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田中宏暁教授、スロージョギングの極意を語る

2014年06月27日 07時10分04秒 | ランニング

尊敬する田中宏暁教授のスロージョギング講義を見つけました。記録しておきましょう。

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福岡大学教授・田中宏暁さん
(1)遅いのに速くなる?…スロージョギング

読売新聞 2014年06月25日 08時30分

 フルマラソン完走には、ハードな練習が必要というのが一般的な印象です。しかし、「楽しく走りながらフルマラソンを完走できるようになる」というスロージョギングを提唱しているのが、福岡大学の田中宏暁教授(66)です。不思議なスロージョギングとはいったいどんなものなのか、ご本人に理論を語ってもらうとともに、先生のランナーとしての顔に迫りました。

「頑張って」走ってはいけない

 ――先生の提唱する「スロージョギング」について教えてください。

 「スロージョギングというのは、笑顔を保てる『ニコニコペース』でゆっくりと走ることです。楽しく走りながら、いつの間にかフルマラソンが走れるくらいの体力が付くのです」

 ――フルマラソンに向けた練習というと、一生懸命に走りこむような印象があって、ハードルの高さを感じます。

 「ランニング初心者が、一番陥りやすいことって何だかわかりますか? それは、いきなり一生懸命にやりすぎて、ひざを痛めたり、つらくなったりして、ランニングをやめてしまうことです。『走ってください』と言われると、『頑張って』走ってしまうものなんです。だから、『こんなに楽でいいの?』というくらいから始めることが重要です」

 ――確かに、私も三日坊主で終わった経験があります。頑張らないことが重要なのですね。ちなみに、ニコニコペースというのは、どれくらいの速さなのでしょうか?

 「ニコニコペースは人によって違います。隣の人とおしゃべりをしたり、鼻歌を歌ったりしながら走れるペースと考えていますので、ランニング経験のない人なら時速4~5キロくらいが多いでしょうか。ランニング愛好家の場合、時速10キロがニコニコペース、ということもあるでしょう」

 ――時速4~5キロというと、歩いているのと変わらないですね。私のような初心者でも、無理なくできそうです。

 「そうですね。スロージョギングを始める場合、まず誰かに隣を歩いてもらってください。前を歩いている人を追い抜かないように走ってみるのも手です。

 このペースで走ると、あまりにもゆっくりなことに多くの人が驚くんですよ。このペースだと、汗をだらだらとかくこともないし、息も切れないので、運動不足の人でも10分、20分と走り続けることができるんです」

 ――実際に走ってみたのですが、たしかに楽ですね。でもそれで本当に効果があるのか、ちょっと疑問です。

 「実は、ニコニコペースを保った走りは、疲労物質の乳酸がたまらないぎりぎりのスピードなんですよ。だから、長い時間走り続けることができるので、心肺機能が向上します。また、同じ速度のウォーキングと比べて約2倍のエネルギーを消費するため、減量効果も高くなるのです」

「30キロの壁」は越えられる

 ――私もスロージョギングを続けたら、フルマラソンが走れるようになるのでしょうか?

 「フルマラソンには、よく『30キロの壁』『35キロの壁』という言葉が出てきます。それまで快調に走っていたのに、急にペースが落ちたり、足が出なくなったりします。その原因は、いわゆる『ガス欠』。レース前半に飛ばしすぎ、エネルギーとなる糖質が不足してしまうんですね。

 ではどうするか。糖質を最後まで温存できればいいわけです。そこで使用するもう一つのエネルギーが脂肪です。その脂肪をエネルギー源として使う理想的な運動レベルが、乳酸をためないで走れる、まさにニコニコペースです。スロージョギングは、フルマラソンに非常に適した走り方なんです」

 ――でも、時速4~5キロでは、完走までに大分かかりますね。

 「時速4~5キロというのは、あくまで最初の話です。ニコニコペースは次第に上がっていきます。ある人は、半年ほどで時速9キロがニコニコペースになりました。理論上は5時間を切るタイムでフルマラソンを完走できるのです」

 ――スロージョギングには、適した走り方もあるようですね。

 「いわゆる『フォアフット』着地をおすすめしています。よく『つま先で走る』と言いますが、厳密には、足の指の付け根、土踏まずに近いあたりで着地する走法です。わかりやすいのは、ジャンプした時の着地。同じ部分で着地してください」

 ――普通の人は、かかとからの着地ですよね。私が履いているランニングシューズも、かかとにクッションが入っています。

 「市販のランニングシューズは、かかとからの着地を想定して、かかとのクッション性を高めたものが多いですね。しかし、ランニング時にかかる衝撃圧を比べると、かかと着地はフォアフット着地の3倍大きくなることがわかっています。衝撃が少なければ、より長時間走れるのです。ダメージが軽減されるので、ケガをしにくくなるのもメリットですね。この走り方は、かかと着地で走りこんでいる人ほど、最初は難しいでしょう。ストライド(歩幅)が大きいことが原因なので、まずは、歩幅を10センチほどに狭くしてみてください」

 ――腕の振りはどうですか。やはり大きく振ったほうがいいのでしょうか?

 「それは速く走る場合です。スロージョギングは、名前の通り速く走るわけではありませんから、大きく振る必要はありません。ひじを90度に曲げたら、肩の力を抜いて、自然に軽く振ればよいでしょう。走る姿勢は、腰を高く保ち、背筋を伸ばして、あごを上げ、体に1本の柱が通っているイメージで走りましょう。

 呼吸も気にする必要はありません。口を開けて、自然に任せてください。呼吸は心臓とともに、最適に動くようオートコントロールされているのです。ただし、息が上がるようであれば、ニコニコペースを超えてしまっているのでペースを落としてください」

 ――子どもの頃、「あごは引いて走れ」と習った気がしますが。

 「一流ランナーでも、たとえば(400メートルハードル日本記録保持者の)為末大さんなどは、あごを突き出すようにして走っていますね。また、あごを上げると視線が上がるので、周りの景色を楽しみやすくなるのもいいですよね」

 ――どれくらいの頻度で、どれくらい走るのがよいのでしょうか?

 「1日で合計30分から1時間のスロージョギングを目標にしたいですね。時間がなければ、小分けに走っても大丈夫。通勤やランチタイムの往復だけでも、30分くらい走れてしまうものです。ちなみに、私はトイレに行く時でもスロージョギングです。

 とはいえ、最初は10分くらいでかまいません。あるいは、1分走って、その後30秒歩く、というのを繰り返すところから始めてもいいと思います」

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貧乏英語塾長は、田中教授に影響を受けて、日々走っています。もちろん、スロージョギングです。がんばらずに楽しみながら走るのです。そうしてゆっくりと走れば、体調も気分もよくなって、食事も進みます(?!)。

スロージョギング、お試しあれ。


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