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忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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「キャットウーマン」だと?いや、これは・・・

2004年10月14日 | 作品紹介(映画・ドラマ)

■DVD:「キャットウーマン 特別版」


ティム・バートンが手掛けた「バットマンリターンズ」は、私のお気に入りの1本だ。
何と言ってもミッシェル・ファイファー演じるキャットウーマンが最高だった。
あれから12年、
「バットマン」のスピンオフ企画として「キャットウーマン」が製作された。
主役がハル・ベリーと聞いた時は、
ミッシェルびいきの私も「あ、それならピッタリだから安心」と思ったのだが・・・

現在公開中の「バイオハザード2」の劇場予告編をご存知の方はいるだろうか?
アンブレラ社が発売する新しい化粧品です、というCM風の予告編なのだが、
あれがそのまま本作の予告編にも流用出来そうなストーリーになっている。

最初に気になったのが、シリアスにしたかったのか、コメディにしたかったのか、
制作者の意図が読めないことだ。
犬に牙を剥いたり寿司のネタだけを喰い散らかしたりするハル・ベリーは面白いが、
そういった軽いシーンにやたらシリアスなBGMをかぶせたりするので
笑っていいのかどうか躊躇してしまう。
どの道「スパイダーマン」や「X-MEN」と勝負出来るレベルではないし、
「バットマンリターンズ」のキャットウーマン像を覆す意気込みで作ったというなら、
いっそのこと底抜けに明るいアクションにしてしまっても良かったと思う。

シナリオにもかなり問題がある。
ストーリー序盤で、自分の務めている企業の不正を知ってしまったハル・ベリーが
証拠隠滅の為に殺されてしまうのだが、不思議な力が彼女を包み、
キャットウーマンとして生まれ変わる。
しかし、殺された日の記憶が無くなってしまい、自分が何者かもわからない!
そこでm何故自分が殺されたのかを調べに行こうとするのだが、
普通、調べると言っても雲を掴むような話である。
ところがこの主人公、自分を殺した張本人のところへ迷うことなく直行し、
グイグイ締め上げるのである。

お前、思いっきり記憶あるだろう。

ハル・ベリーのボンデージルックや妖怪人間ベラばりの鞭さばき、
身を犠牲にしてでも若さへ執着するシャロン・ストーンの鬼気迫る演技など、
それなりに見所もある。
特にシャロン・ストーンは46歳。
決して演技派で売ってきたわけではない彼女が今この役を受けるというのは
かなり勇気が要ったのではないか。
「石鹸だけよ」(ヴァーナル)と悠長に微笑んではいられなくなった彼女からは
「チャーリーズエンジェル・フルスロットル」でキャメロン・ディアスを相手に
ビキニ姿を披露した42歳のデミ・ムーアに通じる意気込みを感じた。

ちなみに、本作で私が一番悲しかったのは
キャットウーマンとして生まれ変わる前のハル・ベリーの方が断然美人だったことだ。
変身後のハル・ベリーは、髪型といい、顔(メイク)といい、完全に研ナオコである。
思わず一句詠めた。

ハルベリーは スタイルの良い 研ナオコ


■DVD:「バットマン リターンズ」


本家・キャット・ウーマンことミッシェル・ファイファーが
活躍する「バットマン・リターンズ」はこちら。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:キャットウーマン
    配給:ワーナーブラザーズ
   公開日:2004年11月6日
    監督:ピトフ
   出演者:ハル・ベリー、シャロン・ストーン 他
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (4)
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ポスト「ぷよ」には役不足にゃ~

2004年10月12日 | 作品紹介(ゲーム)

■PS2:「ポチッとにゃ~」


社長も含めたメーカーとユーザーとの距離が極端に近い、
ちょっと特殊な支持層を持つメーカーだったコンパイル。
「ぷよぷよ」の版権をセガに譲渡せざるを得なくなった時に
仁井谷社長から届いた直筆のFAXは今も忘れられない。
コンパイルに版権があるうちに、1本でも多くのソフトを発注してくれというもので、
「無理は承知の上ですが、数ヶ月と言わず、1年先を見越した発注をお願いします」
と書かれたFAXの筆跡は弱々しく、社長の悔し涙が滲んでいるようにも思えた。
そのFAXの端に、「現在制作中の新しいゲーム『ポチッとにゃ~』の主人公です」
という文章と共に、丸みを帯びた猫の絵が描いてあった。
あれから数年、「ポチッとにゃ~」は遂にその姿を現し、PS2版の発売も決まった。

アーケード版は未プレイなので今回のPS2版で初めてプレイしたのだが、
ソニックチーム製作のもとセガから発売された「ぷよぷよフィーバー」が
似て非なる「ぷよ」に仕上がっていたことに対する
故・コンパイル(現アイキ)からの回答とも思える出来だった。
何と言ってもあのキャラクター、きびきびしたキーレスポンス、
初めて触ったソフトとは思えない「お馴染み感」はまさしくコンパイルテイストだ。

