ミカサ杯三次予選へのチャレンジ

1月28日にミカサ杯教育大会二次予選の全試合が終わり、三次予選の日程が決まりました。
会場優先権のあるチームの予定により、2月11日(日)が三次予選になりました。
この2週間の準備期間があいたことは、矢口タートルズにとって、とてもラッキーなことだと思っています。
2週間あれば、また別チームに育て上げることができる。
そう、辰巳ジャンプを指導して、何度も都大会に出ている経験から、この2週間で子供たちを急激に伸ばすスキルを自分がもっています。加えて、「あと1点、この1点が取れたら都大会に出ることができたのに」という悔しい経験もしてきました。そのようなことがないように、意識レベルを最高レベルにもっていき、子供たちを鍛えていきます。



ところで、1月25日に私の父親が逝去しました。88歳。米寿でした。
分かっている範囲、公開してよい範囲で、父のことを書き残しておこうと思います。

父は、静岡県天竜市、天竜川の上流地域の出身で、学校の教員をしていた祖父の次男として生まれました。(私が教員になった時、祖父の血を引き継いだ孫だねと、親戚から言われました。)
戦後の時代を中学生・野球部員として過ごし、15歳で東京に集団就職、紳士服を仕立てる職人としての人生を始めました。戦後すぐの時代。くさりかけたご飯を食べなくてはならないこともあったと語っていました。
20代後半で母親を紹介され結婚。池袋近くの安いアパート暮らしの中で、私が誕生しました。

私が5歳の頃、肺結核にかかって長期入院。死と向かい合う第1場面でした。幼い私は病院の庭で、父親といっしょにセミを捕まえて楽しんだことを記憶しています。幸いこの危機は乗り越えました。

私が小学校1年生になってすぐ、品川の都営アパートの抽選に当たり転居。それ以来、今まで、50年以上定住しました。
転居後、しばらくして妹が誕生、双子でしたが一人は3日目に亡くなりました。もう一人は元気に地方で母親をしています。
1年半後、弟が誕生。順調な家庭生活と思っていましたが、父は私が小学校4年生の頃、重症の胃潰瘍にかかり命の危険、緊急手術。母が看病をしなくてはならないため、幼い妹は親戚に預けられました。妹は帰ってきた時には、その親戚の叔母のことを「かあちゃん」と呼ぶようになるほど、長い期間の戦いをしました。私は都営アパートの大人の皆さんに支えられ、「あなたが頑張らなくてはお父さんは治らないよ。」「あなたがしっかりしなさい。」と励まされ、小4ながら病魔との戦いの中心者になるよう、地域の方々に育てていただきました。このことは、地域の皆さんからのリーダー育成教育を受けたと同じだと認識しています。胃の三分の二を切除して、父は再び帰ってきました。死と向かい合う第2場面でした。

この後、元気に回復した父は、紳士服仕立て職人として、銀座英国屋の所属になっていきました。

祖父が教員だったこともあり、私が22歳で教員として働き始めたことも、父としては感慨深かったのかもしれません。遺品を確かめてみると、教員として私の実践が新聞紙上に紹介された記事を残していました。もちろん妹や弟の記事も同様です。

三度目の命の危機は、ありえない形で訪れました。
父が町中華の店で気分よく飲食し、鼻歌を歌いながら帰宅する途中、近所に住むある心を病んでいた青年から、突然暴行を受け、頭を殴られ、道に置き去りにされたのです。幸い、青年の家族が異変に気付き、すぐに119番してくれたため、ギリギリで救急搬送されました。ICUに入った父の具合は悪く、回復するかどうか分からなかったのですが、生命力が強いのでしょうか、この三度目の危機も乗り越えました。

このように、三度の命の危機を乗り越えて、四度目の人生を歩んでいた我が父親でした。
仏教の教えでいうと「更賜寿命(さらに寿命を賜る)」の功徳といいます。
実はこうした体験から、私の教育哲学の根っ子になったのが、この「更賜寿命」の考え方です。
自分のかかわる人たちは、私の一念で、ピンチになっても必ず意味のある寿命の伸ばし方をする。まずは生きていればそれで十分だ。ここに迷いはありません。

父の残した銀行通帳を見てみると、なんと86歳まで英国屋の紳士服の直しの仕事をしていたことによる給料が振り込まれていました。そんなに高齢になるまで働き続けたことを尊敬すると同時に、ここ2年、仕事ができなくなって生命力が落ちたんだなと思えてきます。これは父の残した教訓だと解釈しました。
「息子よ、お前も教育の道に命をかけたのなら、年齢に関係なく、命の火が消えるまで教育の仕事をしなさい。私だって、職人として、できるところまで頑張ったんだから。」
そのことを身をもって示した父だったのだと受け止めようと思いました。
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