函館港イルミナシオン映画祭 会期中広報「イルプレ」

函館港イルミナシオン映画祭開催期間中情報をリアルにお届けする「イルプレ」です。

恋しくて-青春って素晴らしい!

2007年12月09日 | 2007
 映画祭3日目、3本目の作品は中江祐司監督の『恋しくて』。この映画は、石垣島を舞台に若者たちが自らのバンドを作り上げていこうと奮闘する映画である。この作品は、人気バンドBEGINの青春時代をモチーフにしている。

 作品の鑑賞後、ゲストとしてお越し頂いた中江監督のコメントによれば、本作品では石垣島という地でリアルな様子を映し出したかったため、役者は素人の中からオーディションで選出したという。そのため、オーディションに始まりクランクアップするまでに数ヶ月を要したらしい。「本作品は、自らが撮って作り上げたというよりも、石垣島の人々とその環境に『作ってもらった』と言える作品です」という監督のコメントが印象に残った。
一貫してこの作品について言えることは、石垣島独特の雰囲気が顕著に描かれているということである。独自の沖縄の民謡や、独特の言葉遣い、そして、なんといっても石垣島の人々の暖かさがスクリーンを通して伝わってきた。

 また、途中で動物のコメントが導入されるなど、細部にまでこだわっているように感じた。
この映画を見て、自分の青春時代を思い出す人も少なくないだろう。

馬頭琴夜想曲

2007年12月09日 | 2007
 世羽(ヨハネ)の夢の世界を描いているだけあって、独特な色彩感覚で華麗な極彩色とても幻想的な世界観が表現されていました。
 
 はじめはミステリアスな雰囲気だったのだが、中盤から終盤にかけてはテロップや笑い声などを使ってコミカルな雰囲気ですすでいったのでそのギャップにびっくりさせられました。

探偵事務所5「カインとアベル」-宍戸錠さん再場

2007年12月09日 | 2007
「探偵事務所5」は世の中に対し正義を貫く歴史ある探偵事務所。

 ある振り込め詐欺をきっかけに、国家的犯罪にまでからむ巨大詐欺グループの存在が浮き彫りになってくる。あるおばあさんの孫が目の見えなくなる病気にかかってしまう。それを助けるために、おばあさんが騙し取られたお金をとりもどす。約束した探偵511(柏原収史)は、その悪の組織に挑む。
 
 「探偵事務所4」は任務を果たすためには手段を選ばない、「5」とは犬猿の仲の探偵事務所。かれらが「5」の捜査に手を下してきた。なんと「4」には511の幼馴染、ヒデ(塩谷瞬)が探偵として任務を遂行していた。

 幼い頃、「絶対探偵になる」という夢を抱いていながら、まったく正反対の「正義」を貫く結果になってしまった二人。はたして本当の正義とは・・・?林海象監督がおくる新感覚の探偵映画ここにあり!


 見ていて一番感じたことは、「探偵ってかっこいい!探偵になりたい!!」という胸の高鳴りでした(笑)。特に、宍戸錠さん扮する500は一人だけ白いスーツで登場し、事務所のボスって感じがすごく出ていてとってもかっこよかったです。あと場面でちらほらでてくる探偵道具は、心をくすぐるようなものばかりでした。コーヒー缶のような望遠鏡、防弾スーツ、電気ショックナイフ、などなど。また、そんな組織には欠かせない「能力」を持った人もいて、ほんとにかっこいいの一言でした。またみたいです!!

4HAND

2007年12月09日 | 2007
4HANDS~Cecil Taylor and Yosuke Yamashita in concert~

作品の冒頭でセシル・テイラーが「音楽は心の現象だ」って言ってたのがずっと頭から離れなかったです。
セシル・テイラーと山下洋輔が2人でピアノを弾く場面があるんですが、あれは演奏というよりも「会話」「ぶつかり合い」「競技」といった表現が合うんじゃないかってぐらい自由で独創的なセッションでした。
そこで彼が言っていた言葉の意味が少し理解で気がします。
ジャズってかっこいいね!!
上映終了後、函館のジャズマンと青森のパフォーマーのステージがありました。
二人とも会うのは今日が初めてだそうですが、そんなのまったく感じさせないくらい、息がぴったりでした。
さすがプロですね!!
ではではイルプレ班(イ)が白井監督(白)にインタビューしてきたんでどーんとのっけちゃいます。
イ:音楽映画の魅力って何ですかね?
白:普段聞いている音楽プラス人を見ていただけるていうことかな。
  去年のあがたさんのは、ものをつくっている人の人生をとれたし。
  音楽のライブではない、カメラを通してのおもしろさを時代などを含めて表現できるってとこが魅力じゃないかな
イ:今回映画祭に来てくれた人に一言お願いします
白:素敵なまちで、素敵な会場で、素敵な人々とできるのはとても幸せ
と語ってくれた白井監督。
これからは映画祭まわりとかコンサートなどで忙しいそうです。
白井監督ありがとうございました。

赤い文化住宅の初子ー胸キュン

2007年12月09日 | 2007
 映画祭最終日、トップを飾ったのはタナダユキ監督作品の『赤い文化住宅の初子』。初子と同級生の三島君との恋模様はとても純情で、2人が楽しそうに話している場面では思わず観客も微笑んでしまい、2人の気持ちがすれ違ってしまった場面では観客も心が痛んでしまうような、観客が初子に自然と感情移入してしまう作品でした。それは、広島弁で紡がれていることも要因であると言えるでしょう。
 
また、初子を取り巻く登場人物のキャラクターがとてもはっきりしている気がしました。自分のことに必死になりつつ、しかし、心の隅ではきちんと妹のことを思っている初子の兄や、自由奔放に振舞いながらもどこか憎めない初子の担任の先生、初子を宗教団体に取り込もうとする女性や、路頭に迷う初子の父親など、見た人によってお気に入りの登場人物が違ってくるといった、どこか一癖あるキャラクターが多い作品でもありました。
 
家族・進路・恋愛・人との関わりなど、様々な視点から描かれているので、観終わった後にふと「自分はどうだろう?」と考えてしまう一方で、なんとなく暖かい気持ちになれるような、そんな映画でした。

クリアネス

2007年12月08日 | 2007
 杉野さんが伝えたいことで言っていた「虚しさをうめるものは、心の部分だと感じてほしい」がすごく伝わってきました。
 さくらはレオのことを思い続け、レオも同じようにさくらのことを考える。お互いのことを信じあって、お互いの足りない部分を補って時間が、世界が二人のために動いてるように感じました。人は、離れてからも心と心でつながることができると教えられましたような気がします。
純愛ですね。
感動して涙腺がゆるんでしまいました。
 
 イルプレ取材班(イ)が篠原監督(篠)細田よしひこさん(細)杉野季妃さん(杉)にインタビューをしてきました。
イ:役者さんの二人から見て篠原監督はどういうイメージですか?
杉:温和で柔軟な人。役者の意見を尊重してくれます。
細:監督の映画を見たくなる。パパですね。

イ:お気に入りのシーンはどこですか?
篠:与那国島の運よくスカッと晴れてくれて、日本で最後の夕日を撮ることができてよかったです。                                
杉:石垣島でさくらとレオがエリとアキラに出会い踊り狂うシーンがあるんですが、気持ちが開放的になってとても楽しかったです。
細:さくらの部屋にレオがアポなしでのりこむシーン。理想で憧れですね。

イ:映画祭に来てくれた人に一言お願いします。
杉:現代的なこの作品は、今生まれてきたからこそできると思う。空虚感を埋めるものは心の部分だと感じてほしいです。
細:最後のシーンはいろんな捉え方ができるが、見た人の捉え方でいいと思う。見た人同士で意見交換し合って下さい。
篠:撮っていて、今の男の子・女の子はどういう人を求めているのかに突き当たった。自分を必要としている人を求めてるんじゃないかな。
他にもやさしさより強さが大切じゃないかとか、男女の距離感の重要さを感じました。

ショートフィルムマシンガン

2007年12月08日 | 2007
 お待たせいたしました、やってきましたショートフィルムマシンガン!!
今年は
「めぐるめぐる」
「忘れ物」
「ベンディングマシンレッド」レイ ヨシモト監督
「小さき塔」古本恭一監督
「岡村昭彦『旅の時』」津田基さん
「もっちょむぱあぷるへいず」あがた森魚監督と岡本和樹監督
の7本が上映されました。
「めぐるめぐる」「忘れ物」に関しては、今年の夏に行われた映画祭のワークショップにおいてつくられた作品です。

「忘れ物」
函館にもこんなにゆったりした時間が流れてるんだなっていう、函館のいつも見ている顔とはちがう顔を見られたと思います。

「ベンディングマシンレッド」
レッド登場で会場が待ってましたと言わんばかりの雰囲気に!!
作品のほうは笑いどころもあってすごく面白い作品になってました。
ネット配信されているので気になる方はWebで是非!!