いわゆる落ちものパズルで、大雑把な例えをすると
「ぷよぷよ」+「ぱずるだま」といった感じのシステムになっている。
上から降りてくる2個ひと組のブロック(くみにゃん)を同色で繋げ、
発火ブロック(はりにゃん)を使って消すだけだ。
説明書を読まなくても、ルールはすぐに理解出来ると思う。
しかし、このゲームの肝である「分岐」というシステムがどうもスッキリしないのだ。
上手く使えば「ぷよ」で言うところの連鎖に通じる快感を生むはずなのだが、
脳死状態でも大連鎖が組めた(または偶然出来た)「ぷよぷよ」に対し、
「ポチッとにゃ~」の分岐は脳死状態ではなかなか作りにくい。
感覚的に使いこなすまでには、ある程度の鍛錬が必要とされると思う。
対戦では運の要素が少なく、モロに実力差が出てしまうため、
ポスト「ぷよぷよ」には少々荷が重いかも知れない。
ただ、ここまでベタな落ちゲーも久々なので、
この手のパズルに飽きていないパズルファン、コンパイルファンならお勧めだ。

*なお、メーカーの説明を受けながらのプレイであること。
 開発途中のROMを使ってのプレイであること。
 数分のプレイによる第一印象であることを断っておく。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:ポチッとにゃ~
    機種:プレイステーション2
  メーカー:バンダイ 
   発売日:2004年10月28日
    価格:4800円(税別)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (8)
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意味のないコラボ

2004年10月04日 | 業界四方山話
METAL GEAR SOLID 3 SUBSISTENCE(初回生産版)

コナミ

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いよいよ12月16日に発売も決まった「METAL GEAR SOLID 3」。
手掛ける作品はどれも3~4年の製作期間をかけて作り込まれるという
ゲーム職人・小島秀夫監督の最新作だ。
先日、発売元のコナミから衝撃的な発表があった。

「MGS3にあのピポサルが登場!」

発表されたスクリーンショットでは、確かにピポサルが駆け回っていた。
このコラボ、誰の発案で、誰をターゲットにしたものなのだろうか。
私は、このニュースを読んで「嘘っ!?マジ?やったぁ!!」と喜んだユーザーは
この世に2、3人しかいないんじゃないかと推察する。
「サルゲッチュ」のメインユーザー層は「MGS」など遊ばないだろうし、
「MGS」に惚れ込んでいるユーザーからすれば、この手のおまけは邪魔でしかないと思う。
以前、PCエンジン版の「悪魔城ドラキュラ・血の輪廻」に追加キャラクターとして
女の子が登場したことがあったが、その時も「ドラキュラ」の熱烈なファンから非難が集中した。
コナミは自社の人気ソフトの世界観を自ら破壊するのが好きなのだろうか。

そもそも、SCEは低年齢ユーザーの獲得に必死なんじゃなかったのか。
ようやく少しずつ認知されてきたピポサルを、
話題作りのためとはいえ年齢制限のかかった作品に登場させるというのはどういう了見なのか。
例えミニゲームとはいえ、「ポケモン」や「マリオ」は暴力的な表現を使用した作品や
血を連想させるような作品には絶対に出ない。
SCEは11月発売の「爆風スラッシュKIZNA~嵐」(後日紹介予定)で
「任天堂ががっちり掴んでいるマーケットを狙う」と豪語していたが、
こういった中途半端なイメージ戦略をしている限り絶対無理だと思う。

ドリームミックスTV ワールドファイターズ ハドソン・ザ・ベスト

ハドソン

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この手の意味なしコラボで最強なのが、
ハドソンから発売になった「ドリームミックスTV」だろう。
タカラ・コナミ・ハドソンの人気キャラクターが大集合!のアクションなのだが、
何のことはない、コナミの傘下に入ったメーカーのキャラクターを寄せ集めただけだ。
高橋名人、ツインビー、リカちゃん、パワプロくん、桃太郎、コンボイ、、、
「コナミの傘下のメーカーだから」という以外、全く説明がつかない。
リカちゃんとボンバーマンが同一画面内で戦っている姿はシュールですらある。

遊び手のこともキャラクターの持つ世界観も無視したコラボレーションは止めるべきだ。
そこからは何も生まれない。
生まれるのは失笑だけだ。
コメント (10)
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愛がないなら原作物に手を出すな「デビルマン」

2004年10月01日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


▼愛がないなら原作物に手を出すな「デビルマン」


配信中■Amazonプライムビデオ:デビルマン(実写版)
配信中■Amazonプライムビデオ:デビルマン 関連作品一覧

「デビルマン」に魔の手が伸びた。

東映が手掛けることや、FLAMEの双子が明と了を演じること、
監督・脚本が「ビーバップ・ハイスクール」の那須博之・真知子夫妻であることなど、
地雷を予感させるには充分過ぎるほどの要素が揃ってはいたが、
それでも原作の持つ圧倒的なパワーで幾分かでも見られる物に仕上がっていれば良しとしようと、
そこまで譲歩して鑑賞したにも関わらず、そんなささやかな望みさえ完膚無きまでに叩き潰された。

