函館港イルミナシオン映画祭 会期中広報「イルプレ」

函館港イルミナシオン映画祭開催期間中情報をリアルにお届けする「イルプレ」です。

危うし?!MASK DE 41!!

2004年12月11日 | 2004
 41歳厄年のプロレスマニア男の情けなくも熱い第二の青春(?)を描いた本作。
 2001年の制作から3年,協力団体FMWの解散,映画会社の分裂,出演者の負傷,病没など相次ぐ不運に見舞われた厄年映画が上映されるはずのイルミナシオン映画祭最終日,函館は折からの低気圧の直撃を受け,10年目にして初めてロープウェイの運行中止という最も恐れていた事態が発生!
 朝イチのプログラム上映のため,急遽お客様を別会場へピストン輸送するも今度は用意した映写機がぽしゃってしまった!
 今日のスケジュールはどうなる?
 ロープウェイは動くのか?
 
 結局,従来会場にて1時間20分遅れでプログラムはスタートしたものの,この遅れをどうやって取り戻すかが大問題。ロープウェイの終了時刻は決まっているので,このままではいずれかのプログラムをカットすることもあり得る。それって,それってもしかして?・・・危うし!MASK DE 41!!
 しかし,ここにもまた熱い男たちがいた(笑)。休憩時間をやりくりし何とかスケジュールを組み直そうとするスタッフ,上映のためならロープウェイの最終便を延すと言ってくれた函館山ロープウェイの方etc。
 かくして,ここに我々は,MASK DE 41 の勇姿を目にするに至ったのである(拍手~)。

 大幅な上映時間変更にもかかわらず,会場は,MASK DE 41を,村本天志監督を,女優筒井真理子さんを待ちわびていたお客様で一杯!みなさん,ありがとうございました。
 上映の後は,お待ちかねのトークタイムです!!

 -早速ですが,映画にまつわるエピソードなど・・・。

村本:FMWの解散やら何しろトラブル続きの映画だったので,今回映画祭で上映が決まって嬉しかったのですが,今日は「やっぱり駄目か・・・」と(会場遠慮がちに笑)。でも,今となっては,皆が元気に生きていた記録が残せたと思って,これを撮れてよかったと思ってます。

筒井:周りに濃い人が多くて(爆笑)埋もれてしまうかもと心配でした。これは中年のファンタジー映画。家族が壊れてゆくので少しずつやつれていくようにし,服も崩してったんですが分かりました?楽しくて,ダメダメだけど愛せる人たちなので,それを感じてもらえれば。

 -監督,初長編映画はいかがでしたか?

村本:これまで仕事はCMメインで,長編は初めてだったので,映画のシステムや人間関係など分からない事が多くて苦労しました。
今となっては何でこんなこと(笑)したか分からないです。もともと東海地域のCMだったんですが,主演の田口さんと,これを映画化できたらと話してて「20kgでかくなってほしい」と言ったら「いいよ」と。で,映画化が実現したんです。役者さんって一度は肉体改造をやってみたいようですよ。

 -肉体改造といえば,あの生卵を飲むシーンも凄かったです。

村本:プロテインと生卵をミキサーに掛けてね。不味いんだよね。一気飲みしてくれたんだけど・・・。

筒井:蒼○優ちゃんが吹きだしちゃって,もう一回撮り直したんですよね(会場驚愕)。

村本:映画「ロッキー」が好きで,ロッキーは卵4個飲むんですよ。だからそれよりも多くってことで,5個にしたんです。で,撮り直したんだけど,勢いが違うってことで,使ったのは1回目のほう。田口さんは2度も不味いの飲んだのに。(会場爆笑!)

 -最後に一言ずつお願いします。

村本:次は,笑って泣ける青春映画を撮りたいです。

筒井:今回の2作(「愛してよ」と本作)は全くテイストが違うけれど,映画はどれもクランクインから公開まで本当に大変な作業です。そこで仕事ができるのは幸せです。

 観た人誰もが元気になれるビタミン剤(栄養ドリンク?)みたいなこの映画,いろいろあったけど無事上映することができて本当に良かったと思うと同時に,一つ一つの映画が持つ「力」と「運命」のようなものを感じずにはいられませんでした。


