「エロ将軍と21人の愛妾」

「トラック野郎風雲録」出版記念　鈴木則文映画まつり

「エロ将軍と21人の愛妾」1972年　東映　監督：鈴木則文

安永2年10月5日の同刻に生まれた2人。江戸の御三家、一ツ橋家の嫡子で学問好きの豊千代と越後の貧農の子で女好きの角助（林真一郎　2役）。世継ぎ問題を強引に豊千代に決めた田沼意次（安部徹）だったが豊千代は筆卸の花魁が膣痙攣で身動きがとれず、困った田沼は女鼠小僧の妙案で角助を身代わりに立てる。大奥初お成りとなった角助は美女また美女へと次々と手を付けて行くのだったが・・・。

「徳川セックス禁止令」に続く則文時代劇ポルノでそのバカバカしさを大いに楽しむ。
恍惚の将軍役での田中小実昌が最高。
由利徹の毛沢山による同時通訳エロ実況。
岡八郎の哀しくも可愛らしい宦官。
宦官を取り入れようと切られる大泉滉
女鼠小僧弁天のお吉。池玲子の盗賊姿の凛々しい事。ホゥ、こんなにいい女だったのか池玲子。・・・気付かなかった。

越後の幼馴染、お菊（渡辺やよい）がお万の方（三原葉子）にいびり殺されてから、将軍として振舞ってきた角助が壊れていく展開のアナーキーさが則文ならではってところ。
だんだん、ヘラヘラ笑ってもいられなくなってくる。
大奥を俯瞰で撮った大乱交シーン。壮大なポルノ満艦飾で圧倒。
大奥初日に角助に「三杯目にはそっと出し、四杯目は・・・止めておこう」と断られたババァまでも男にありつき気持ち良さそうにしていて、笑った。

結局腹上死で果てる角助。ラストの徳川家斉を語るナレーションが秀逸。
越後の角助って当時の日本の英雄、成り上がり首相をモチーフにしてんのね。

池袋　新文芸座