耳を洗う

世俗の汚れたことを聞いた耳を洗い清める。~『史記索隠』

怖い人…

2007-01-18 20:37:56 | Weblog
その名は「奥谷禮子」。その言行録の一部から。

 「奥谷禮子」:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%A5%E8%B0%B7%E7%A6%AE%E5%AD%90

“格差論は甘えです”
“過労死は自己管理の問題、他人の責任にするのは問題”
“労働組合が労働者を甘やかしている”
“労働基準監督署も不要です”
“祝日もいっさいなくすべきです”

フリー百科事典『ウィキペディア』でみると、人材派遣会社ザ・アール社長が本職で日本郵政株式会社社外取締役をはじめ多数の会社役員といくつもの政府審議会委員の肩書きがある。わが国の政治・経済界では影響力のある人と見てよかろう。

時代は違うが、経済白書が「もはや戦後ではない」と宣言した半世紀前、私は「日雇工」で造船所に就職した。二ヵ月後、雇用契約三ヶ月更新の「臨時工」となり、四年半後やっと「本工」(正社員をこう呼んだ)に<登傭>された。もちろん、全国でも数少ない≪臨時工労働組合≫をつくって「臨時工撤廃」を訴え、組合結成から四年目に「臨時工制度」は廃止され「試用工制度」に移行、試用期間一年にして全員が本採用となることになった。

現在の「派遣労働者」は、実体は「臨時工」より<身分>的に不安定のように見える。それは、いわゆる「搾取」が直接か間接かの違いから生じるのだろう。つまり、派遣会社は「間接ピンハネ」企業だから、本質的に労働者を「屁」とも思っていないのだ。また、「屁」とも思わない経営者の存在を許している労働者・労働組合も情けない。

私はかつて、「労働とは何か」を問い続けた。<労働の解放>(もしくは<労働からの解放>)は、労働者の基本テーマであり続けた。近年、法政大学大原社会問題研究所などが≪非人間的労働からの脱却≫をテーマに労働問題と真摯に取り組んできたこともその流れに沿うものだろう。

奥谷禮子は村上ファンドの株を所有していたが、村上逮捕の直前に手放したという。この一事でたいてい<人格>は知れる。しかし、こういう人物が「教育」とか「労働」とか「行政」とかに深くかかわっていることを思うと、全く憂鬱になり、身震いしそうになる。

  本職にする内職は可哀そう  ~川上三太郎