ツメ跡を刻む教育実践

私、新人教師であった25年前から肝に銘じてきたことがあります。それは、勤務した学校に自分のツメ跡を刻んで次の学校に異動するということです。ツメ跡とは、自分の実績のことです。それが長い間、その学校の行く末を決めていれば、私の実践は正しかったと思えるわけです。

大学を卒業したばかりの初任校では、右も左も分からず猪突猛進していました。しかし、その時に実践した取り組みを論文にまとめ、ある懸賞論文に応募したところ、「新人奨励賞」を受賞することになり、ひとつの結果を残すことができました。

次に赴任した小学校では、自分がプレー経験したこともないバレーボールを指導することになりました。未経験の私はいろんな方々に迷惑をかけながら監督業をさせていただきました。スタートの5年間は指導者として未熟すぎました。その間に指導した子どもたちには、私の未熟さ故に嫌な思いをさせてしまうことばかりで、申し訳ない思いしかありません。6年目に初めて都大会出場を果たすことができました。この都大会出場を節目に監督を退かせていただいたわけですが、これを引き継いでくださった歴代監督の皆さんのおかげで、このチームは今でも存続しています。

3校目に赴任した学校での実践は、今でもその学校の流れとして残っています。辰巳ジャンプを創ったのもここです。
・ホームページで全国ベスト8。その他数多くのコンクール入賞(読売新聞や文化放送でも紹介される)
・鮭の放流活動を通した全国交流
・幼少交流を定着させる。
・障害者更生施設との交流実現
・なわとび活動の提案、定着
・スクールキャラクター作成
そのほか、現在の学校でも取り組んでくだささっている私の遺産がたくさんあります。

次の学校では、
・誰でも簡単に更新できるホームページシステムの構築
・全教育活動の年間指導計画が実態に合うように作成
・マインドマップ活用教育を日本全国に紹介(NHKでも紹介される)
・電子黒板を始めとするICT機器活用授業を数々推進
・プラス思考の学校経営実践
・ユニバーサルデザイン授業の定着化


今まで勤務した学校すべてに、何らかのツメ跡を残してきました。そのすべてが今でもその学校で生きていることが心から嬉しいことです。

では、今勤務している学校には、私は何を残していけるでしょうか?
必ずツメ跡を残すために、強い教育実践を続けていこうと思っています。
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「夢の教室」・・・もっともっと広げよう!

トップアスリートが講師を務める「夢の教室」という取り組みがある。日本サッカー協会が組織した取り組みである。今日、私の勤務する学校でその授業が行われた。学校としてこれで3回目の「夢の教室」となる。

リンク「JFAこころのプロジェクト・ユメセン」

実はこの取り組みへの参加依頼は、2008年に個人的に受けている。なでしこジャパンの初代キャプテンである野田さんと食事を共にする機会があり、その際、「井上先生こそ、この夢の教室を活用してほしい」と切望されたことがある。それ以来、いつも心の片隅にあった授業であった。

今日、来てくださったのは、元ヴェルディの林健太郎さん。私は自分の仕事があったため、残念ながらどんな話をしてくださったのか立ち会うことはできなかったが、ボランティアで来ている大学生をサポート役として教室に派遣しておき、終了後感想を聞いてみると、「夢曲線」を使った林選手の挫折と成功の話に、子どもたちは実に真剣に聞き入っていたらしい。よろしいのではないでしょうか。トップアスリートの示す「人生モデル」は、子どもたちの生き方に確かに強い節目を刻むのだと感じます。

「こころのプロジェクトサイト」を見ると、この授業の実施回数が約2900回となっています。もっともっと回数を増やして、小学生の子どもたちにはっきりした夢を持たせてくれることを期待しています。体罰問題でマイナスなイメージにある日本スポーツ界ですが、プラス展開していくためにも、JFAだけでなく、できればJOCをあげて、子どもたちの「キャリア教育」に取り組んでほしいと感じます。ほとんどの指導者、選手は、体罰と無関係な世界で努力しているのですから。
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キャリア教育の視点と辰巳ジャンプの活動

辰巳ジャンプの活動(バレーボール活動)について、文部科学省が推進している「キャリア教育」の視点にあてはめて考えることを、ふと思いつきました。そこで忘れないうちにこの記事に簡単にまとめておきます。この記事は今日1日で完成させることは難しいので、今週いっぱいで書き上げることを目標にして、できるだけ毎日更新していきます。ご意見のある方は、ぜひコメント欄にご自分の考えを書き込んでください。書いてくださったことも参考にして文章化していきます。


1、人間関係形成・社会形成の能力育成
(1)他者の個性を理解する力
バレーボールはみんなで「ボールをつなぐ」競技です。ボールをコートに落とさないようにするためには、自然とチームの仲間の個性をつかみ、お互いにカバーしあうことでボールがつながることを子どもたちは理解します。自分一人だけでは何もできないことを自然に理解できるのがバレーボール競技の特徴です。

(2)他者に働きかける力
バレーボールを上手にするためには、自分がパスをする相手を十分に意識し、また、チームのみんなでつないできた“ボール=思い”をアタッカーが意識しながらスパイクを打つ。こうした流れの中で、他者に働きかける力が育まれていきます。また、バレーボールという競技の特性上、他チームの子供たちとも1日中、体育館に一緒にいることが多いです。すると小学生に限らず、中高生でもチームを越えた友情が生まれるものです。辰巳ジャンプの活動の中で、「他のチームにも友達を作ることができる人がバレーボールもうまくなる」と指導しているのも、キャリア教育の中の「他者に働きかける力」を育成していることにつながります。

