いのりむし日記

いのりむしの備忘録です。

Nakajima Hisae

博覧会と四日市

2013-02-02 | 博物館

四日市市立博物館3階サルビアギャラリーで、「博覧会と四日市」のミニ展示が行われている。展示スペースは小さいが、この博物館に、四日市のどのような資料が収集されているのかを知る、よい機会になっている。

今回の展示では、最近寄贈されたという国産振興四日市大博覧会(1936年)の2枚のポスターが目を引く。どちらも印刷が良く、赤、青、黄、シルバーが際立つ。
一枚は空高く旋回する戦闘機、もう一枚は波打つ海面からのぞく錨を強調、どちらもシンプルで大胆なデザインは「国産振興」「大博覧会」の高ぶりをいや増す。そして、この展覧会の目的がどのようなものであったかをよく表している。

国産振興四日市大博覧会は、1936(昭和11)年3月25日から5月13日まで開催された。会場となった千歳町の埋立地は5万坪、予算額は70万円で、当時の四日市市の一般会計に匹敵する。観客動員目標40万人を大幅に超える124万人が入場した。
博覧会の目的には「港湾施設完成の記念事業」「国産の振興」「輸出の進展」「新興日本国勢の発展に貢献」(趣意書)が掲げられたが、この時、重化学工業の誘致を進めようとしていた吉田勝太郎四日市市長の意図は、「四日市なり四日市港なりを広く世間に知らしめ宣伝する」(伊勢新聞)ことにあった。
そして更に、陸軍館、海軍館、仏教館なども設けられ、「国防智識の普及、国体観念の明徴、宗教的信念の涵養」という目的にも成果を上げたことが、『国産振興四日市大博覧会誌』に記されている。

   「博覧会と四日市」
  1月4日(金)~2月11日(月)
3階サルビアギャラリー  入場無料

Tennrannyokkaiti

展示資料
【内外博覧会関係】
●内国勧業博覧会御用掛申付書 1876(明治9)年  
   *三重県より鎌井松石宛
●墺国博覧会県管下諸物品取集御用任命書 1872(明治5)年 
   *三重県より鎌井松石宛
●花紋賞牌1877(明治10)年 
   *第一回内国勧業博覧会萬古焼
●第四回内国勧業博覧会大極殿略図1895(明治26)年
●第五回内国勧業博覧会全景1903(明治36)年
●伊藤製糸場賞牌受領額 明治時代後期
●第五回内国勧業博覧会一等賞牌額1903(明治36)年 
   *伊藤傳七醸造の“八島”
●セントルイス万国博覧会賞状1904(明治37)年 
   *伊藤小左衛門6世の生糸
●巴里万国博覧会金牌額1900(明治33)年  
   *伊藤傳七醸造の“八島”
●リエージュ万国博覧会賞状1905(明治38)年 
   *伊藤小左衛門6世の生糸

 (伊藤製糸場は明治期8回万国博覧会に出品している。)

【国産振興四日市大博覧会 1936(昭和11)年 関係】
●国産振興四日市大博覧会ポスター
●同案内
●同全景
●しおり
●入場券
●チラシ
●会場図
●余興チラシ
●余興番組
●日光館チラシ
●スタンプ帳
●ポストカード
●記念写真帳
●新興の四日市
●躍進四日市

【講和記念全日本農機具・新日本産業大博覧会 1952(昭和27)年 関係】
●講和記念大博覧会案内
●同ポスター
●同チラシ
●開会式次第
●サーカス招待券
●入場券
●記念たばこ
●前売り券販売促進チラシ

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