ネンゴロ
1957 貧窮こなすEEC。(欧州経済共同体成立)
1957 びっくり、こんなスプートニク。(ソ連、人工衛星打上げ成功)
(終)
ネンゴロ
1957 貧窮こなすEEC。(欧州経済共同体成立)
1957 びっくり、こんなスプートニク。(ソ連、人工衛星打上げ成功)
(終)
回文
~四時
刺身さえ饐え 寂しさ
(さしみさえすえ さみしさ)
四時頃 五時よ
(よじごろ ごじよ)
定期便待つ 万引き凍て
(ていきびんまつ まんびきいて)
口火を切るか カルキを備蓄
(くちびをきるか かるきをびちく)
(終)
腐った林檎の匂いのする異星人と一緒
34 ゲーム(STAGE12 主題歌、不完全な)
橄欖なら必ず買って帰るからカラカラカランカラカラララ……
空き缶が転がる。
あなたは空き缶が転がって行く方へ進みますか。
あるいは、空き缶が転がって来た方へ進みますか。
あなた空き缶を追いかけて拾い、空き缶の来た方へ進む。
駅からやってくる老人の頭が、すれ違いざま、あなたを追うようにじわじわと動く。彼は鼻にチューブを差し込まれ、車椅子で運ばれている。押している老女が夫の禿げ頭を叩く。病人は呻く。彼は彼女の楽器だ。
どこからか、歌が聞こえる。あるいは、歌のような喘ぎが聞こえる。
あなたは呼ばれた気になり、声のする方へ向かう。
偽廃兵の歯が何本か欠けている。彼の抱えるアコーディオンの鍵盤が何本か欠けている。
出ない音があるので、メロディーを単純にしてしまう。あるいは、無理な転調でごまかす。
退屈。あるいは、窮屈。
♪踊ろう 踊ろう
耳がなくても
炎が消えかけても
踊ろう 踊ろう
ズボンの中身のない方が、リズムに遅れて力なく揺れる。
存在しない長靴の爪先あたりに、あなたは空き缶を置く。
彼なら、忘れられた炎について、何か知っているかもしれない。
あなたは空き缶に5Gを投げ入れますか。
(続)
野遊び
~死骸
鹿の死骸を見た。
初めて見た。
毛皮の色と枯草の色が馴染んでいて、
近くに行くまで気がつかなかった。
足元に角が見えて、驚いた。
傷は見当たらない。
毛はつややかで、まだ生きているようだ。
小鹿ではないが、老いてもいない。
青年か。
脚は跳躍しているときのように曲がっている。
大きな腹が動かない。
目は普通に開いている。
青黒い。
日光を細く反射している。
生きているのか。
じっと見た。
生気がない。
やはり、死んでいるのだ。
写真に撮ろうと思った。
でも、やめた。
シャッターの音に跳ね上がるような気がしたからだ。
起きて、向ってくる?
両眼を光らせ、人間を睨む?
角を振り立てる?
いや、そうではない。
なぜ、やめるのか、よくわからない。
考えたくない。
何もせずに立ち去った。
さらば、友よ。
(終)