(3)コミュニケーションスキル
バレーボールの中でも特に小学生バレーボールの場合、ほとんどの子供は初めてチームスポーツ活動に参加することになります。バレーボールは他のスポーツとは大きく違う点があります。それは自分のコートの中にボールを落としてはいけないという特異性です。ボールを落とさないためには、自分がボールに触れたら次の人がどうしてほしいのか、さらに3本目を打つアタッカーがどのように打ってほしいのかまでイメージしながらプレーします。このボールコミュニケーションを確立するためにどれほどの時間をかけて練習しているでしょうか。どのチームも、それはそれは忍耐強く、子供のコミュニケーション能力を育んでいると言えます。

(4)チームワーク
スポーツチームにとって、「チームワーク」を良くすることこそ最大の目標です。どんな指導者でも、チームワークの良いチームを作りたいことは120%間違いありません。そのために、手を変え品を変え、子供たちを言い聞かせ、仲間意識を育んでいきます。そして厳しい対外試合を繰り返していくことによって、自分のチームが勝つために力を合わせたり、自分自身の役割を果たしていこうとする意識が育ちます。
さらには他チームと切磋琢磨していくことによって、自分のチームへの「チーム愛」というものも育てていきます。自分の努力がチームの成績へ直接影響を与えていく。だから「チームのため、仲間のために努力をする」子供が育ちます。
今、学校では「愛校心」や「愛国心」をいかに育んでいくかということを課題にしていますから、小学生スポーツの中では自然な形で「チーム愛」を根付かせていけます。

(5)リーダーシップ
バレーボールに限らず、スポーツチームをまとめるキャプテンは強力なリーダーシップが育っていきます。特に辰巳ジャンプのバレーボールは代々「キャプテンが強烈なリーダーシップを発揮するバレーボール」「キャプテンはコートの中の監督」「キャプテンは監督と一心同体」「キャプテンはチームの顔」というチーム作りをしてきましたので、小学生離れしたキャプテンシーを発揮するようになるはずです。現6年生のキャプテンも5年生で新キャプテンになった頃に比べれば、比較にならないほど立派な態度でチームをまとめられるようになりました。辰巳ジャンプが取り組んできた「キャリア教育」の大きな成果だと思っています。


2、自己理解・自己管理
(1)自己の役割の理解
小学生バレーボールはローテーション制ではなくフリーポジション制です。そのため、役割分担がはっきりしています。アタッカーはスパイクを決めることが中心、レシーバーは相手の攻撃を封じることが中心というように、個々の役割に集中しやすいのがフリーポジション制です。中学生以上が取り組むローテーションバレーよりも簡単で、自己の役割を理解することに関しては優れていると思います。このフリーポジションバレーをすることによって、小学生バレーボーラーたちは自分なりにチームに貢献できる方法を考えます。指導者が上手に働きかけることによって、すべての子どもたちが自分の長所を生かしてプレーする。これが小学生のバレーボールなのだと思います。

(2)前向きに考える力
ただ普通に小学生バレーボールをしていても、この「前向きに考える力」は伸びません。なぜなら、バレーボールは自分のコートにボールを落としてはいけないというルールがあり、極端に「ミス」を嫌う傾向があるからです。自分のコートにボールを落とさないために、泣きたくなるようなレシーブ練習を繰り返すことが一般的ではないでしょうか。ただでさえミスが目立つスポーツなので、指導者は十分に気をつけなくてはならないはずです。子どもたちが何度ミスしても、常に前向きにバレーボールに取り組むようにするように育てたいものです。辰巳ジャンプの場合は、「最低10000回はミスしないとうまくならないよ」という声かけを続けてきました。この「1万回」という数字の根拠は、一流選手の言葉から採っています。
「合計10000時間練習すれば全国大会に出られる。30000時間練習すればオリンピックのメダルが取れる」
卓球の福原愛さんは、この「30000時間練習」を意識して挑戦してきたそうです。福原さんは3歳で卓球を始めてから20年間たちました。30000時間を20年間で割り算すると1年間の練習時間は1500時間。1500時間÷365日=1日に約4時間。ここまでできるかどうかは別として、こういうメンタルポイントを意識して、常に挑戦だけはしているのが辰巳ジャンプの子どもたちです。

(3)自己の動機付け
辰巳ジャンプのバレーボールは「モチベーションアップ」を最大のテーマとして指導しています。そのために「アファメーション」という手法を2008年から取り入れています。
アファメーションに関するブログ記事
自己の動機付けを強めるためには、おそらく「アファメーション」を使うことが一番でしょう。今日も練習中に子どもたちの話す言葉の中に「コンフォートゾーンを高めるためのアファメーションをどうしたらいいか考えることが大事だ」というようなことが自然に出てくる状態です。この言葉ひとつ取っても、普通の小学生ではないメンタルレベルにあることが分かります。

