JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「愛人」

2021-06-06 | 映画(DVD)
「市川崑 初期ライト・コメディの誘惑」

「愛人」1953年 東宝 監督:市川崑

高原のロッジへ避暑に訪れた二家族の出会いから幕を開ける、爽やかで洗練された恋愛ドラマの秀作。かねてより監督が機知溢れるダイアローグに憧れていた森本薫の戯曲の翻案で、「新感覚派的な演出をやった」と監督自身が語る最高にソフィスティーケートされた人気の高い一編。

ハリウッドとは一味違う和製スクリューボールコメディ。
避暑地で知り合った2組の家族。映画監督・井上鉄風(菅井一郎)の長男・昌充 (尾棹一浩)は舞踏家・諏訪 (越路吹雪)の娘・美(イ予)(岡田茉莉子)にほの字で、それを知った妹・麻納(有馬稲子)も応援、接近を試みる。



場面変わって結婚式。なんと新郎新婦は双方の親同士であった。
ここから2組の家族に映画監督助手・須賀輪 (三國連太郎)が加わりガタの来た洋館での暮らしが始まる。狭い中で恋のベクトルが交差する。



元気キャラの有馬稲子とちょっと陰キヤの岡田茉莉子。同性愛を思わせるシーンも眼福だが互いに火花散らす睨み合い。洋館内の距離感とかも絶妙。
衝撃が巻き起こる大仰なストップモーションに動き出す壊れた時計。

好いてくれている事を知って好きになったり、訳あって好きでもない人の名を上げてみたり。告白受けてハイテンションになったり。。

夕立に洗濯物を取り込む来たばかりの幼いねえやと向日葵のラストが見事。



この内容でこのタイトル
個人的には「愛人」という言葉の持つイメージに新風が吹き込んだ感じ。

市川崑の初期ライト・コメディ、かなり好きかも。他のも見たかったな。



池袋 新文芸坐
2021年3月
 
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