BSE&食と感染症 つぶやきブログ

食品安全委員会などの傍聴&企業・学者・メディア他、の観察と危機管理を考えるブログ by Mariko

BSEとvCJD(変異型ヤコブ病)問題の行方

2005年02月10日 22時41分49秒 | BSE・vCJD 総合
更新が滞ってますが、ただいま、理系白書という毎日新聞科学部の記者さんブログ、

・2月8日「リスク比較の試み」(2つめの記事)

の【コメント欄】に出張中です。BSE,vCJD問題について、もう30通を超える意見の応酬となってしまいました。vCJDの新たなる感染源としての「院内感染問題」にも触れておりますので、お手すきな方はご覧になってください。

来週、上記でUPした問題点について、たくさん更新予定です。鳥インフルエンザについてもUPする予定。

16 コメント

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Unknown (通りすがり)
2005-02-15 13:17:49
理系白書という出張先?も読ませていただきました。

まず、この記者さんは、リスクとハザードの違いがわかってませんね。毎日新聞はけっこうまともな記者の方がいらっしゃったので期待したのですが、かなりがっかりでした。



さて、食品安全委員会の傍聴、ご苦労様です。しかし、なんですね。老名誉教授ががんばって全頭推進はいいのですが、それで何人の方が救えるのでしょうね。

もし、2次感染を考慮されてるなら、それは食品安全ではありませんね。それに、海外渡航者の問題(問題のお肉が日本に入ってくるか、日本人が日本の外に食いにいくかの違いであって本質的には変わらない)を横っちょに置いておくことも、不自然です。



また、どんな検査にも限界がある。そして狂牛病に関してはその定義すら世界に一つではない。これらを無視して、「もっとすごい感度の検査を!」というのは、理系的な好奇心以外にあまり論理的必要を感じません。仮にそんな検査があったとして、どうやって、あなたは確定診断を下せるのですか?



老教授は、科学の議論を楽しんでいらっしゃるのはよく分かる。だけど、委員会は学会ではないんです。一般社会で実行しなければいけない政策を、政治、科学、経済の面から妥当なリスク対策となるか評価する所です。

だから、反証があることが科学である以上、科学者の立場を前面にだしたらまとまることも、まとまらない。

それが、分からないんですかね、「生活者」としてのこの老人には。

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Unknown (Mariko)
2005-02-15 16:09:48


>もし、2次感染を考慮されてるなら、それは食品安全ではありませんね。それに、海外渡航者の問題(問題のお肉が日本に入ってくるか、日本人が日本の外に食いにいくかの違いであって本質的には変わらない)を横っちょに置いておくことも、不自然です



んーと、全部読んでいただいた上に笹山掲示板

http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi

をご覧いただき、過去のBSEに関する情報を丹念に拾っていただければおわかりいただけると思いますが、BSE防疫はグローバルレベルで行わなければ話にならないんですね。日本は米国から血液製剤を輸入しているし、人や物の動きはグローバルです。だからこそ日本は米国でもどこでもそうですけれど、各国にBSE対策の提言をしていかなければならないと考えています。



>一般社会で実行しなければいけない政策を、政治、科学、経済の面から妥当なリスク対策となるか評価する所です。



全頭検査に関していえば、近年中に精度の高いテストができるでしょう。それまでにまた検査をする、しないで食の流通を混乱させて3年前と同じ現象を起こすのは一般社会の”社会的合理性”からいってどうかとも思います。それと、土壌汚染の観点などから考えても、またいつ弱齢感染牛が出てくるかはわかりませんし。



>老教授は、科学の議論を楽しんでいらっしゃるのはよく分かる。



ずいぶん誤解なさっていますね。米国牛輸入再開とリンクさせられ、政治問題化してしまった国内対策改定問題において、一番生活者の視点で、食の安全を考えられているのは先生だと思いますよ。



エセ科学を振り回している学者にごまかされませんように。
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Unknown (Mariko)
2005-02-15 16:15:53
>また、どんな検査にも限界がある。そして狂牛病に関してはその定義すら世界に一つではない。これらを無視して、「もっとすごい感度の検査を!」というのは、理系的な好奇心以外にあまり論理的必要を感じません。



検査に限界があるのは当然の話ですね。献血のHIV検査にウインドウピリオドがあるのは当然のことです。「もっとすごい感度の検査を!」というのは、理系的好奇心というより、感染牛を食べたくないという一般的な感覚だと思いますが。しかも、その検査精度が上がり、キット価格が安価になるのであればなおさら。unknownさんは、ずさんさが告発されている精肉加工企業で処理した感染牛と判明した牛を一族郎党で召し上がることできます?