(4)忍耐力
バレーボールは「我慢のスポーツ」と言っても過言ではありません。チームによっては「耐える」という言葉をチームのモットーにしているチームもあります。それほど微妙なメンタルリテラシーが勝敗を左右するスポーツです。試合で我慢ができなくなったチームは、泣きたくなるくらいガタガタになっていきます。逆に最後の1点まであきらめないで戦い抜いたチームが、奇跡の逆転勝利をつかむことが多いのもバレーボールの特徴だと思います。私は何年間か、全国大会の取材活動をさせてもらったことがありますが、東京体育館のコートサイドで、何度この「忍耐力」の大切さを感じたことか。厳しいスポーツに取り組むことで、子どもたちの忍耐力を強化していることは間違いありません。

(5)ストレスマネジメント
小学生バレーボールは追い込みすぎてもいけない、ゆるめすぎてもいけない。まさにストレスマネジメントの要素を指導に活用しなくてはならないスポーツです。多くのチームの指導者の方々は、練習試合の最中に、子どもたちに「乗り越えなくてはならない壁」を用意しています。壁とは「目標」「課題」のことです。子どもたちは壁に立ち向かうのですから、当然ストレスがかかります。しかし、適度なストレスを感じるからこそ実力がつくのです。楽しいだけの練習、ふざけ半分の練習で上達するわけがありません。
難しいのは、こうしたストレスのバランスです。極度に厳しすぎるとチームをやめてしまう子も出てきます。せっかく縁した子どもたちです。全員がバレーボールの楽しさを満喫できるようにストレスの度合いもマネジメントできるような指導者になりたいですね。
また、報道によると、部活動が原因で、自らの命を絶ってしまった高校生がいると伝えられました。辰巳ジャンプはこういうことを絶対に起こさないために、厳しい練習をした直後には、子どもたちに「自己表現」「自分の思いを話す」ことをさせています。また、毎回の練習に参加するためには、「練習ノート」を書いてくることが宿題になっており、このノート指導で子どもたちの思いをくみ取るようにしています。

(6)主体的行動
「誰も見ていない所で努力できる子が一番うまくなる」
これが辰巳ジャンプの合言葉です。子どもたちの主体的行動を促す言葉です。「誰も見ていない所の努力=自分に本当のやる気がないと努力できない」という図式となります。これが最も「主体的な行動」を育てることにつながっていると思っています。ただ、この「人が見ていない所で努力する行動」を子どもが本当にしているのかどうかを見極めることが指導者として難しいことです。辰巳ジャンプは週末練習しかしないサイクルなので、平日は子ども任せです。何らかの練習をしてもしなくても、誰も注意はしません。そういう中から土日だけの練習で、1週間前との変化を見極め、子ども本人も納得するように「評価の言葉」を返してあげること。本当に難しいのですが、土日練習チームが成果を上げるためには、こうした見えない努力を発見することに力を注ぎ、チームの子どもたち全員に分かるように好評価し、承認欲求を満たしてあげることが大事です。

3、課題対応
(1)情報の理解・選択・処理等


(2)本質の理解


(3)原因の追求


(4)課題発見


(5)計画立案


(6)実行力


(7)評価・改善


4、キャリア・プラニング
(1)学ぶこと働くことの意義や役割の理解


(2)多様性の理解


(3)将来設計


(4)選択


(5)行動・改善
辰巳ジャンプのバレーボールは「TEFCAS」というフレームワークを活用して物事を考えています。教育界では「PDCAサイクル」というものをよく教えられますが、いったいいつの思考ツールなのか?これは第二次世界大戦直後に考え出されたものであり、それが80年以上もたった今に、これ以外にないような取り上げられ方で扱われている日本の現状。そろそろ新しい次元に進みませんか。
そこでトニー・ブザン氏が考え出した「TEFCAS」を使いましょう。説明します。
Sからスタートします。

S(サクセス)・・・成功イメージを直感的に考え出す。
T(トライ)・・・・まずは思いつくことを、勇気を出してやってみる。行動が最優先。動いて考えることが基本。
E(イベント)・・・行動すれば必ず何かが動きます。
F(フィードバック)起きた事象から様々な情報が返ってきます。
C(チェック)・・・帰ってきた事象を冷静に分析し、良い面悪い面などを判断します。
A(アジャスト)・・分析した結果を元にして、次の行動のために調整し、行動計画を立てます。
S(サクセス)・・・スタート時点でイメージした成功の姿を実現していきます。チェック・アジャストで修正が加わっているので、もしかしたら成功イメージも修正されていることもあるでしょう。いずれにしても最後は成功感、達成感でしめくくることが大事です。

こういうことを小学生でもできるようにするために、練習ノートを書いて「自問自答」をさせているのが辰巳ジャンプの指導です。「TEFCASサイクル」を身につけることができれば、その子は将来、バレーボールに限らず、すべてのことに成功サイクルを当てはめて行動していくことができるだろうと期待して指導しているのです。
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日本教育再興連盟のボランティアミーティングを開催

本日午後から、「日本教育再興連盟」に所属している大学生たちが勤務校に集まり、様々な学校で活動をしている学生ボランティアのミーティングを行いました。

私の勤務している学校でも、この連盟から4名のボランティアを受け入れていて、学習支援に大きな力を発揮してくれています。今回、私のところでミーティングを開いてくれた大きな理由は、おそらく私自身が常に心に抱いている「学生が大事だ」「学生を育てたい」「若手を育てなければ教育の未来はない」という思いを事務局のメンバーが感じてくれて、私のところならば安心して研修ができると判断してくれたのだと思っています。

