答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

『東京人 特集「橋と土木」浮世絵で歩く』を読む

2021年01月15日 | 土木の仕事

 

昨夜、家に帰ると、『東京人2020年6月号「特集橋と土木 浮世絵で歩く」』が届いていた。注文したのがおとといだから翌日配達。Amazonさん、あいかわらず仕事が速い。

なかに、「ほほーなるほどね」と思わせる指摘があった。

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広重は橋を好んでよく描きましたが、

北斎も橋好きだったのか、

「諸国名橋奇覧」という

橋の揃物を描きました。

しかし、橋に対するふたりの

アプローチの仕方は異なっています。

北斎は真横から描くなど、

橋の形態の面白さを強調し、

構図にうまく活かすことが多かった。

対して広重は、ちょっと斜めの構図にしてみたり、

橋の欄干をアップにしてみたり、

スナップ写真的な描き方が印象に残ります。

橋の見方、描き方も

絵師によって異なるんですよね。

(渡邉晃、P.24)

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比べてみることにした。

まずは葛飾北斎。

 

『飛越の堺つりはし』

 

『かめいど天神たいこばし』

 

 

つづいて歌川広重。

 

『日本橋雪中』

 

『吾妻橋帰帆』

 

わたしは広重の絵が好きだ。

なかでも大好きなのが、『大はしあたけの夕立』である。

 

 

この作品については、誌中に興味深い分析があった。

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広重の新大橋は現実ではありえない構図。

向こう岸を斜めに描いて

不安定な構図を作り出し、

見る人の心に不安な印象を与えている。

そこに雨を降らせる。

いろいろインスピレーションも湧いてきますね。

(ヴィヴィアン佐藤、P.25)

******

 

繰り返すが、わたしは広重が好きだ。

してみると、きのう浮かんだ「絵のなかの土木」という思いつきも、そこらへんの嗜好からきているのかもしれない。

などなどと考えながらページをめくる。

 

『東京人 July 2020 no.427「特集「橋と土木」』

 以下、品書きを列挙する。

・北斎は、橋マニアだった!

・古絵葉書で見る橋梁の構造美

・ドボクファン注目の30橋

・モーターボートに乗って 川面から眺める愉しみ

・隅田川復興橋梁

・近代東京の橋を作った人たち

・江戸の橋工法と文化

・「橋姫」の伝承 嫉妬する橋

・かつての橋の欠片たち 「暗橋」探訪

・制約があればあるほど美しい 新しい橋の構造を探る

・橋梁原図から設計者の意図を読み解く 大正期から昭和初期の図面を公開!

・インスタグラムからペーパークラフトまで 鋼橋の魅力を伝える

・江戸はいたるところで普請中

 

さてと、

ぼちぼちとたのしませてもらおうか。

 

 

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