普通の感覚ならNo Thank youというところではないでしょうか。
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Unknown (Mariko)
2005-02-15 16:17:28
>もし、2次感染を考慮されてるなら、それは食品安全ではありませんね



「医食同源」ってタイトルだったかは忘れましたが、ワイル博士の本、面白かったですよ。
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ついでに言うならば (Mariko)
2005-02-15 16:30:12
>もし、2次感染を考慮されてるなら、それは食品安全ではありませんね



上記のご発言は本来のBSE防疫という観点からはかけ離れていますね。お役所の方ですか?(笑)新興感染症に限らず、感染症の防疫はトータルで考えなければなりませんよ。ノロウイルスやSARSなどの感染症について、よくお考えいただければと存じます。





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Unknown (通りすがり、戻る。)
2005-02-16 01:26:31
これは沢山アドバイスを頂戴しまして。まだまだ勉強不足ですから。



が、「本来の防疫」でいえば、全頭検査導入の理由は、当時の国民感情をなだめるため ということは明記されて、まだ、厚生労働省のサイトにしっかりでていますよ。

感情をなだめることは、防疫じゃないでしょ?

それは、販売促進策というのです。



販売促進策といえば、20ヶ月以下の検査に3年は補助金を出すというのも、販売促進策です。

お役所さんには、そういう概念がまだ導入されてないので、周囲は好きなように解釈してますね。

とくにマスメディアの方々は「2重基準だ」なんて、ますます分からない講釈をたれますね。

そんなの一般の生活者が理解できるわけない。

「安全基準はひとつだけですよ。20ヶ月以下の検査は、安全を高めないけど、感情をなだめてくれる販売促進策なんですよ。」と説明したら、みんながハッピーだし、それが本当の姿でしょ。



で、その3年補助金こそ、政治家のごり押しで通ったものでしょ?ある程度の若い牛を検査しなくとも、牛肉を食する際の感染リスクは変わらないのというのは、委員会で一致した意見でしょ?それを無視して政治家が補助金を出すと決定したわけです。

怒る矛先は、その政治家に対してであって、20ヶ月という定量化を試みた方に対してではないはずですよ。

実現しなければいけない対策と、販売促進策を混同してるから、ややこしいんですよ。実体経済を経験したことのない科学者が、販売促進という概念を区別して理解できるわけない。そして分からないまま、科学っぽい議論に取り込むもんだから、ますます最終回答がでるわきゃないんです。

でも、そういうことに気が付かずに委員会内で内輪もめを続けると、どんなことが起きるか分かりますか?

結局、食品安全委員会もしは科学者は、話ばっかりしてて役に立たん、信用もできん、って評判になるんですよ。



そんなことが、生活者が科学者に望むことですか?



グローバルに取り組むったって、検査方法やBSEの定義までばらばらなのに、なにをするんですか?

それにお膝元の屠場では、ピッシングをいつまでたっても禁止できなかったじゃないですか?アメリカの批判や、グローバルな見地を掲げるまえに、国内をしっかりやりなさいってね。



理系的好奇心の追求と書きましたね。ますますそうだなぁと思いを深めています。BSE末期になれば抹消神経でもプリオンの蓄積が観測可能なくらいになるということが、どんな役にたつことなのか分かりません。でも、プリオンを体内に吸収する仕組みの発見とか、体内を回る仕組みの確認とか、そっちの方がよっぽど役に立ちそうじゃないですかね。ご高尚は賜りますが、後輩に道をゆずらければいけないことも、大先輩の試練の一つなんですよ。

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Unknown (Mariko)
2005-02-16 07:29:11
通りすがりリターンズさん、おはようございます。

