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答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

クリティカルチェーン

2009年04月08日 | オヤジのCCPM修業

 

CCPMが、礒部組にとっての本当の意味での武器(強み)となるのか?

そんなことを考え続けている。

いや「となるのか?」ではない。「とするには(どのようにすれば良いか)」だな。

そして、

去年、夕張で聞いたゴールドラットの言葉を思い出す。

いわく、

 

 

「ボトルネック(問題となっている部分)とコンストレイント(制約条件)は同じものではない」

「ボトルネックはコンストレイントの一部である」

「コンストレイントこそがクリティカルチェーンである」

「今はガントチャートだけを使っていて、CCPMを本当の意味で使っているのではない」

「努力をしているだけで、CCPMで成果が出ている訳ではない」

「フィーバーチャート(進捗傾向グラフ)が最も有効なチャートである」

「バッファをつけるから、サバがとれる」

「そのおかげで<ゆとり>が出来る。だから能力がアップする」

「そのおかげでコミュニケーションができる」

「そのおかげでコンフリクト(対立)が解消する」

「本当の目ざましい成果を出すには、コンフリクトを取り除くしかない」

 

「なぜ出来たか?その原因をつきとめなければならない。そうすることで本質を理解すれば、それを多くのことに使えるようになる。」

 

 

 

 

ということで、2年ぶりに『クリティカルチェーン』を読む。

今度は、「アンチョコ」付きである。

 

 

 

       

 

       

 

 

 

その他、もろもろを(再読、再々読を含め)読みあさっているのだが、 

「決してわかったつもりになるな」というのは本当で、色々と気づかされることが多い。

ひとつ例をあげると、上のゴールドラットの言葉のうち、

 

「バッファをつけるから、サバがとれる」という言葉である。

12月6日のこのブログの中でワタシは、

「(プロジェクト)バッファ(余裕)を(後ろに)つけるから、サバがとれる」

と勝手に( )で注釈をいれてしまっている。

ところが、一見親切なようなこの注釈は、本当の意味では正しくなく、実際には、「ボトルネックの前にバッファを配備する」ということから出発しなければいけない。

そうすると、プロジェクトの場合は、「制約」は「市場」=「納期」だから、それぞれのタスクに組み込まれて(潜んで)いる「防衛本能としての安全余裕」を一つにまとめて、「納期」を保護してやれば良い、となる。

だから、プロジェクト(完了)バッファは「納期」の「前」、すなわち「クリティカルチェーン」=「プロセス」の「後ろ」に置くのである。

そうすることによって、「こっそり」潜んでいた「防衛本能としての安全余裕」は、信頼できるところに集められたことによって、プロジェクト全体としての「公開」された「安全余裕」となる。

こういう理解のしかたでないと、「合流バッファ」の意味も本当には解らない。(感覚的には誰しも解るのだろうが、理論的に「腹(身体)」に入っていかない)つまり、「合流バッファ」は「クリティカルチェーン」上にはない作業の遅れから「クリティカルチェーン」を保護するために、合流点の「前」に置かれる、ということなのだ。

 

 

これなどは、ほんの一例である。

他にも数え上げればきりがないので、ここらでやめておく。

 

もっと掘り下げて、そして「受け売り」ではなく、自分の(わかりやすい)言葉で伝えられるようにしないと、皆の「腹(身体)」へは入れてもらえない。「腹(身体)」に入ったことは忘れない。たとえ忘れてもすぐ思い出す。

 

  

いささかカタカナ言葉を使いすぎてしまった。

ここまで我慢して読んでくれた人には、主な言葉の意味を簡単に書いておくので、興味のある方はぜひ「CCPM」ワールドへ。

 

 

ボトルネック

需要を満たせないレベルのキャパシティしか保有しない資源。 

 

コンストレイント

制約。例えば、チェーンの中の最も弱い輪、あるいは少年のハイキングの隊列の中で最も足の遅い少年(これは「ザ・ゴール」からの引用で、北川村的にいうと、運動会名物の「ムカデ競争」の中で、最も足があがらず、歩幅も狭い少年あるいは少女)。ボトルネックは物理的なものであるが、間違った方針のような物理的でない制約もある。

 

タスク

プロジェクトの中の最小単位。作業。

  

クリティカルパス

プロジェクトの中の、順序を追って行う一連のタスクからなるパスで、一番作業時間の長いパス。

 

クリティカルチェーン

基本的にはクリティカルパスと同義だが、クリティカルパスは「資源」(機械、人など)を考慮しないので、「資源」競合という問題にうまく対処できない。「資源」競合がある場合は、クリティカルチェーンとクリティカルパスは全く異なる。従ってCCPMでは、順序による依存関係だけでなく、共通の資源を使うことから発生する資源への依存も考慮して得られる「一連のタスクからなる最も長いチェーン」をクリティカルチェーンと呼ぶ。そして、クリティカルチェーンにプロジェクトバッファを加えたものが、納期までの時間となる。

 

合流バッファ

非クリティカルチェーン上のタスクがクリティカルチェーンに合流するポイントに置かれ、クリティカルチェーンを保護するために使われるバッファ。これにより、進捗中にクリティカルチェーンが変わることを避け、変化に対応できるスケジュールを作る。

 

 

 

 

参考文献

  「ザ・ゴール」(エリヤフ・ゴールドラット著、三本木亮訳)

  「クリティカルチェーン」(エリヤフ・ゴールドラット著、三本木亮訳)

  「ウソ!プロジェクト納期を半減?」(マーク・J・ウオッペル著、小林英三監訳)

  「TOC流の開発型プロジェクト管理術『CCPM』」@ITMONOist(村上悟/西原隆)

       http://monoist.atmarkit.co.jp/fpro/articles/tocccpm/01/tocccpm01a.html

  「顧客の価値から始まるプロジェクト・マネジメント TOC-CCPM」(桂利治)

       http://www.toc-ccpm.jp/toc-ccpm/Home.html

  「目標を突破する実践プロジェクトマネジメント」(岸良裕司著、村上悟監修)

  「マネジメント改革の工程表」(岸良裕司著)

 

 

 

 

 

 

 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
奥がふかいですね (MASA)
2009-04-09 16:06:38
「公開」された「安全余裕」いいですね。

なかなか含蓄があって、すばらしいです。

HowBank MASA
返信する
自分でも (ひの)
2009-04-09 17:09:47
気に入ってます。
返信する

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