学生たちが自分達で考え、運営していった研修内容は次のようなものでした。

(1)学生ボランティアの活動報告4件(40分)

(2)私の講話「学生ボランティアに望むこと」(30分)

(3)グループ討議(30分)

(4)討議発表+私のフィードバック(50分)

(5)今後の組織運営について(20分)


たいへん優秀な大学生たちが行う研修会ですから、企画運営が本当にしっかりしていて感心することばかりでした。このような活動をしている学生たちが、将来ぜひとも教員として活躍して欲しいし、または学校のPTA役員として学校を支える一人になってくれたら心強い。もっと大きな期待をかけると、将来社会人として働きながらも子どもたちを育てるボランティア活動を何らかの形で続けていく存在であってほしいと思いました。



私が取り組んでいる辰巳ジャンプの活動も、完璧なボランティア活動です。自分が忙しい中、なぜこうしたボランティア活動をしているのかといえば理由があります。辰巳ジャンプの子どもたちは純粋に“私の指導”を受けるために参加してくる子どもたちなのであり、私の理想とする教育を何のためらいもなく実践できる唯一の舞台であるからです。ですから「辰巳ジャンプの子どもたちの姿=私の指導力の顕れ」なのです。この子どもたちの姿は、どこへ連れて行っても自慢できると私は思っていますし、そのように育てるために「誰もが応援したくなる子どもたち」をキャッチフレーズに教育してきたつもりです。「日本教育再興連盟」の皆さん、ぜひ一度、辰巳ジャンプの子どもたちに会いに来てください。その素直さ、健気さに魅了されますよ!
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東京都の中高一貫校受験への一助言

私、ここ最近の5年間、東京都の公立中高一貫校には教え子をすべて合格させてきました。そのエッセンスを書き残しておきます。

(1)普段からPISA学力を意識する
「情報収集」⇒「解釈」⇒「熟考」⇒「評価」⇒「発信」⇒「交流」という流れがPISA型学力と言います。これを毎日の授業の中で繰り返すことにより、ひとつの課題から20も30も答えを編み出せる学力が訓練されます。これまでの日本の入学試験や模擬試験では、ひとつの答えに対してひとつの答えしかない問題が出されてきました。なぜなら、その方が採点しやすいからです。ところが、これからの時代は、答えなき課題に対して効果的と思われる複数の答えを用意していくことこそ求められる力になっています。それを問う入試問題を出しているのが東京都中高一貫校なのです。

(2)担任の授業革命が必要
6年生の担任は、一問一答式の授業方法を捨てて、一問多答式の授業をしていかなくてはなりません。これは何も中高一貫校に合格させるためだけではなく、これからの時代に生きていくすべての子どもたちのために必要な学力です。こうした一問多答式の授業によって、幅広い思考を鍛えられた子どもたちは、中学校では生徒会や学級の中でリーダー性を発揮し、学年内に起こる様々な問題を解決していく生徒に育ちます。中高一貫校で求められる学力とは、このような問題解決能力なのです。

(3)家族の会話が重要
保護者は担任の先生だけに頼るようなことを決してしてはいけません。家庭内の会話をこれまでの数十倍増やす努力をすべきです。中高一貫校に合格させること・・・これが最終目標なのではありません。受験を通して親子が成長していくことが大事なのです。受験というものは合否がありますから、成功することもあれば失敗することもあるでしょう。肝心なのは、この受験を通して家族の何を成長させるかという的をしぼることなのです。そのためには、「何のために受験するのか」という根本のモチベーションを再確認する必要があります。この根となるモチベーションがあいまいな場合は、受験をやめるべきです。あわよくば合格という親のあいまいな姿勢こそ、私は断じて切っておきたい。子どもに受験を強いるならば、親の責任で必ず合格させる。万が一不合格だったとしても、子どもに挫折感を味わわせることのないように周到な準備をしておく。最低限このくらいの努力ができない親だとしたら、「お宅は受験をあきらめてください。」と指導してきたのが担任時代の私です。

(4)親子、夫婦の会話で社会問題を1~2時間話せ
家庭の教育環境を高めることが中高一貫校の合格に必要なことです。教育力を高めるために、社会問題を語り合う時間をもつべきです。今の時代、1年間に流れる情報の量は何百倍という異常な加速状態になっています。この膨大な情報の中から、自分の家庭の生活にあった情報を選び出し、日々家族で考えていく。このような思考の訓練が普通に行われることで子どもの思考力が鍛えられていきます。家庭で難しい場合は、それに代わるような環境を用意してあげることが必要です。毎日、そして毎時間の学校の授業が、思考力を鍛えていくものであるならば、それが一番の近道にはなります。なぜなら、学校の授業時間数というのは6年生ならば1000時間以上あるからです。この1時間1時間を鍛えの時間としているか、ただなんとなく使っているかで、1000倍の思考力が身についているか、1000分の1の思考力で止まっているかの大きな分かれ道となるからです。