厚生労働省のHPにそう書かれているのかも知れませんが実際は違うんですよ。あの当時からBSEを追っていた私は知ってますが、背割対策が始まったりなど、危険部位除去がまともにされるようになってきたのは、全頭検査が始まって以降です。それからね、当時、正確な牛の月齢なんて、わからなかったんですよ。それで、ある”一定の月齢以上の検査”なんて、できるはずがあろうか、ですよ。



http://web.kamogawa.ne.jp/~nm-tpc/new_041206-01.htm

http://www.nissyoku.co.jp/bse/report.htm

↑(無料登録必要)



上記お読みくださいね。

あのね、時折は厚生労働省などの記載を鵜呑みにされないようにしたほうがいいですよ。薬害HIVなどを考えればわかりますが、本当の情報は自分で入手しなければならないときもあります。過去にはBSEも人には感染しない、と、きっと書かれていたのではないでしょうか。



ところで、2重基準なるものを推し進めたのは、食品安全委員会本会議と、リスク管理部門でしょう。一人歩きした20ヵ月云々の文面が入ってしまったのも事務局やら何やらの圧力に吉川座長が負けたんだか知りませんが、そもそもの「科学」は、「月齢で区切ることは科学ではない」です。感染症というのは病原体の入る量や感染時期がかかわってくるんですから。これがこのまま米国牛に適用されたら、20ヵ月以下でも現在の検査にひっかかる牛が少なからず出てくるかも知れませんよ。日本と米国では飼料管理、危険部位除去、検査方法、全部違うんですから。



それとね、食安委が揉めてるのは、食安委の中に「政治的圧力」が入ってきてしまったからですよ。私は大多数の委員の意を受けない座長は退任すべきだと思うし、事務局の中にもどうも胡散臭い動きがあるみたいだし、本会議なんか不勉強で話にならない発言をする委員もいて、そういう人たちが科学を捻じ曲げようとしてるわけなんだから、私はそれこそ彼らが退任すべきだと思ってますよ。信頼できないのは当然ですよ。あなたは、非難する人間違えてると思います。



生活者は、科学以前の問題として、「信頼できるかできないか」を見るんじゃないんですかね。

食の安全で考えりゃわかりやすいけど、科学的に安全でも偽装されりゃ終わりですよ。でしょ。食の安全を本当に守る気なら、そこの対策まで考慮しなけりゃいけない。



通りすがりさま曰く

>>アメリカの批判や、グローバルな見地を掲げるまえに、国内をしっかりやりなさいってね。



今、そうしようと、オールラウンドにプリオン専門調査会で討議されているのをご存じですか?



BSEについて語られたいのであれば、一度この議事録すべてに目を通されるとよいかと思います。

http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/index.html



まぁ、小澤義博氏も言われてましたが日本のと畜場にはなかなか人が立ちいれないんだとか。危険部位除去やレンダリングの状況を殆どの人が知らない、見ることができないのですから、より多くの安全策としての全頭検査を求めるのは自然の発露だと思いますがね。



私はこの問題は理系的好奇心なんていうのではなく、社会的側面での問題が大きいと思いますよ。例えば、危険部位除去の統一した教育マニュアルもないし、除去してくださる方々の経験なども厚生労働省は把握していないわけです。



通りすがりさま曰く

>>BSE末期になれば抹消神経でもプリオンの蓄積が観測可能なくらいになるということが、どんな役にたつことなのか分かりません。でも、プリオンを体内に吸収する仕組みの発見とか、体内を回る仕組みの確認とか、そっちの方がよっぽど役に立ちそうじゃないですかね



プリオンを体内に吸収する仕組みの発見や体内を回る仕組みの確認の一環として、末梢神経プリオン蓄積の発見や研究もあるわけですよ。よくお考えくださいまし。それこそ、議事録になって答えが入っているのですから、「語られる」のであれば目をお通しください。答えが沢山入っています。



ちなみに、今のSRM指定部位についてはそれぞれ3頭とか、1頭とか、数頭を開いた結果であり、検査していない部位も沢山あるわけです。回腸遠位部は検査したが近位部は検査してないとかね。それもあってEUとかは、全腸廃棄せよ、としてるわけで。理系的好奇心、どころか、頼りない「科学」なんですよ。



