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JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ベッドとソファ」

2009-07-29 | 映画(DVD)
「白夜映画祭Ⅲ」恋と革命 コメディ&メロドラマ

「ベッドとソファ」1927年 ロシア 監督:アブラム・ローム

「若い夫婦が暮らすアパートに、夫の戦友がころがりこんできた。住宅難で部屋が見つからない戦友のため、寝場所にソファを提供する夫。ところが、夫が出張に出かけている間に、戦友がベッドの主となり、夫はソファへ……。」

間男は亭主の方が先に惚れ(まくらに川柳いれたくなります
寝取られる亭主(工事現場監督)の能天気な軽さ、間抜けっぷりが哀しく笑える。

間男(印刷工)の方は素直に白状。まったく気づかなかった亭主。
落語「紙入れ」にも匹敵するほどの間男物の傑作ですな。
屈辱に耐えながら一度は家を出る亭主だったが、「帽子箱を持った女」同様このころのロシアは住宅事情が悪い。奇妙な三角関係の生活が始まる。
ラブコメとしてモダンな雰囲気であまり古さを感じない。
嫉妬のために互いをロシアの盤ゲームに縛り付け朝まで寝かせないんだから女の方は欲求不満。どっちでも良いから「散歩でもしましょう」と誘う・・・

エロチックな内容であってもそこは1920年代のロシア無声映画。ベッドでの艶かしいシーンといえば情事の後、女がベッドのシーツを軽く噛むシーンくらい。しかもその時、間男は隣でズボンも靴も履いたまま眠っている。
それでもどちらの子か解らない子供を身籠るから偉い。

「ベッドシーンやヌードになるシナリオの必然性」なんて言葉は嘘っぱちなんだと思えるほど・・・

コメディとしては現代に演劇でリメイクしても面白そうだけど・・・ちょっとありふれているかな。

ところで、これは無声映画。
冒頭の鉄道のシーンから夜のモスクワの町、夜明けの映像が美しい。
時間の流れやシチュエーションを最低限の字幕だけでほとんど映像で見せる。モノクロだけに光と影の使い方に見惚れる。
3人の穴倉のようなアパートに差し込む外界の光。

柳下美恵さんのエレピ演奏付き。
目の前で小さなライトの中、演奏している柳下さんの姿を見たり映画を見たり・・・
いつしか演奏は溶け込み、意識の中から柳下さんが完全に消えていた。

なんだかとっても気に入ってしまった・・・

下高井戸シネマ レイトショー 「カメラマンの復讐」に続いて上映

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