今回のE-Windのテーマ指定は「温もり」・・・。前回の「失恋」からの続きですが、普通は失恋するとなかなか温もらんもんですが。
で、そのままストレートに表現せず、前回に引き続き少しひねってコミックの「トーマの心臓」をモティーフにしてみました。
組曲「トーマの心臓」より「ぼくの翼をあげる」
再掲になりますが「トーマの心臓」について少し。
漫画家「萩尾望都さん」の初期代表作で、雑誌『少女コミック』に1974年に連載された、と言いますからもう30年以上も前の作品です。
あらすじですが、以前に途中までこの場で書かせていただきましたので、よろしければまず以下をご一読ください。
「失恋」?!思い出したくもない!
ということで続きです。
学校の図書館で偶然見つけたトーマの詩を読んだエーリクは、トーマの死が事故では無く自殺であったこと。そしてそれはすべての愛から背を向け孤独に生きようとするユーリへの、トーマの純粋な愛であったことを察する。
ユーリに気持をつのらせるエーリクは、なおも頑なに愛を拒むユーリの心を少しづつ開かせていく。
そしてユーリがかつて悪魔的な儀式に参加し、自分の意思に反して神を冒涜するような行為をしてしまったことから、最早自分は神から愛されていないこと。そして人を愛する資格が無いと思い込んでしまっていることがわかる。
そんなユーリにエーリクは語りかける。
「君に天使の翼が無いことが問題なら、ぼくの翼をあげる」
・・・続く・・・
タイトルはこのエーリクの、精一杯の愛を込めたセリフから取りました。
編成は前回の「これがぼくの愛」とほぼ同じ
・弦楽隊(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)
・木管(フルート1、オーボエ1、クラリネット1、ファゴット1)
です。
今回も宗教観のようなものを表現したいと考えていますが、より根源的と言いますか、本来の音楽の発祥が「祈り」の言葉に抑揚が付いていった。と仮定して古い「旋法」を使って構築しました。
単に最近よくグレツキの交響曲3番を聴いているからだけだったりして・・・。
キーはイ長調ですが、ほぼ全編がイ音で始まるイオニア旋法を使っています。
ぱっと聴くとグレゴリオ聖歌のように聴こえていただけると狙いどおりかな。と思いますが、その分、盛り上がりが少なく弦と管の絡みでメリハリを付けることに腐心しました。
冒頭は部分的に嬰ヘ音で始まるエオリア旋法で旋律線を構築していますが、これが4声のカノンで始まります。
最初の1:30がカノンですが、その後は旋律線が複雑な声部を構成するコラールになります。メインの旋律は相変わらずイオニア旋法で創られていますが、絡む声部はそれだけではさすがに難しく、ところどころでイ音で始まるリディア旋法が混じるのは和声と、アイディアの限界の関係です(笑。
コラールから一転。木管が休止し弦だけによるカノンが2:45から始まり、それが木管にも受け継がれてカデンツに向けてかなり大掛かりな多声音楽が続きます。
ほぼ単一の旋法を使用することで、心の平穏とか魂の救済とかそういった「温もり」的なものを表現したかったわけですが、音楽的にはやはり非常に平坦になることと、終止感が出し切れませんでした。
家内からは「いつ終わったかわからない」と評価されました・・・。確かに知らないうちに終わってますよね?
だから終止感出すの大変なの!
今回は3部作とのことですので、最終作も「トーマの心臓」からテーマを選んで創作したいと思います。よろしければ次回もお聴きくださるとうれしいです。
で、そのままストレートに表現せず、前回に引き続き少しひねってコミックの「トーマの心臓」をモティーフにしてみました。
組曲「トーマの心臓」より「ぼくの翼をあげる」
再掲になりますが「トーマの心臓」について少し。
漫画家「萩尾望都さん」の初期代表作で、雑誌『少女コミック』に1974年に連載された、と言いますからもう30年以上も前の作品です。
あらすじですが、以前に途中までこの場で書かせていただきましたので、よろしければまず以下をご一読ください。
「失恋」?!思い出したくもない!
ということで続きです。
学校の図書館で偶然見つけたトーマの詩を読んだエーリクは、トーマの死が事故では無く自殺であったこと。そしてそれはすべての愛から背を向け孤独に生きようとするユーリへの、トーマの純粋な愛であったことを察する。
ユーリに気持をつのらせるエーリクは、なおも頑なに愛を拒むユーリの心を少しづつ開かせていく。
そしてユーリがかつて悪魔的な儀式に参加し、自分の意思に反して神を冒涜するような行為をしてしまったことから、最早自分は神から愛されていないこと。そして人を愛する資格が無いと思い込んでしまっていることがわかる。
そんなユーリにエーリクは語りかける。
「君に天使の翼が無いことが問題なら、ぼくの翼をあげる」
・・・続く・・・
タイトルはこのエーリクの、精一杯の愛を込めたセリフから取りました。
編成は前回の「これがぼくの愛」とほぼ同じ
・弦楽隊(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)
・木管(フルート1、オーボエ1、クラリネット1、ファゴット1)
です。
今回も宗教観のようなものを表現したいと考えていますが、より根源的と言いますか、本来の音楽の発祥が「祈り」の言葉に抑揚が付いていった。と仮定して古い「旋法」を使って構築しました。
単に最近よくグレツキの交響曲3番を聴いているからだけだったりして・・・。
キーはイ長調ですが、ほぼ全編がイ音で始まるイオニア旋法を使っています。
ぱっと聴くとグレゴリオ聖歌のように聴こえていただけると狙いどおりかな。と思いますが、その分、盛り上がりが少なく弦と管の絡みでメリハリを付けることに腐心しました。
冒頭は部分的に嬰ヘ音で始まるエオリア旋法で旋律線を構築していますが、これが4声のカノンで始まります。
最初の1:30がカノンですが、その後は旋律線が複雑な声部を構成するコラールになります。メインの旋律は相変わらずイオニア旋法で創られていますが、絡む声部はそれだけではさすがに難しく、ところどころでイ音で始まるリディア旋法が混じるのは和声と、アイディアの限界の関係です(笑。
コラールから一転。木管が休止し弦だけによるカノンが2:45から始まり、それが木管にも受け継がれてカデンツに向けてかなり大掛かりな多声音楽が続きます。
ほぼ単一の旋法を使用することで、心の平穏とか魂の救済とかそういった「温もり」的なものを表現したかったわけですが、音楽的にはやはり非常に平坦になることと、終止感が出し切れませんでした。
家内からは「いつ終わったかわからない」と評価されました・・・。確かに知らないうちに終わってますよね?
だから終止感出すの大変なの!
今回は3部作とのことですので、最終作も「トーマの心臓」からテーマを選んで創作したいと思います。よろしければ次回もお聴きくださるとうれしいです。
こちらを読ませて頂いてからE-Windのコメントを書けばよかった・・・--;。
書かせていただいた時間がズレズレじゃないですか・・・Orz。
分かってないことがバレバレですね・・・(汗汗。失礼しましたm(_ _)m。
>分かってないことがバレバレ
いえいえ、全然そんなこと感じませんでした。
技術的なこととかは解説を読んでいただいたほうがわかりやすいと思いますが、曲を聴いて直接的に感じることは、ありのままに意見していただけたほうがうれしいです。
そういう点でいつもいただけるご感想はありがたい限りです。
またご意見お待ちしております。
ありがとうございました。