(5)表現力を鍛えよ
自分の考えを人に伝える努力をすることこそ、中高一貫校合格への近道になります。これについてはいついかなる場合でも訓練できます。たとえば、バレーボールの練習や試合の最中にだって、チームメイトの気持ちを高揚させるための言葉を選んでしゃべることができるのですし、練習を通して「強い心」を鍛え上げることだってできます。その「強い心」から発せられた言葉が、チームの仲間の心・・・いや、それ以上に監督である私の心・・・を打つようであれば、最高の表現力(心からのさけび)になるのです。

(6)リーダーであること
中高一貫校に合格した子、または、「この子が受けたら間違いなく合格しただろう」と思われる子は、必ずリーダーシップを持っています。公立中学校に進学した私の教え子たちの中で、小学校高学年時代に能力開発できた子は、必ず生徒会役員や学級委員になって学校を動かしています。その程度のことは当たり前にできる「統率力」を持っているのです。

(7)遠いビジョンを親子で考えよ
中学校受験など小さな壁です。今進んでいる道が正しいかどうかなど、10年はたたないとわかりません。中学受験の合否で左右される人生など歩まないことです。なんのために自分の力を使うのか。そのことを常に自分に言い聞かせ、行き詰まっても原点回帰して粘り強く立ち上がることのできる力を受験を通して育んでいくこと。その先には輝ける未来を描けること。ご自身の子どもをそのように強くたくましく育てていくこと。これが中高一貫校を受験する意味になれば良いだろうにと感じています。



ある保護者の方から中高一貫校の受験心得を質問されましたので、ほんの少しだけ掲載しておきました。
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【副校長のお仕事の魅力(3)】 キャッチしました日本教育を変える学生集団を!

日本教育再生連盟の学生さんと面談をしました。

来てくれたのは東京大学で教育行政学を学んでいる学生さん。その見事な語りっぷりに心がワクワクする喜びを感じました。

この子たちは、打算で動いているのではない。学生という立場で日本の教育界に何か貢献していけることはないのかをしっかり考えている。そして心ある学生を組織している。私はそんなビジョンを持っている若手を大歓迎したいので、全面的に協力し合うことを確認し合いました。

たぶん、この団体の学生たちは、卒業後に教師という道はもちろん、文科省や大学の研究者になる人もいるでしょう。多方面に進んだ人材たちが日本の教育を良い方向に変えていく。そんなビジョンを持ちながら、今目の前のことに全力投球しているようです。



この学生たちを支えている後ろ盾には、次のような方々が支援しています。


河村 建夫 氏(衆議院議員・元文部科学大臣)

鈴木 寛 氏(参議院議員・元文部科学副大臣)

陰山 英男 氏(立命館大学教授・立命館大学付属小副校長)

金子 郁容 氏(慶応義塾大学院教授)

野口 芳宏 氏(日本教育技術学会理事・名誉会長)

深澤 久 氏(高崎市立浜尻小学校教諭)

北城 恪太郎 氏(日本IBM最高顧問)

古田 敦也 氏(元ヤクルトスワローズ プレイングマネジャー)

岡田 武史 氏(元サッカー日本代表監督)

林 真理子 氏(作家)

和田 秀樹 氏(精神科医・国際医療福祉大学教授)

北川 正恭 氏(元三重県知事)

上條 晴夫 氏(東北福祉大学准教授・授業づくりネットワーク代表)

服部 幸應 氏(学校法人服部学園理事長・服部栄養専門学校校長)

川島 隆太 氏(東北大学教授)

藤原 和博 氏(大阪府特別顧問・元杉並区立和田中学校長)

小島 貴子 氏(立教大学大学院准教授・コオプ教育コーディネーター)

山田 宏 氏(元杉並区長)

石田 芳弘 氏(元犬山市長)

吉山 勇樹 氏(ハイブリッドコンサルティング代表取締役CEO)

白井 克彦 氏(早稲田大学名誉総長)

佐藤 大吾 氏(NPO法人ドットジェイピー理事長)

船橋 力 氏((株)ウィルシード代表取締役社長)

長田 百合子 氏(一般社団法人 日本家庭教育再生機構 理事長)

中竹 竜二 氏(元早稲田大学ラグビー部監督・日本ラグビー協会コーチングディレクター)

義家 弘介 氏(参議院議員)

櫻井 よしこ 氏(ジャーナリスト)

小畑 力人 氏(和歌山大学副学長)

玉置 崇 氏(小牧市立光ケ丘中学校校長)

高橋 良祐 氏(港区教育委員会教育長)


すごい方々ですよね。



この団体のコンセプトとして、今年新たに打ち出されたのが、「平成の松下村塾」を目指すことだと聞きました。

私個人としては、ここに関わる大学生たちに大きな期待をしています。
「松下村塾」・・・大いに結構だと思います。
「松下村塾」・・・私も大好きです!