  >>おまけ<<

その1:村本監督はアニメが好き?!
 打上げ会場で村本監督を発見!隣に陣取って,いろいろおしゃべりさせていただいてるうちに,アニメの話で盛り上がる。
「映画関係の人ってジ○リ作品とか余り見ないみたいで。」
「え,そんなモンですか?」
「向かいの人に聞いてみたら?」
 -寄った勢いでお二人ほど捕まえて聞いてみるも,色よい返事なし・・・。
「やっぱり・・・」
「でしょ?」
「ちなみに何がお好きですか?」
「やっぱり『トトロ』,あと『ラピュタ』なんかも。」
「実は私『トトロ』は見てないんです。『紅豚』とかジブリじゃないけど『カリ城』好きだなぁ。」
「子供と一緒に観てて,子供が笑う所ってすごいヒントになるんですよ。単純にこけると笑ったりするし。」
「なるほど~」・・・とアニメ話題が続いていく。

その2:村本監督,食玩は箱買い?!
 アニメから,いつしか話題はフィギュアに移っていた。
「かなり持ってますよ,フィギュア好きだし。」
「私がよく行く飲み屋さんも棚にフィギュアが一杯ですよ。私はたまに食玩買うくらいだけど。」
「懐かしグリコは全シリーズ揃ってますよ。」
「えっ!!やっぱり箱買いしちゃうんですか?」
「箱買いもします。」
「箱買いすると,全種類入ってるものなんですか?(ワクワク)」
「それがね,箱買い対策で全種類は入ってないんですよ。」
「なんで~!イジワル。」・・・ダブってるものも多数あるとか。グリコの秋刀魚と七輪,覚えてたら送ってください。

その3:村本監督は,柿の種派?!
 監督と私の目の前に置かれた柿ピーの入った皿。ふと気付くとピーナツだらけに・・・。
「監督,ピーナツ嫌いですか?」
「いや,嫌いじゃないけど,ほら,これきっと袋の下のほうだったんだよ。ピーナツは重いからたくさん入ったんじゃない?(といいつつ柿の種を食べる)」
「私,ピーナツ好きの人と柿ピー食べるとちょうどいいんですよね。柿の種好きだから。」
「(ひっそりと)あ,隣の人,ピーナツ好きかもしれないよ。」
「(隣の皿をのぞく)本当,柿の種ばっかり。あ,またピーナツ食べてる!」
 かくして隣の席の人がトイレに入った間に,こっそり皿を取り替えてしまいました。ごめんなさい。でも,ピーナツ増えててきっと嬉しかったですよね?!(陽子) 


松田美由紀さん&御法川監督 大胆にコラボ!

2004年12月08日 | 2004
御法川修監督が2本のフィルムを持って函館に乗り込んできました。もはや伝説と化している松田優作という人物を、永瀬正敏、寺島進、太田光のフィルターを通して映し出すトリビュートフィルム。なぜ今、松田優作なのか。この世を去って16年になる今も、若者たちは松田優作という男をなぜ追い求めるのか。その一端が見えた気がした一作。
永瀬正敏さんの言葉と言葉の隙間から立ち上る紫煙。友達にでも話すかのような語り口で、けれど時折鋭い眼光で圧倒的な存在感を与える寺島進さんのザラリとした空気、そして「え、この人が松田優作さんとどんなかかわりが?」な太田光さんの横顔。時折差し込まれるそれぞれのアップ。モノクロの世界に松田優作が浮かび上がる。彼らの言葉のなかに存在する松田優作。誰にも何処にも帰属しない松田優作が、それぞれの形で甦る。

もう一作は松田美由紀さん主演の『世界はときどき美しい』。40代を目前にしたヌードモデルが、何気ない日常をさまよいながら手を伸ばした先の美しい緑。松田美由紀さんの凛とした演技が印象的。詩が挿し込まれた写真集をめくっているような感覚。言葉が沁みる。私も幼い頃、鏡を見て泣いたことがあったっけ…などと記憶の波にゆらゆらと漂いつつ映像の雰囲気に飲み込まていく。

上映終了後、御法川修監督と松田美由紀さんにインタビュー。

---どんな経緯で作られた作品なのですか?>松田優作トリビュート

松田…松田優作13回忌の展覧会の展示映像として製作されたものです。松田優作を語るためではなく、懐古することでもなく、現在進行形の松田優作を知ってもらうためです。

---優作さんを直接は知らない監督を起用した理由は?

