団地小説短編集を歩く

団地小説短編集の舞台を歩きながら団地や地域の魅力をお伝えします。

小説キャナルタウン 32 兵庫運河クルージング屋形船沈没・引き揚げ(台風20号)

2018-10-12 05:59:16 | 日記

      台風ので沈没の屋形船、神戸市が緊急引き揚げ

    神戸新聞NEXT 平成30年9月19日  20時22分配信  から

  神戸市中央区波止場町の神戸港で19日、8月下旬の(23・24日)の台風20号の影響で沈没した屋形船2隻の引き揚げ

 作業があった。所有者らが神戸市の撤去要請に応じないといい、市は港内の他の遊覧船や客船の安全を確保するため、緊急撤去

 に踏み切った。

  今年は次々に台風がやって来ました。21号かと思っていたら20号でした。台風20号は姫路付近に再上陸しましたが動き

 が遅く長時間強風が続きました。台風の中心の東側になった明石や神戸市の西部では21号以上の強風が吹き荒れました。


       神戸屋形観光汽船のホームページ

  

  取材費は原則タダの貧乏ブログでは屋形船に乗っての取材はありません。ホームページによると神戸港の港めぐりの桟橋を

 出港、波の殆ど無い兵庫運河で食事、帰港の2時間コースで11:00・15:00・18:00(30分遅れの記事も)の

 3便あったようです。コースは分かりませんが、和田旋回橋やキャナルプロムナードの写真がありましたので、和田旋回橋は

 狭くて通れませんので、兵庫運河の東半分を回って帰ってきたのでしょうか。

  

  写真は平成29年12月14日に撮影したものです。

   

  写真 左 浦安 第二サマヨ   写真 右 ヒナギク(船名は書いてありませんがあやふやな記憶ですが)

  

  第二サマヨの正面です。

  浦安サマヨをネットで検索したら屋形船観光の会社がありました。第三サマヨもあるようです。
 
  

  川崎重工の浮ドッグ前を航行する第二マサヨ。撮影は平成29年4月10日10時53分ですので営業航海ではないようで

 す。

       神戸港周遊の屋形船 運航会社に船の引き渡し命令

    神戸新聞NEXT  平成29年9月11日  19日58分配信

  神戸港や兵庫運河を周遊する屋形船を運航する「神戸屋形観光汽船」に、船2隻を賃貸した大阪府高石市の男性が、同社に

 船の引き渡しなどを求めた訴訟の判決が11日、神戸地裁であった。石原和孝裁判官は船2隻の引き渡しと、未払い賃料など

 約640万円の支払いを命じた。

  判決によると、同社は平成29年9月から船2隻の賃料(計月283000円)を支払わず、男性は平成28年7月契約解

 除の意思を伝えた。同社は訴訟で「賃貸ではなく売買契約だった」と主張していた。

  石原裁判官は「契約書には売買契約の要素である売買代金の記載が無い」などとし、男性の請求を全面的に認めた。

  同社は判決を不服とし、控訴する方針、屋形船の営業は続けるという。

  気になる記事でしたので引用しました。控訴審についての記事は見つかりませんでした。ホームページによれば平成26年

 4月26日に就航しました。昨年の12月には「12月のおすすめメニュー」や「神戸港開港150周年記念メニュー」の記

 事がありますが、ネットには「最近は営業していないようだ」の書き込みもありました。

       前日たまたま兵庫埠頭で出会いました。

  

  大型のグラブ式浚渫船です。

   

  トラックがやって来て、何か積み込んでいます。写真 右 は翌日の写真です。H型綱の間をパイプ管で繋いでいます。4隅に

フックが有りこの部分はH型綱が補強されています。引き揚げのための特製の治具を製作していたのでしょう。


       屋形船の引き揚げの件はまったく知りませんでした。
    
  

  昨日の浚渫船がいます。浚渫工事が始まったのかと思っていたら屋形船を引き揚げています。

  

  何と、こちらにも沈んでいます。

  

  慎重に引き上げます。

   

  屋形船を回します。

  

  作業船が着きます。

  

  寄神建設の「第11神星」だと思いますが何処にも名前がありません。グラブ式浚渫船ですが起重機船・杭打船兼用です。

  浚渫の場合は27立方メートルのバスケットを使用しますが、クレーンとしては110トンの巻上能力があります。

  中央にある櫓は「固定スパド装置」です。船を海底に固定します。

  船尾の柱は「歩行スバット装置」です。海底に着けたまま角度を変えることが出来ます。つまり海底を歩くことが出来ます。

  290馬力のサイドスラスター(横向きのスクリュー)があります。つまり4本の足とサイドスラスターを使用することによ

 り自分で移動することが出来ます。

   

  ポンプで船内に残っている海水を汲み出します。

  

