2020年東京五輪・パラ五輪を控え、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案が国会に提出され、県内の飲食店でも禁煙化の動きがじわじわと広がっている。盛岡市の歌手村松えり子さん(58)は10日、同市菜園に全面禁煙の飲食店「紅(くれな)い川」を開く。酒を提供する店の禁煙は経営への影響が懸念され、愛煙家らの反発も根強い。同法案でも小規模飲食店は例外となりそうだが、村松さんは自身が乳がんで闘病した経験から、非喫煙者の健康を守るため決断した。

 同店は村松さんが1年3カ月ぶりに経営する新たなスナックで、入り口にNO SMOKING(禁煙)と大きく提示。20席の店内には灰皿を置かず、酒と料理、歌を楽しんでもらう。

 村松さんは同市を拠点に歌手として活躍する一方、1988年からスナックを経営。たばこの煙やにおいは苦手だったが、喫煙は制限してこなかった。

 しかし12年に乳がんを発症。早期発見で大事には至らなかったが、つらい闘病を経て自身や周囲の人の健康を考えるようになり、過熱式たばこを含め、新店舗の全面禁煙に踏み切った。

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村松さんは、88年から2016年まで、30年近くスナック経営を続けられてきたわけです。つまり、村松さんには成功するスナック経営のノウハウをおもちだということです。そんな村松さんのスナックが、「完全禁煙」にしただけで、屋台骨が揺らぐことはないはずです。

むしろ、これまでタバコの煙が苦手で足が遠のいていた人が常連客になってくれるかもしれません。村松さんのスナックは、酒・料理・歌を楽しむ場所で、タバコを吸いたくて入る店ではないことを認識されたら、その3つを楽しみにする客が増える気がするのです。

こういうタバコの煙に煩わせられない酒場が全国的に増え、受動喫煙による健康被害が減ることを強く望みます。