

2/17/2020


朝起きることが困難になるなどの起立性調節障害がある高校生金谷侑里奈さん(17)=埼玉県春日部市=が、同じ障害やうつ病などの精神疾患の患者らの居場所づくりに取り組む任意団体「I elpis cafe」を設立した。「怠けている」などといった障害への偏見をなくすために始めたツイッターのフォロワーは900人を超える。当事者らが集う会合を同市内で定期的に開き、悩みに寄り添っている。

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 金谷さんが自身の体に異変を感じたのは中学2年生の時。朝起きられない状態が1~2カ月続いた。「おかしい」。そう思い病院に行くと、起立性調節障害と診断された。薬を処方されたが効かず、遅刻しながら通学。手足の震えや不安感、眠気など薬の副作用も生じたため、通学は難しいと判断し通信制の高校を選択した。

 起立性調節障害には偏見が根強いという。「心が弱いからなる」「さぼっている」。そんな声も耳にしてきた。

 「これが病気なんだということを理解してほしい」。起立性調節障害やうつ病などの精神疾患に関する正しい情報を社会に伝えようと、金谷さんはツイッターを始めた。すると当事者だけでなく、がん患者や親などからもコンタクトがあった。「今日も自殺に失敗してしまった」などと切実な声も届くようになった。

  「事態は深刻化している」。金谷さんは居場所づくりの必要性を痛感。昨年4月に初めて会合の開催を呼び掛けたところ1万件超の閲覧があり、活動運営の協力者も現れた。「参加者にとって希望が見いだせる場所」との願いを込め、団体名はギリシャ語で「希望」を意味する「elpis(エルピス)」から採った。
 
 翌5月の初会合には市内外から7人の参加があった。「髪の毛が抜けるがどうしたらいいか」「どんな薬を使っているのか」など、それぞれが病に関する深刻な悩みや疑問を吐露。皆が真剣に受け止め、親身になって助言をし合った。金谷さんは「これまで一人で悩みを抱え苦しんできた当事者たちは、やっと見つけた居場所に安堵(あんど)していた」と振り返る。

 「自分の想像以上に大変な人がたくさんいる。病気の有無にかかわらず、少しでも苦しんでいる人たちの居場所づくりをしたい」と金谷さん。大学に進学し精神疾患の新薬を開発する夢を、今は描いている。

 会合への参加者はリピーターも多く、全国で開催してほしいとの要望もある。次回は3月21日に予定している。申し込みは、ツイッターで「ナユリ」を検索する。

■起立性調節障害

  朝起き不良や倦怠(けんたい)感、動悸(どうき)、頭痛などの症状を伴い、思春期に多く見られる自律神経機能不全の一つ。詳しい原因は分かっていない。重症化すると日常生活が著しく損なわれてしまい、長期にわたる不登校状態やひきこもりを起こす要因にもなっている。


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