松田…俳優の伝記よりも、1人の人間がどんなことを変えたか、そういうことを描きたかった。そのためには同世代の監督ではなく、優作を全く知らない世代で、客観的に捉えられる方が必要だと思ったからです。優作が亡くなって16年。彼を知らない若い世代の方々がいまもなお優作を求めてくれている。監督がどう触れるのか見てみたかったのです。

---『世界はときどき~』のことを聞かせてください。

御法川…僕は『エレファントソング』という映画の助監督をやっていて、そこでの松田さんを見て凄い人だと思い、それで美由紀さんと仕事がしたいと思うようになりました。世の中ではよく若くて無垢なものが美しいといわれますけど、この作品では熟成した感情を盛り込みたいと思いました。映画やテレビでは見せない松田さんの表情を撮りたいと。

---『パコダテ人』とは全く別のキャラクターですね。

松田…私はばあちゃんの役でも、10歳の子役でも、演れと言われれば何でもやります。自分を出すのが役者ではなくて、幅広いものを演じるのが俳優だと思っています。人間の感情や機微を真面目に演じていければ嬉しいと思います。監督が求めてくれたものを理解して演じられたら本望だと思っています。

---最後に一言。

御法川…短編は気の利いたオチがあるもの…というような感じがありますが、もっといろんな可能性があると思います。来年は長編を撮りたいと思っています。そしてまたこの映画祭で上映してくれると嬉しいと思います。今日はありがとうございました。

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こちらこそありがとうございました!
松田さんは背筋がピンと伸び、黒を身に纏っていらっしゃいましたが、まるでカラーの花のようなすっとした印象がありました。人の目を真っ直ぐにみてお話されていて、体の芯の部分に熱いものをお持ちの方なんだろうなぁと思わずにはいられませんでした。両作品とも映像が繊細でそれでいて力強く、こういう世界を描いた御法川監督にすっかり心酔。私の脳内メモリには、今くっきりとこう刻み込まれているのです。

御法川監督恐るべし。いま一番注目したい新鋭監督。>握り拳。(み)

たくさんのご来場ありがとうございました!

2004年12月06日 | Weblog
2004イルミナシオン映画祭の全プログラムが終了しました。
たくさんのご来場、本当にありがとうございました。そして当映画祭のために駆けつけて下さったたくさんのゲストの方々、ボランティアでお手伝いをして下さった全ての皆さま、函館ロープウェーさんをはじめとする各関係者の皆さまにスタッフ一同心よりお礼申し上げます。

そして本日、低気圧による悪天候のためロープウェーが運休となってしまい、スケジュールが大幅に変更となりました。天候のためとはいえ、観客の皆さまには多大なるご迷惑をおかけしましたことをこの場を借りて深くお詫び申し上げます。特に「丹下左膳余話 百萬両の壺」にお越しいただいた皆さまには、いきなりのトラブルにもかかわらず快くご協力をいただいたことに感謝するとともに、改めてお詫び申し上げます。ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。

明日からまた、来年に向けて発進です。よりよい映画祭とするために努力していきたいと思います。前夜祭を含め4日間という短い期間でしたが、ご覧になっていただいた全ての方々に感謝いたします。本当にありがとうございました。また来年お逢いしましょう。

なおここで紹介されていないプログラムに関しましても、これからも順次アップするつもりでいますので、もしよろしければご覧下さい~。

永瀬正敏&宮崎あおい登場!

2004年12月05日 | Weblog
 永瀬正敏さんゲスト決定!?お知らせを受けたとき、私たちスタッフは色めきたちました。「うおーーー!」まさに咆哮です。ま、ま、まさか、あの濱マイクがっ!ミステリートレインが!長い長い映画祭のミーティング後に受けたその吉報は、スタッフの疲れを吹き飛ばしました。そして今日。永瀬さんは飛行機に乗り遅れそうになり羽田空港を疾走しながらも駆けつけてつけて下さいました。しかも急遽、宮崎あおいさんも来函決定?わーーー!こんな幸運があっていいの!

 大勢の観客の方々で埋め尽くされたクレモナホール。あまりの反響の多さに、整理券を発行したのはイルミナシオン映画祭史上初。みごと整理券を手にされた幸運な方々は、上映後今か今かと永瀬さん&宮崎さんの登場を待ちわびてました。まずは宮崎さん登場!うわーー、可愛い!思わず歓声があがります。まるでお人形のようでした。そしていよいよ永瀬さん登場!女性の方々の目がキラキラしてるのなんのって!そういう私もキラキラでしたが。(恥)

ということで、舞台挨拶のもようをレポレポ。

---ようこそおいで下さいました。

宮崎…お呼びいただきありがとうございます。またここに来れて嬉しく思います。パコダテ人のときは3週間滞在しましたが、それ以降ドラマや映画で北海道にくる機会が増えたんですよ。

永瀬…こんなにいっぱい観に来ていただきありがとうございます。監督も喜んでいると思います。10周年おめでとうございます。

---『ラブドガン』に出演された感想は?

