ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
本ブログは、一部の人にとって、愉快な表現が含まれています。

漫画の思い出 花輪和一(9) 『月ノ光』『5名の愚者』

2023-10-17 22:39:28 | 評論

   漫画の思い出

    花輪和一(9)

『月ノ光』

珍しくSFかと思いきや、いや、SFかな。わざとおかしな話にしてある。こんな作品が出版できるなんて、驚きだ。

「女がおとうをどっかにやっちゃったと、ガキだから思ったんでせうが、まあとにかくなんですよ 青林堂だけですヨ 正しくて良いのは……」

作中に「ずいぶんむだな描き方」と言い訳されているが、作者にとってはどうしてもやらねばならない表現だったのだろう。

「女」は美人で悪人だ。悪くなければ生きられなかった。彼女には二人の娘がいる。一人は悪食で、もう一人は乳の出そうにない乳房に縋る。この娘たちは『髑髏乳』の反復だが、この作品では「女」に対する赦しが暗示されている。そのことに作者は照れているらしい。

人食いの「キレポレコ」は飢饉の象徴のようで、父権の象徴のようでもある。〈切れチンポコ〉か。

食用になるというコナギが月光に照らされている。儀死再生や母胎回帰などの隠喩。月光は青林堂の威光の比喩か。

上つ毛野伊香保の沼に植ゑ古奈宜 かく恋ひむとや種求めけむ

(『万葉集』14・3415)

『5名の愚者』

これは漫画ではない。あとがき。花輪は『月ノ光』によって再生を決意した。そのせいでモデルガンに対する偏愛が消えたらしい。ただし、後に本物を入手し、『刑務所の中』となる。かりそめの子供っぽい男らしさから本物の危ない男らしさへの転落。

(9の終)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネンゴロ 2008

2023-10-17 00:12:23 | 評論

   ネンゴロ

2008 じれれば株価大暴落。(リーマン・ショック)

(終)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする