TBS日曜ドラマ「御上先生」からの言葉が私の心にピタリと合った。
「人の記憶力は若い時がピークと言われているし、実際そうなんだけど、実は年をとればとるほど頭って良くなるんだよ。知識がたまっていって、あるときシナプスが伸びて、脳細胞どうしがつながる。それが理解したってことで、この理解力は30才を超えて深くなっていくと言われているんだ。そのかわり若いうちにたくさん努力する必要があるらしいけどね。僕が読んだ本には30才をどう迎えるかが大切だと書いてあったけどね。たとえばその時期、本を読んで過ごした人には、一生言葉とよい関係を築けるし、深く読めるようになります。僕は職場で国会答弁書きながら、気付いたら日付変わってたね。僕以外みんな帰って、だれもいない職場で、30才を迎えながら国会答弁を考える。官僚としてこれ以外ないほど贅沢な誕生日だったよ。」
激しく同意した。
私は本当にラッキーだった。
大学時代の19歳の時に、人生の師と決めた方から指針を与えられた。
「人間は30歳までが勝負である。私も20代の頃に、師匠と決めた方から徹底的に鍛えられた。師匠と会えば必ず、『今、どんな本を読んでいるんだ?』と聞かれた。困難な組織があれば、改革せよと任され、歴史を刻んできた。20代が大事だ。結果が出なくてもよい。20代でどのような人生の習慣を築くかで、その後の人生が決まる。30代から変わろうと思っても、それは非常に難しいことだ。20代で自分自身と格闘した経験が、30代以降にすべて花開くのだ。」
私は、この指針を真っ直ぐに受けとめて、独学ではあったが、20代のうちに授業実践について徹底的に学んだ。
30代で、社会に訴えていける実績を積むことができた。私の教育実践を、新聞やテレビでたくさん紹介してもらえた。
40代でマインドマップやフォトリーディングと出会い、信じがたい研修を受けた結果、日本の教育界を動かすような実践を積むことができた。
その結果、若い頃には「生涯一教師」として人生を送ると想像していた自分が、副校長となり、校長となった。
20代が本当に大事だ。
私が指導してきた20代の教員も皆、20代で教師力の基礎を身に付けたことで、40才前後で指導主事や主幹教諭に育っている。
今、たくさん採用されている若手教員が大きく育ってほしい。
安直な20代を過ごさず、鍛えの20代を送ってほしい。
これから5年間の私は、そのことを最大の目標として、現職を全うしていくことになるだろう。