永瀬…ちょうど少し休もうかと思っている時期にこの話をいただいて。ドンパチものらしいしどうかなぁと思ったのですが、脚本を読んで胸キュンとなりまして、出演をきめました。

宮崎…2回目を見たときに「カッコいい映画だなー」と思いました。撮り方が面白くて、その画のなかにいられることが嬉しいと思いました。

---『ラブドカン』のエピソードなどを。

永瀬…現場に入るたび驚いていました。あおいさんが縛られているときに上からハサミが降りてくるとか。監督の頭にあって脚本にはないので、毎日が驚きでしたね。

宮崎…現場では監督の指示でスタッフとは話をしてはいけないことになっていて、本当に孤独でした(笑)

…最後に一言ずつお願いします。

宮崎…またこの映画祭に来れたらいいなと思います。今度は雪が降る時期にここに来たいです。楽しみにしています。

永瀬…次は「パコダテ人2」でお会いしましょう。(館内爆笑)

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 時間が足りなくてほんの少ししかお話が伺えませんでした。ロープウェー最終便のバカ!…と観客の皆さん誰もが思ったことでしょう。でもね、イルプレを見てる人だけに朗報!なんとコレを書いているこの席に永瀬さんがいらっしゃいます!ちょっとだけコメントをいただきました。ラッキーです!わたしもドキドキ。

---函館の印象はいかがですか?

 夜景がキレイでしたねぇ。あれが100万ドルの夜景ですか。飛行機からみた夜景もとてもキレイでした。

---『ラブドガン』思い出に残っているシーンは?

 うーん、全部ですねぇ。これと決められない。それはどの作品でも同じです。

---宮崎あおいさんの共演は初めですか?

 そうです。めっちゃくちゃ可愛いですよ!自分の感性をしっかり持っている役者さんでした。

---岸部一徳さんはいかがでしたか?

 あの人の雰囲気というか演技は真似できないですよね。凄い人ですよ。

---苦労した点は?

 最初監督から、ハヤマダは天才だからと言われて。でも僕は凡人なので天才を理解するなんて難しい。だから試行錯誤しながら演じました。

---函館のファンの方に一言お願いします。

 映画祭初の整理券を配っていただけるほど多くの方に興味を持っていただいて本当にありがとうございます。機会があったらまたぜひ来たいと思います。

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ナマ永瀬さんはとてもいい匂いがしました…。(未だ夢の中)
 永瀬さんはお酒が飲めないそうなのでウーロン茶。普段は何を飲んでいるのですか?とお聞きしたら「お茶とか、あ、珈琲好きです。あとコーラとか。ソフトドリンクなら何でもイケます」とのこと。できることならソフトドリンクになりたい…と真剣に思った私です。結局二時半くらいまでお付き合い下さいました。またいつか映画祭にお越しいただけることをスタッフ一同心よりお待ちしています!

イルミナシオン映画祭から映画を産んだ男達のものがたり。

2004年12月05日 | Weblog
 イルミナシオン映画祭発の映画を撮った男たち、そしてこれから撮る男が函館山に終結!『オー・ド・ヴィ』の篠原哲雄監督、『パコダテ人』の前田哲監督、『狼少女』の深川栄洋監督が熱く語るムービィ・トークセッション!ナビゲーターは俳優の小林三四郎さん。

---映画祭発の映画を撮ったいきさつを教えてください。

前田…じんのひろあきさんの自宅に遊びにいっててたまたまシナリオを読ませてもらったら、これがまた面白かったのでなんとか映画にできないかとこちらから制作会社にかけあいました。それまでは函館にこのような映画祭があるのさえも知らなかった(笑)

篠原…僕は1回目から映画祭にきているのでシナリオ受賞作は読んでいて、何かここで映画を撮りたいなと思っていたところ「オー・ド・ヴィ」に出逢って、あ、これはやりたいなと思いました。

---函館はどういう街だと思われますか?

前田…ファンタジックな街。イルミネーション、山、坂、海。横浜と神戸のいいところをキュー!とした感じ(笑)あと人がいいですね。

篠原…西部地区のあのオレンジの光、僕達はそれをナトリウム灯と呼んでますが、まるであっちの世界に連れて行かれるようなその雰囲気がすごく魅力だと思います。「オー・ド・ヴィ」は函館でしか撮れなかったと思います。

深川…まだ函館で撮るということもはっきりしていない段階なのですが、「狼少女」を発信してそれが全国に広がっていけばいいなぁと思っています。

---この映画祭でまた映画をつくる可能性は?