原作は読んだが遙か昔で記憶は曖昧、テレビも見ていたがそれも遙か昔で同じく記憶曖昧。
マニアと呼ぶには程遠い私でさえこのショックだ、
「デビルマン」に心酔しているコアなファンは卒倒するのではないか。
FLAMEに剃刀を送る者、松明を持って東映を焼き討ちに行く者も出るかも知れない。
それほど酷い。酷すぎるにも程がある。
永井豪の代表作であり、日本のマンガ史に名を残す傑作をこんな形で映像化し、
公開に踏み切った東映の神経を疑う出来だ。

何はさておき主演のFLAMEの二人。
学芸会なら学校でやれ。
双子だけあり、ルックスばかりか演技力まで瓜二つで下手さも4倍増、
見ているこちら側の辛さは16倍増だ。
ちょうど最近レンタル開始になった「かまち」を見た人なら、
あれと同レベルだと思ってもらって間違いない。
「かまち」に出演していたLeadとは同じ事務所らしいが、この事務所は一体何をしたいのだ。
こんな下手でもウチなら主役に押し込めるんだと力を誇示したいのか。
それとも、いつまでもブレイクしないB級アイドルに自ら引導を渡すつもりなのか。
感情の抑揚を声の大小でしか演じ分け出来ないという
今どきの子役レベルにすら達していない演技にはひたすら呆然とした。

次は映画初出演となる冨永愛。
自分の引き受けた妖鳥シレーヌというキャラクターを分かっていたのか。
永井豪の作品をどれかひとつでもまともに見たことがあるのか。
「デビルマン」を始めとする永井豪作品には、「エロ」と「グロ」が共存している。
「エロ」なくして「グロ」は存在しない。逆もまた然りだ。
これを書くと変に勘違いされそうなのだが、決して下世話な期待からではなく、
乳を出さないシレーヌはシレーヌではない、と私は思う。
あんなスクール水着みたいなレオタードでびっちりガードしなければ
出られないというなら、いっそオファーを断れ馬鹿者。
戦闘シーンでは首から下を(おそらく)CGで加工して若干露出度は上がるが、
それでも乳は出さなかった。
演技は素人(棒読み)、乳も出さない、お前の存在意義は何だ。
そもそも、シレーヌにモデル並のスタイルは必要ない。必要なのは淫靡な肉感だ。
若い必要もない。いっそのこと杉本彩あたりなら最高のシレーヌになったと思うがどうか。

この作品で最も腹が立つのは、随所に「お遊び」の要素を入れたことだ。
何故ボブ・サップが日本のテレビで英語でニュースを読むのだ。
何故KONISHIKIに「デーモン、バンザイ」と言わせるのだ。
何故小林幸子がいるのだ。
カメオ出演と言えば聞こえはいいが、重いストーリーを進行していて
いきなり小林幸子に出て来て観客を椅子から転がり落とした後、
また元の重いストーリーにすんなり戻っていけると思うか?

「どら平太」「かあちゃん」「突入せよ!あさま山荘事件」など、
ここ数年は役者としてもいぶし銀の魅力を放っていた宇崎竜童も、
今回は細君と揃っての出演のせいか、それとも途中でサジを投げたのか、
やる気の無さが手に取るように分かる手抜き演技だった。
「ゴジラ」に出ていた時でさえ、今回よりは格段に力が入っていたように思う。

実写のシーンとCGのシーンが別の映画かと思うほど噛み合ってない上に、
肝心のCGもどこかのコンピューター学院の卒業製作かというレベル。
この安いCGにFLAMEの声をかぶせるためさらにキツい。
変身した後ぐらい、素直にプロの声優を使った方が良かったのではないか。

長大な原作から拾い集めたブツ切れの名場面を、
ヘナヘナの演技力の人間とヘナヘナのCGで再現し、
見るも無惨な120分の粗大ゴミにしてしまった東映の罪は重い。
これぐらいなら、公開2週間で打ち切りの憂き目に遭った
「キューティーハニー」の方がよっぽどマシだった。

最後に、この作品最大の謎を残しておこう。
宇崎竜童とFLAMEの片割れが二人で稲刈りをするシーンがある。
ここで宇崎が、FLAMEの右腕にデーモンの証であるアザをみつけるのだが、
みつけられたFLAMEがなぜか空に向かって

「ほわーーーん」

と言うのだ。
授業中に居眠りしていた生徒が注意された後のようなリアクションで。
驚いたとかではない。悲しみでもなかろう。
何だあの表現は。
新しい表現方法なのか。
だとしたら、それはどんな感情を表すための表現法なのか誰か教えてくれ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:デビルマン
    配給:東映
   公開日:2004年10月9日
    監督:那須博之
   出演者:FLAME(伊崎央登・伊崎右典)
       冨永愛、宇崎竜童、酒井彩名
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (76)
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