「何事も思い煩ってはなりません」
どうすれば,思い煩うことなく,「神の平和」によって穏やかな気持ちを保てるでしょうか。
パウロがフィリピの兄弟たちに述べたとおり,不安を和らげる特効薬は祈りです。心配事を祈りの中で打ち明け,思い煩いを神にゆだねてください。
「それゆえ,神の力強いみ手のもとにあって謙遜な者となりなさい。そうすれば,神はしかるべき時にあなた方を高めてくださるのです。
同時に,自分の思い煩いをすべて神にゆだねなさい。神はあなた方を顧みてくださるからです」。
(ペテロ第一 5:6,7)
神が助けてくださるという信仰を抱いて祈ってください。
受けている祝福を思い起こし,「感謝をささげ」ましょう。神は「わたしたちが求めまた思うところのすべてをはるかに超えてなしうる」方です。
(エペソ・エフェソス 3:20)
パウロとシラスと同様,わたしたちも神がしてくださることに驚くことがあります。劇的な仕方ではないとしても,まさに必要な助けを与えてくださいます。
「あなたがたを襲った試練で,人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず,試練と共に、
それに耐えられるよう,逃れる道をも備えていてくださいます」。
(コリント第一 10:13)
もちろん,神が状況を正したり問題を解決したりしてくださるのを,ただじっと待っていればよいというわけではありません。
祈りに調和して行動する必要があります。
「自分の務めを怠ってはなりません。霊に燃えなさい。神(ヤハウェ,エホバ)に奴隷として仕えなさい」。
(ローマ12:11)
行動することは誠実さの表われです。神は誠実な人を祝福されます。神はわたしたちの願いや計画や期待をはるかに超えたことを行なわれる方です。
「思いも寄らないような方法で助けてくださることもあるのです」。
過度の心配を避ける ご自分の僕たちに対する神様の愛ある気遣いに全幅の信頼を寄せるなら,不必要な心配に屈することのないよう助けられます。
「祝福されよ,主(神)に信頼する人は。主(神)がその人のよりどころとなられる。
彼は水のほとりに植えられた木。水路のほとりに根を張り,暑さが襲うのを見ることなく,その葉は青々としている。干ばつの年にも憂いがなく,実を結ぶことをやめない」。
(エレミヤ 17:7,8)
イエス・キリストは山上の垂訓の中で同じことを述べ,思い煩いに関する助言を次のように結ばれました。
「次の日のことを決して思い煩ってはなりません。次の日には次の日の思い煩いがあるのです。一日の悪いことはその日だけで十分です」。
「それで,何を食べ何を飲むのだろうかと自分の命のことで,また何を着るのだろうかと自分の体のことで,心配するのをやめなさい。命は食物より,体は服より大切ではありませんか。
鳥をよく観察しなさい。種をまいたり,刈り取ったり,倉に集めたりはしません。それでも天の父は鳥を養っています。あなたたちはそれよりも価値があるのではありませんか。
心配したからといって,誰が自分の寿命を少しでも延ばせるでしょうか。 また,服のことでなぜ心配しているのですか。野のユリがどのように育つかをよく考えなさい。苦労して働いたり,
糸を紡いだりはしません。 しかし,華やかな生活を送ったソロモン王でさえ,このような花の1つほどにも装ってはいませんでした。 では,神が,今日ここに生えていて明日火に投げ込まれる
野の草木にこのように服を与えているなら,ましてあなたたちには服を与えてくださるのではないでしょうか。信仰の少ない人たち。それで,心配して,『何を食べるのか』,『何を飲むのか』,『何を着るのか』などと言ってはなりません。これら全ては異国の人々が必死に求めているものです。天の父は,あなたたちがこうしたもの全てを必要としていることを知っています。
ですから,王国と神から見て正しいこととをいつも第一にしなさい。そうすれば,こうしたほかのもの全ても,あなたたちに与えられます。それで,次の日のことを決して心配してはなりません。
次の日は次の日で心配する事があります。その日の問題は,その日だけで十分です」。
(マタイ 6:25~34)
クリスチャンが何かを心配したり,不安や憂慮の念に駆られたりしたら,いつでも祈りによって天の父に頼るべきです。
このようにして,『自分の思い煩いを神にゆだね』,顧みてくださる神が祈りを聞いてくださるとの確信を抱くことができます。
「思い煩いは,何もかも神にお任せしなさい。神が,あなたがたのことを心にかけていてくださるからです」。
(ペテロ第一 5:7)
その結果として内面の平安,神の平和を得ることができ,それが心と知力を守ってくれるのです。
クリスチャンは自分の内面の奥深く,すなわち心の中で不安,悪い予感,恐れから解放され,心配から来る動揺や当惑によって思いを乱されることはありません。
「何事も思い煩ってはなりません。ただ,事ごとに祈りと祈願をし,感謝をささげつつあなた方の請願を神に知っていただくようにしなさい。
そうすれば,一切の考えに勝る神の平和が,あなた方の心と知力を,キリスト・イエスによって守ってくださるのです」。
(フィリピ・ピリピ 4:6,7)