JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ROMA/ローマ」

2019-03-30 | 映画(DVD)
「ROMA/ローマ」2018年 米・墨 監督:アルフォンソ・キュアロン

政治的混乱に揺れる1970年代のメキシコを舞台に、アカデミー賞受賞監督アルフォンソ・キュアロンが、ある家族の姿を鮮やかに、そして感情豊かに描く。



オリンピックを終えた1970年頃のメキシコを舞台にした「お荷物小荷物」と聞きゃ見たくなるってもん。
Netflix作品で配信かぁと思ったら、ヒットや受賞もあり劇場公開。
皮肉なもんでこれこそは劇場で観なけりゃいけない作品なんじゃないですか。
従来のメジャー映画会社がこの手のものに金が出せない現状。映画配信のNetflixで金を出すってんならそこで作るしかない。そして配信オンリーじゃなくて劇場でやってくれればそれで良い。目の黒いうちは、否、足腰の立つうちは意地でもNetflixで映画は見ねぇぞ。
※本作はNetflix製作じゃなくて配給って事のようです。

新しきモノクロの美しさ。
丁寧にゆっくりパンするカメラ。長回し横移動。劇伴も廃し生活音のみ。
映像に客観性を持たせてなおかつリアリティ。
緻密なしかけ。オープニングとエンディングの関係性。
淡々と追う日常。中盤以降には激しいスペクタクルシーンにも遭遇するもあくまで客観的に。
当時のメキシコ社会情勢に詳しければ面白さはなおさらとなる内容であるが、これが監督の幼少の記憶に基づく作品という意味では、幼い監督同様に何が起きているのか解らない状況での鑑賞も値打ちがあるってもんじゃないか。
コーパス・クリスティの虐殺(血の木曜日事件)






先住民のお手伝いさんクレア。
ヤリャッツァ・アパリシオが良い。長い髪にインディ顔。妊娠してお腹が大きくなってくるとなお良い。
海岸での横移動で撮られる彼女が映画のクライマックスだが、あの後の後部座席の車窓から外を眺めている彼女の顔が堪らなく良い。




さてメキシコ映画、ラテンアメリカ映画として肝となるのはその痴れっぷり。
本作ではクレアのつきあってる男が痴れを一手に担当。フリチン武道やら場違いなTシャツも痴れてる。
山火事で詠う男。
射撃キャンプ
人間大砲
あと、お母さんの車の運転もいい。









暖かいシーンがありながら雇用主は彼女のミドルネームも年齢も知らないっていうキツい場面とのバランスが怖いほど。

またまたメキシコ題材の良き映画に出会えて幸せ。

ところで「お荷物小荷物」の中山千夏のお手伝いさんも民族的マイノリティだったのね。ガキの頃だからよく判ってなかった。もう一度見たいな。







シネスイッチ銀座



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