末梢神経に異常プリオン蛋白の話も、それが上向性(体内を回ってから脳脊髄に行く)なのか、下向性(先に脳脊髄に集まってから全身に回る)なのか、まだわかっとらんそうですよ。感染のメカニズムが判明するのはこれからです。



BSE対策の基本はWHOのいうように、「感染牛のいかなる組織も食物連鎖に入れるべからず」ですよ。「SRMを除去した感染牛の他の組織を俺は食えるし家族にも食わす」なんていっている、「まともなプリオン専門家」は一人もいませんよ。



まぁ、リンク先、どうぞお読みくださいまし。

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Unknown (Mariko)
2005-02-16 07:40:27
>>ある程度の若い牛を検査しなくとも、牛肉を食する際の感染リスクは変わらないのというのは、委員会で一致した意見でしょ?



巷の多くのいい加減な報道を見る限り、そう報道されているようですがね、実際は違うんですよ。20ヵ月以下の牛を未検査で食べても「安全」だ、なんて報道しているインチキ全国紙までありますが、そんなことプリオン専門調査会は言ってませんよ。



それこそ、私というフィルターを通して知るのではなく、「情報の原点」の「議事録」に当たってください。今、その感染リスクについてプリオン専門調査会が討議しているのですから。最近のから9月くらいまでに遡っていくとわかりやすいかも知れません。





http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/index.html
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Unknown (Mariko)
2005-02-16 08:22:36
2001年10月8日の北海道新聞の記事より。



「品川教授は、病原体の異常プリオンの検出限界値以下で脳やせき髄が汚染している可能性を指摘、「食肉用の牛の解体法の見直しを」と求めた。」

http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/cow/tsuiseki/2/50.html



背割りなどによる危険部位の食肉への付着問題の改善は、検査が始まった後で、2001年内も終わらなかったと記憶していますし、最近も背根神経節を「流通に」取り除かせているとか、そんな問題が報道されてます。



今のプリオン専門調査会のメンバーの中には過去から検査限界をきちんと述べている人もいました。いい加減な行動や報道をしてきたのは、報道や政府ですよね。



検査も万能ではないのはもちろん、危険部位除去も蛋白の性質から考えて「完全に」できるわけがないのです。ミスも偽装もインチキもありますしね。山内先生が言われるように、食の安全を確保するのに相補っているのが、今のシステムなんだと思いますよ。



タバコやらとリスクの大きさを比較したいのであればね、あのとき、このシステムを稼動させなければ、小売店など関連産業で、日本の主要な死亡原因の一つでもある自殺が増えてBSEの社会的リスクもさらに大きくなっていたということも考慮しなければいけないでしょう。



今と、あの時の状況が異なるのは、日本のBSE騒ぎの轍を踏んで、関係者は、顧客に提供する「食」の安全、扱う商品の危機管理、リスク分散を勉強する時間があったということです。イオンはタスマニアビーフを定着させたし、オーストラリアやニュージーランドにシフトしてダメージが少ない流通や外食産業ももちろんあるわけです。



最後になりますが、忘れちゃならないのは「飼料管理」これですよね。米国はさっさと改善すべき。私はこれを一番主張したい。



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Unknown (Mariko)
2005-02-16 08:44:59
日本の全頭検査開始の経緯はこれも参考になるかも。↓

http://www.videonews.com/

小野寺教授のインタビューがあります。当時、月齢を区切っても費用がかわらないのと区切ることによる社会的混乱と手間と費用が云々、ともあったと思います。



結果的には、21ヶ月と23ヶ月の感染牛が避けられてよかったと思いますよ。1頭の牛は何千人だか、牛エキスも考えたら何万人の口に入るでしょうし、背根神経節除去が開始されたのは昨年4月頃からですし。(取る手間が大変だそうで、と畜場ではなく食肉加工、流通の場で除去するそうで誰がどこまで実行し監督しているかは私はまだ調べてませんが)



話は戻るとBSE防疫は月齢云々ではなく感染牛を生まないことなのですから、日本の報道も、その視点、EUのリスク評価などをしっかり報道してもらいたいものです。だから通りすがりさんの誤解が生まれるわけですから。



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