  海水の汲み出しが終わると海面から引き上げます。

   

  作業船が台船を屋形船の下に移動させます。

  

  屋形船を台船に下ろします。港めぐり観光のお客さんが引き揚げたれた屋形船を横目に遊覧船に乗り込みます。

   

  屋形船が台船に下ろされました。

   

  台船をクレーン船に固定して、船尾スバットを一本海底に固定した状態でサイドスラスターを使用、船の方向を変えます。

   

  船尾の歩行スパッド装置を利用して歩いて進みます。前後に14度ずつ計28度動きます。

  

  次の作業地点まで到着しました。

  

  「ヒナギク」の残骸です。この日は屋根は回収してませんので、屋根はすでに回収済みのようです。


   

  横転したため、船体と岸壁に挟まれて「屋形部」の損傷はこちらの方が激しいようです。流失を防ぐために何重にも巻かれ

 ています。

   

  まづ屋根から引き揚げるようです。潜水士がベルトを掛けます。作業は素潜りのようです。

  

  作業が終わると潜水士が離れます。

  

  水分を切ながらゆっくり引き上げます。

   

  回転させて台船に運びます.

  

  ここでアクシデントが、天井部分が折れて落下しました。

  

  これは大変、天井部分が漂流を始めます。

   

  クレーン船の後ろまで流れたところで回収して曳航します。飛び散った木片一つ流すことはありません。丁寧ないい仕事

 しています。寄神建設。

   

  もう一度、潜水士さんにお願いして引き揚げです。


  

  いよいよ船体の引き揚げです。

  

  潜水士さんはボンベを使わずにホースで空気を吸って作業をしています。青と赤のホースが絡まないように船の左右に分か

 れて船体の下ににベルトを通していきます。

  

  2本のベルトを通すことが出来ました。

   

  潜水士が離れて、引き揚げが始まります。

  

  少し海面に船体が現れます。海水が流れ出るのを待ちながらゆっくり引き上げます。

   

  潜水士さんの仕事はここまで、海から上がります。何の水でしょうか、船底の管から水が勢いよく流れ出ます。

  

  水を抜きながらゆっくり引き上げます。

   

  たまたま船が横転していたので海水は自然に流れ出ますので排水ポンプを使用する必要はありません。

  

  左側の黄色いベルトを通している部分がスクリューと舵のようです。船の大きさから考えると、ずいぶん小さく思えます。

   

  沈没船が一転、空中を舞うことになります。

   

   ♫ ♩ ♫ ♩ 飛んで 飛んで 飛んで 回って 回って 回って 回る~の。♫ ♩ ♫ ♩

  

  船尾にかすかに「第二 サマヨ」の文字が読めます。

   

  台船に下ろします。船の角度が変わると再び船底の管から勢いよく水が流れます。

  

  台船に下りました。ベルトを外します。

   

  屋形船が動かないように支えを入れます。クレーン船が岸から離れます.

   

  台船のお迎えが来ました。 寄神建設の作業船一覧表によれば 曳船・揚錨船兼用 「神19-1」だと思います。

  曳船部分とクレーン部分は分かれていますが、一体として表記されています。曳船部分は総トン数19トン800馬力エ

 ンジンを2台搭載しています。

   

  しっかりと結んで、バックで曳きます。

   

  作業船に手伝って貰って方向転換、ここからは前進で進みます。

   

  東へ方向を変えます。ちょうど帰ってきた遊覧船「ロイヤルプリンセス」に最後のお別れです。


   

  船尾スバットを一本海底に下ろして、作業船の力も借りて回転します。タグボート「鳳翔丸」が近づきます。

  鳳翔丸 総トン数 282トン  3600馬力   神原タグマリンサービス

   

  鳳翔丸は第11神星の船首側に回ります。

   

  船首と船首をロープで繋ぎます。横に曳いて方向転換。

   

  本来なら、専用の押し船が船尾側の凹を押すのですが何と鳳翔丸はバックのまま進みます。狭い港内ではこの方が小回りが

 ききます。コンチェルトが帰ってきました。コンチェルトの帰港までに作業を終わらすことが出来ました。


  たまたま台風24号関連のニュースを見ていたら、同じ場所から中継があり「遊覧船は全て避難しています」と言ってまし

 た。台風20号は21号や24号のように事前に大騒ぎはしませんでしたが強い台風でした。当然、船舶の避難もあったはず

 で、数少ない情報で推測するのも危険ですが、人間の都合で港に放置されたまま沈没したのであれば誠にかわいそうな事でし

 た。神戸には大きな川がありません。隅田川や大川(旧淀川)での屋形船で船遊びの文化はありませんでした。市場が小さか

 ったのかも知れません。せっかく浦安からやって来て気の毒な事でありました。


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