函館港イルミナシオン映画祭 会期中広報「イルプレ」

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赤い文化住宅の初子ー胸キュン

2007年12月09日 | 2007
 映画祭最終日、トップを飾ったのはタナダユキ監督作品の『赤い文化住宅の初子』。初子と同級生の三島君との恋模様はとても純情で、2人が楽しそうに話している場面では思わず観客も微笑んでしまい、2人の気持ちがすれ違ってしまった場面では観客も心が痛んでしまうような、観客が初子に自然と感情移入してしまう作品でした。それは、広島弁で紡がれていることも要因であると言えるでしょう。
 
また、初子を取り巻く登場人物のキャラクターがとてもはっきりしている気がしました。自分のことに必死になりつつ、しかし、心の隅ではきちんと妹のことを思っている初子の兄や、自由奔放に振舞いながらもどこか憎めない初子の担任の先生、初子を宗教団体に取り込もうとする女性や、路頭に迷う初子の父親など、見た人によってお気に入りの登場人物が違ってくるといった、どこか一癖あるキャラクターが多い作品でもありました。
 
家族・進路・恋愛・人との関わりなど、様々な視点から描かれているので、観終わった後にふと「自分はどうだろう?」と考えてしまう一方で、なんとなく暖かい気持ちになれるような、そんな映画でした。

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