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JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「黄線地帯(イエローライン)」

2009-03-02 | 映画(DVD)
60周年記念
新東宝大全集~60年60日60作品+α~

「黄線地帯(イエローライン)」1960年 新東宝 監督:石井輝男

殺し屋衆木(天知茂)は依頼により神戸税関長を殺した。しかし、その報酬は警察への密告だった。衆木は復讐のため東京駅で強引に拾った踊子ルミ(三原葉子)とアベックを装い、神戸のカスバ街へ乗りこんでいく。ルミと恋仲の新聞記者の真山(吉田輝夫)も行方をくらましたルミの残した手がかりから国際売春組織である黄線地帯と関連があるのを知り、ルミの後を追って神戸へ急行した・・・

これが噂の石井輝男地帯(ライン)シリーズ、初体験です。この作品はシリーズ唯一のカラー作品。
これ、単なるB級無国籍映画では済まされないものがあります。面白い。

まず新東宝セットで作られたカスバの猥雑さバリバリの無国籍な魅力が凄い。
そこに巣食う人々。安旅館のマダム、洋モク売りの婆ぁ、薬の密売。着物姿の黒人売春婦・・・

安旅館の窓から見えるカスバ街の雨。詩を売る男のシーンは特に印象的。

そして安旅館内での天知茂と三原葉子の台詞のやりとりが、もう面白い。
孤児院育ちの辛い生い立ちをポツポツ語るクールな殺し屋衆木と物に動じない明るいルミ。
三原葉子は例によって福よかぶくぶくのおばさん顔。鼻先を指で持ち上げる仕草でキュートさを増すとでも思っているのか仕切りにやってる。しかし、この三原葉子というグラマー女優のお面付きは不思議なものでだんだん可愛らしく見えてくるのですね。
汽車からホームへハイヒールの片足を捨てる。
百円札に託したSOSのメッセージの不思議な行方・・・

恋人の吉田輝男は滑舌は悪いが指パッチンはバッチリ決めて・・・

鼻を突き上げるポーズの効果があったか次第に衆木とルミの関係が良くなっていき・・・復讐相手を突き止めていく衆木。旅館のマダムに黄線地帯に売り飛ばされそうになるルミ。それでもルミは動じず、ヌードダンスの代演までしちゃう。天衣無縫。

表向き善人の憎むべきボス、社会事業家松平とそのNo.2 外人相手の秘密売春組織の阿川(大友純)に銃口を向ける衆木。
「人を犠牲にして甘い汁を吸う間はお前たちだ!」
責任を擦り合い命乞いする悪党どもに怒りの銃弾。
うひょ~!勧善懲悪。
ところがルミからは「嫌いよ、あんたみたいな人殺し大嫌い」と罵られ・・・

警察に包囲されルミを人質に取る。今度は悪党たちとは逆にルミと恋人真山が互いに自らの身を投げ出して相手を守ろうとする。
引金を引けない衆木。
「お前ら、俺とは違う種類の人間だ」・・・悲しいラストへ。

いやぁ、楽しめましたぁ~!!

シネマート六本木

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