日本の教育をそこまで真剣に考えてくれるのであるなら、私もいっしょになって何ができるのかを考えていこうと思います。



今日の面談で、以下のことを学生たちと決めました。

「年間行事として予定しているボランティア活動報告会で、私たちの活動を報告して、日本教育再興連盟をもアッと言わせる報告ができるように頑張ろうよ!」


こうしたコーディネートは副校長という立場の人間にしかできないことです。担任時代にはできなかったことを、せっかくですから楽しみながらやらせてもらっています。
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【副校長のお仕事の魅力(2)】 学習支援ボランティアさんの協力

昨日に引き続き、副校長のお仕事紹介です。

私の学校では「学校支援地域本部」が昨年度に立ち上がり、学校の教育活動に協力をしたいというボランティアの方々をコーディネートしてくれます。このボランティア活動は、本来、授業支援をメイン活動にしたいということを理解した私は、さっそく家庭科の裁縫学習に支援をお願いしました。

あまり時間的な余裕がなかった私の呼びかけに応えてくださったボランティアの方々の人数は、予想をはるかに上回り、十分すぎるほどの支援をいただくことができました。

今日がその「授業支援」のスタートだったわけですが、各班に一人ずついる学習支援ボランティアさんのお力は素晴らしく、「玉結びの技術を身につける」という授業のねらいをたくさんの子どもたちが達成することができました。


副校長として何よりも嬉しかったのは、ボランティアさんたちが、教えることを喜んで取り組み、授業の後で「今日のボランティア活動は楽しかった」と言ってくださったことです。

ボランティアさんは「やりがい」を感じ、教員はボランティアさんがいてくれることで授業の効率化を推進し、子どもたちは地域の方々との関わりを深めることができる。まさに一石三鳥の取り組みを推進することができました。


自分の勤務する学校の関係者が、みんな120%ハッピーになれるように、副校長の私が存在するのでしょう。
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【副校長のお仕事の魅力(1)】 最強の大学生軍団を組織してみたい

たまには私の仕事の醍醐味を伝える記事を公開するのも、教育界の役に立つと思うので少しだけ紹介します。

個人情報には十分に配慮しながらも、伝えられることは書いておくことで、それを読んだ今の20代の教員が、10年後、20年後に管理職を目指すかもしれない。だから私は書いています。


私の勤務する区の大きな特色として、「大学生による学習支援ボランティア」への支援が、他地域と比較して充実していることがあります。学校側としては、この制度を有効利用できれば、子どもたちにも教員にも支援をすることができます。そこで、私は昨年度末から大学生ボランティアを結集することに力を注いできました。

その結集の活動の中で、「日本教育再興連盟」というNPO法人との連携を生み出しました。リンクしたサイトをクリックして見ていただきたいのですが、文科省の関係者も後方支援しているしっかりした法人です。

この団体に所属している大学生たちは、本当に真面目に活動をしています。自ら組織運営をし、できる限りの学校支援をしようとしているのです。

そんな大学生の思いと、私の思いがマッチしたのか、法人の側で積極的にボランティア体制を組んでくれまして、この5月より4名の大学生が学習支援に参加してくれることになりました。

さらに、この法人以外にも、地元T大学から2名、教育系S大学から2名の学習支援ボランティアが入ってくれるように交渉が成立しています。

たぶんここまで手厚い大学生ボランティア集団を組織できる学校も、そうはないと思うんですよね。

教員志望の大学生を育成しながら、自分の学校を安定させる。

一石二鳥です。

若い純粋な力を、もっともっと結集すること。こうした管理職の陰の努力が成果を顕すようになれば、きっとみんなが愉しくなる新しい時代の学校作りができるのではないかと思います。
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心に残る金八先生の言葉

「僕は、僕を教えてくれた先生に、裏切られても裏切られても生徒を信じるのが教師だと、そしてその答えは何十年後に必ず出ると教えられました。教師にできることは、子どもを愛してやることなんです。子どもを信じてやること、信じきってやることなんです。僕は確かに未熟な教師です。しかし生徒に対してだけは、このバカ正直さは最後まで貫き通したいと思っております。答えが出るまで時間がかかるかもしれませんが、しかし我々教師が体ごとぶつかっていけば、必ず分かってくれるんです。それがもしできなかったら、教師は教師をやめるべきなんです。」

私が高校時代にこの言葉を聞いて、心に刻みました。

私は教師としては欠点だらけの指導をしてきました。間違いも数え切れないほどしてきました。しかし、ここにあげた「信じて指導したからこそ、何十年後に答えが出る」ということを信念として忘れたことはありませんでした。

今、教えている子どもたちに対しても、思いは変わっていません。

「僕は、僕を教えてくれた先生に、裏切られても裏切られても生徒を信じるのが教師だと、そしてその答えは何十年後に必ず出ると教えられました。教師にできることは、子どもを愛してやることなんです。子どもを信じてやること、信じきってやることなんです。」

20代の若手教師の皆さん、ぜひこの金八先生の言葉を咀嚼してみてください。

あなたの受け持っている子どもたちに、裏切られても裏切られても、必ず成長してくれるんだと信じきって指導をお願いします。そういう姿勢で指導をしていると、心の余裕が生まれるはずです。
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ダジャレ教育の効果はあるようだ!