「小さき塔」
一人の男性がひいおじいちゃんの不思議な体験をカメラに語り始めるところから始まりました。回想シーンに入るところの色がつき、音が入り、動きが出るその流れにすごくひかれました。
でも最後のシーンはすごく謎が残っちゃいました。

「岡村昭彦『旅の時』」
函館を中心として、北海道の昭和30年代のすがたを見ることができました。
SLが出てきたときは興奮しちゃいました。

「もっちょむぱあぷるへいず」
あがたさんの映画祭以外のライブを初めて見ることができました。
昨日のライブのときもそうですが、楽器を弾いているときのあがたさんは生き生きしててとてもかっこよかったです。

「旅の繪3 函館イルミナシオン映画祭」
去年の映画祭が題材なんですが、去年のことをふと思い返しちゃいました。

こんな感じで今年もショートフィルムマシンガンは無事終わることができました。
ご来場された方々ありがとうございました。

瘤広場-映画美術も見どころ!!

2007年12月08日 | 2007
 上映後になんともいえない感情が込み上げてきました。感動の中にある淋しさというか悲しさというか・・・お客さんの中には涙も。
 
 戦時中と現在の世界を並木道にある木の瘤(こぶ)でつながれているこの物語。戦争を体験した夫婦が様々な物や音を通して、過去のことを回想していきます。また夫である木室は、映画学校の学長を務めており、ある男子学生との交流によって生と死を考えさせられました。この二つは誰にでも当然訪れ、直面するもので、誰にでも生きる意味があります。それを男子学生に伝え続ける木室の手紙がとても心に響きました。
 
 木村威夫監督本人が原作を手がけ、それがいつのまにか映画作成に至ってしまったというこの映画。監督自身の体験がところどころ組み込まれていて、上映後のトークショーにはその時のことを語って下さいました。実際に映画学校の学長である監督が、時代ごとに色を変えていくなどの映画美術の見どころをお話していました。不自然に感じない時代の転換を美しく表現されていたと感じました。

 3作品のゲストとして来場して下さった木村威夫監督、ありがとうございました!!
 

硝子のジョニー 野獣のように見えて

2007年12月08日 | 2007
 北海道稚内の昆布採りの娘みふねは、貧しさのため人買いに売られるが、途中で逃げ出し、ジョー(宍戸錠)という見知らぬ男に助けられる。アイ・ジョージのヒット曲『硝子のジョニー』を主題歌に、裏切られても美しい心を失わない少女と、孤独な男の流転の人生を描く異色のアクション。当時の函館の街が偲ばれる。不幸な人生ながらも天真爛漫なヒロインの純真無垢な美しさに胸を打たれます。

 ゲストの宍戸さんをはじめ、俳優陣も函館の景色も時代を超えた美しさを見せてくれました。45年前のものでしたが、すっごく作品自体がかっこいいんです!

捨てられては拾われて、拾われては捨てられる可哀そうすぎるヒロインで…。っていうか、捨てられるって気づけよ!!と突っ込みたくもなるのですが。その純真さがまた可愛かったんですよねー。最後まで時間を忘れて楽しめました。

上映後には植草信和さんと宍戸錠さんと美術の木村威夫さん(御年89歳!)とでトークが行われました。軽快なトークで会場は何度も笑いに包まれました。撮影当時の時代背景や函館の様子を交えてのお話で、映画のイメージがもっともっと広がりました。
最後に12月6日に74歳のお誕生日を迎えられた宍戸錠さんに映画祭からケーキと会場の皆さんから、バースデーソングをプレゼントさせていただきました。74歳とは思えないセクシーさがとっても印象的でした★

人のセックスを笑うな-Don't laugh at my romance

2007年12月08日 | 2007
 美術学校に通う学生のみるめ(松山ケンイチ)19歳は、特別講師としてやってきたユリ(永作博美)の自由奔放な姿に恋に落ちる。ユリの美貌・生き方に魅力を感じ、みるめはユリ以外には何も手につかない様子。しかし、ある日突然彼女は姿を消してしまった。気になってしょうがないみるめは、ユリの住所を突き止め彼女に会いに行くが、そこで思わぬ真実に直面する。ゆりは結婚していたのだ。

 人を愛するが故に生じるどうしようもない感情・葛藤が見事に描かれた作品です。よく考えてみれば、僕の初恋もこんな風だったかな?と懐かしく思う場面もありました。個人的には、みるめに心を寄せる蒼井優の姿が印象的で好きです。恋に一途な様子は当たり前のようでもどかしく、奇妙で、複雑で、それでいて美しい。そんな気持ちを抱かずにはいられませんでした。

 あ~、甘酸っぺぇ~甘酸っぺぇ~!!