前任校の置土産に「ダジャレキャラバン」を行い、300個のダジャレを集めて校舎の片隅に掲示してきた私です。

「たかがダジャレ、されどダジャレ」で、この取り組みをすることによって、子どもたちの言語感覚が養われそうだというところまでは体感しました。言葉に敏感になる子に育てられそうな感じがするんですよね。

現任校の副校長に昇任して4ヶ月が過ぎました。今日はある事情で、前任校の事務主事さんからお呼ばれしまして、勤務時間が終わったとたんに亀戸へ。前任校の職員室では5名の教員と顔合わせ。短い時間ではありましたが、近況を語り合いました。その中で出てきた話です。

「うちのクラスのRくんが、とってもよい“ダジャレ”を考えたので、井上先生とお会いする機会があったら伝えるからね、と言ってあったんですよ。」

すると一緒にいた特別支援学級の先生からも、「うちの子たちも考えていますよ!」と声がかかる。

私が去った後も、こんなふうに言葉にこだわって考えてくれる子がいたなんて感激でした。

そのダジャレをふたつ紹介します。

「タラコを食べて 働こう」(タラコをたべて はタラコう)

「おにぎりは 鬼がつくのに こわくない」


良いダジャレではないですか。100点をあげましょう!
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助産師ママさんが「いのちと心の授業」についてブログ記事に書いてくれたので紹介します

私が新米副校長として赴任して5日目に出会った「助産師ママさん」が、我が学校の「いのちと心の授業」について書いてくれたましたので、副校長としてはリンクしないわけにはいきません。

「いのちと心の授業☆感想文が届きました!」

このブログ内では何度も書いていることなのですが、「心ある方とのつながり」を切りたくない副校長・井上です。ある意味“追っかけ”なのかもしれませんが、そんな管理職がいてもいいではないですか。私は世の中の一般的な教育管理職になるつもりは毛頭ありません。どちらかというと、「名物管理職」になろうと思っています。そのためにも、教育界以外の方々とのコラボレーションを大切にしていきたいという「心のフック」があります。

助産師ママさんとは、これからも一緒にたくさんの仕事をしていきたいと思っています。

読んでいただきありがとうございます。
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このドリルで指導することができるようになると、子どもたちが作文を書くのが楽になります。
また、マインドマップのかき方については、学校や団体として私を講師に呼んで下されば、2時間ほどでお伝えさせていただきます。
マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館
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副校長…第五歩…教育目標の徹底方法

今日もまた、赴任校の教育方法の素晴らしさに驚かされました。それは月曜日の全校朝会の取り組み方についてです。

看護当番の教員が全体整列をさせ、全校朝会が始まるところまでは普通の学校とまったく同じです。この次が私にとっては衝撃的でした。朝会がただの朝会なのではなく、立派な「儀式的行事」になっているのです。子どもたち全員が整列した目の前、校舎の最も目立つところに飾られている学校の歴史を刻んできた「鐘」があります。代表の6年生4名が前に出てきて、この鐘をリーンと(凛と)鳴らしながら、学校教育目標を暗誦します。それに従って、全校児童が声をそろえて教育目標を暗誦するのです。

この学校にずっといる方には当たり前なのでしょうが、私自身の教育課題にしてきた「学校教育目標の徹底」が自然になされていることに非常に感動しました。

担任時代に「どうしたら教育目標を学校の全員に意識させることができるのか」ということ悩み、教育目標を考えさせる授業をしたり、さらにはもっと覚えやすい目標にするべきであると提案を続けてきたりしました。しかし自分の学級や学年に徹底することはできても、どうしても全校に広げることができませんでした。

今日の子どもたちの、静かに声をそろえて暗誦する「教育目標」を聞きながら、(ああ、こうやって伝統が作られていくのだなぁ、さすが日本でも最も古い部類の伝統を誇る学校だけあるなぁ)とつぶやいていました。


実はこれだけでは終わりませんでした。次に全員で校歌を歌いながら「校旗掲揚」を行うのです。これもまた6年生が中心になって下級生をリードしていきます。6年生の姿を見て、低学年の子どもたちはお手本にするのです。


「目標意識」があるかどうかで人間が発揮する力も大きく変わってきます。良き伝統をさらに良い次元に高められるように、自分に何ができるのか?それを常に考えながら、進んでいこうと思います。

日々、新しい勉強ができている副校長の出発になりました。


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責任は教師がとり、手がらは子どもに渡せ!

給食指導の例をあげます。

先週の学校公開で他校の先生が参観に来ていました。私に相談もあるとのこと。聞いてみますと、
「○年生のある学級がうまくいっていない。何か良い考えはないか。」
ということでした。

井上「そのクラスでは何が起きているんですか?」

先生「担任との関係が崩れているんです。専科の授業は問題なく受けているのに、学級に戻ってくると乱れるという状況です。」

井上「その先生の給食指導はどうですか? くどいんじゃないですか?」

先生「ああ、確かにそうです。細かすぎるんですよね。子どもたちからうざいと言われてしまっています。」

井上「細かく言うわりに、自分では何もしていないんじゃないですか?」

先生「ええ、指示だけしていますね。子どもたちにやらせないと自主性が育たないと言っていますね。」

井上「じつはそこに落とし穴があります。給食指導にしろ、何の指導にしろ、何かを達成させるのは子どもの責任ではなく、担任の責任でやるものです。担任がいっしょに給食準備をして、どこの学級よりも早くいただきますをしていれば子どもたちの自信になりますが、担任が何もせ
ずに『早く準備をしなさい、ああしなさい、こうしなさい。』と言っているだけなら、当然子どもたちは『あいつ、ウぜーな』と感じるはずです。」

先生「なるほど、そうですね。」

井上「たとえば私なら、『12時20分までにいただきますをするよ!』と目標設定して、子どもが動かなかったら全部自分で準備してしまうくらいのことをします。その勢いで担任が動くと、自然に子どもも動くものです。そして本当に12時20分にいただきますができたら、子どもたちの手がらにしてあげればいいのです。『やったね!みんなすごいね!給食準備日本一は絶対にうちの組だね!』と言ってあげればいいのです。こういうことの繰り返しで、子どもたちは自信を深めるし、『もっと頑張ろう』という本当の意味の自主性が育つんです。」

先生「はい、井上先生が言っていることは、私が感じていたことと同じで、自信になりました。」

井上「指導は短く強く言う。くどくどと言わない。不必要に長い指導は効果ないどころかマイナスですからね。注意するくらいなら一緒にやってあげればいいんですよね。」

その先生は笑顔で帰って行きました。



山本五十六の有名な言葉に、「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」とあるように、まずは教師がやってみせる。その姿に子どもたちが納得したら、こんどはどうしたら良いのかを言って聞かせる。その上で、子どもたちにやらせてみて、“適切に”褒めると自主性のある子どもになります。


そうそう、褒めることもその先生と話しましたっけ。
井上「褒め方も下手な褒め方だと、子どもたちは敏感に感じますよね。褒められたのにバカにされているなんて感じることもあります。」

先生「はい、高学年の子に、低学年を褒めるような褒め方をしたら、当然なめられますね。」

井上「相手が褒められて感激する。頑張って良かったな、認めてもらえたんだなと感じることができる。また頼むね!なんて担任に言われて、よし!また頑張ろう!と思える。それが上手な褒め方ですよね。」

先生「いや~、短い時間に貴重な意見をたくさん聞けて良かったです。やはり来てよかったです。」



子どもの自主性というのはどのように育つのか。それは担任が認めてくれている、一緒に進んでくれているという安心感の中で、担任と一緒になって目標に進むから自ら動くようになるのです。これは大人の世界でも同じです。人間には「承認欲求」というものがあります。その欲求が満たされる仕事場は活気にあふれていろんなアイデアが生まれますが、「管理」ばかりに目が行く仕事場には新しいものは生まれてきません。


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このドリルで指導することができるようになると、子どもたちが作文を書くことが楽になります。マインドマップのかき方については、学校として私を講師に呼んで下さればお伝えさせていただきます。
マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
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体育館革命

私、先週から、体育館の環境を整えることに力を注いでいます。

壁面掲示を工夫したいと思い立ち、それも他校にはないものをできないかといろいろ考えてみました。でも、あんまりアイデアが浮かびません。壁面掲示を見ただけで、こどもたちが思わず運動をしてしまうようなしくみを知っている方、ぜひともご教示願います。


やってみたことは、ラインテープで「ラダー」を作ったこと、世界記録を実感できるように走り幅跳びと走り高跳びの目印を貼ってみたこと、飛びつき用の手のひら(写真参照)を用意したこと。


スポーツ選手の名言集コーナー(写真参照)を作ったことです。


さっそく5、6年生は興味をもってくれたようで、名言をじ~っと読んでいる姿に、効果あり!とほくそ笑んだ私です。


今後はもっと子どもたちが運動したくなるようなしくみを体育館内に仕かけて、基礎体力向上の一助としていこうと思っています。

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映画『うまれる』・・・・・未来人育成プロジェクト

私の力の一つが情報発信能力だと思っていますので、このブログを使ってある画期的なプロジェクトを紹介させていただきます。


映画『うまれる』自主上映会の様子


今日は辰巳ジャンプの練習を早めに終えて、映画『うまれる』を作った監督さん・豪田トモさんとの懇談会に参加しました。
この話題に関しては、これから続々と報告しようと思っていますので、まずはYoutubeに紹介されている動画を紹介します。

私・井上に関わるのある方々、どうぞこの『うまれる』という映画に興味を持っていただきたいと希望します。

教育関係者の皆さん、皆さんが指導している目の前の子どもたちは、この映画で紹介されているような両親の深い深い愛情の中で成長して、あなたの前に存在してくれているのです。

PTA関係者の皆さん、子育てで悩むこともおありでしょう。しかし、お子様がうまれた時に感じた喜びをずっと忘れないで、我が子を見守って下さい。いつか必ず、皆さんの愛情を深く理解する時が来る。そのことを納得させてくれる映画が「うまれる」です。

この映画を通して、「未来に生きる人たちの心を育てる」というプロジェクトが誕生しています。この映画を鑑賞すると、たとえどんな子どもであっても、可愛くて可愛くてならなくなります。

子どもたちがこの映画を観たら、きっとご両親への感謝の気持ちを深めることでしょう。


今、命の誕生を通して自分の人生を考えていく取り組みが、全国の学校で静かに起こっています。


映画「うまれる」予告編


映画「うまれる」NHK特報首都圏 part1/3


映画『うまれる』監督&プロデューサーの子の誕生


【うまれる】ボク、パパとママを選んで生まれてきたよ


【うまれる】妊婦さん、撮影はいかがでしたか?


【うまれる】旦那さん、撮影はいかがでしたか?


天使になった赤ちゃんからのメッセージ


トマトがすっぱい赤ちゃん


2010年4月25日【男のお産塾】開催!!


【映画『うまれる』】男性の感想「早く帰って妻にキスしたいです!」


【映画『うまれる』 家族の感想】「うまれてきてくれてありがとう」



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マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
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