前田…僕はヒマですけど(笑)

篠原…ないこともないですよ。僕もヒマです。今回も家族サービスで函館にきましたし(笑)

---これから撮影に入る深川監督に注文&エールを。

前田…まだ若いんですよね。28歳かぁ。なんだか追い抜かれそうだな(汗) あれ、「狼少女」ってどういう話なんでしたっけ?

深川…70年代の子供の話です。不思議なことが好きな男の子が主人公で見世物小屋が出てくるんです。(前田監督のことをみて)小学4年生、ハマりそうですね(笑)

前田…あ、ボク小学生の役やったことありますよ!(爆笑)

篠原…ぜひ函館で撮って欲しい。函館のスタッフにじゃんじゃん甘えて下さい。なんでもやってくれますから(笑)

---今後のご予定は?

篠原…今年は「天国の本屋」や「深呼吸の必要」のようなテイストのものが公開されましたが、来年はまだ正式発表はされていませんがR-18のものが公開予定です。エロチック驀進です(笑)来年の映画祭に持ってこられればいいなと思いますが。

前田…今はちょっと冬眠中でしたが、来年は現在企画中です。春には1本撮る予定です。

深川…2月にクランクイン予定です。来年この場所で上映することになると思います。ぜひ観にいらして下さい。

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 函館を映し出してくれた監督たちの、函館に対する熱い思いを語っていただきました。イルミナシオン映画祭がここまで大きくなったのも「オー・ド・ヴィ」「パコダテ人」があったからこそ。来年、その映画祭にまたひとつ、大きな勲章が増える予定です。

夢幻彷徨~86歳からの旅立ち

2004年12月05日 | Weblog
 木村威夫,映画関係者誰もが尊敬の念を寄せる日本映画界屈指の美術監督。齢86歳にして映画を初監督し,その作品をひっさげて来てくれました。
 今まで関わった監督の影響を受けないように,従来の映画の撮り方とは全く違う撮り方をしたと監督自らが語る本作。
 台詞のない,鮮やかな画面はポエジー。しかし,そこには戦争が,復興が,20世紀が語られ,シンボリックな映像が様々な意味を担っています。
 映画の冒頭に登場する鉄のオブジェは,鉄の時代20世紀を象徴する川崎製鉄所の廃炉。目隠しは心の目を閉じていることの暗示であり,星条旗をまとう女はアメリカに蹂躙される日本の暗示と監督が語り始めると,映像詩がいつしかリアルに変わる。映画人としてのキャリアは長いが,監督としては駆け出しだと言い切る木村監督の映画に対する若々しい情熱(と酒豪ぶり!)にはシャッポを脱ぎます。
 監督のマシンガントークぶりをここでお伝えできないのは残念ですが(みなまで記録できませんでしたので・・・)一部だけ。
 
司会…どういうきっかけで映画を?
木村…300枚の美術作品を記録のため撮るつもりが,こういう形で映画か出来たので,まさかスクリーンで上映できると思ってなかったです。それが東京を皮切りに上映できて嬉しいです。

司会…佐野史郎さんなど,出演者はご指名したのですか?
木村…映画を撮るという話を伝え聞いたらしく向こうから言ってきてくれました。

司会…函館で撮られた映画でこれぞというお勧めは?
木村…宍戸錠主演の「硝子のジョニー」。ぜひ映画祭でかけてよ。

司会…本作品に関してコメントをお願いします。
木村…本来映画は楽しんでもらえなくてはいけないが,たまには考える映画があってもいいと思う。映像の世界は面白くて,面白いと思った映像が編集したらつまらなくなったり,つまらないと思ったのがつなげてみたら面白かったり,出来上がってみなければ分からない,はまってしまうと抜け出せない麻薬の様なジャンルですよ。

 来年はきっと「硝子のジョニー」をかけたいなぁ。そしたら,また来てくださいね。(陽子)

愛してよ~愛し愛されるための第1章

2004年12月05日 | Weblog
 「愛してるってどういう意味?」キッズモデル,ケイジの口をついて出た言葉にはっとした。意味も分からず「愛」を口にする人,「愛」を求めていても口に出来ない人。
 モデルをすることに情熱を持てないのに母の歓心のためだけにオーディションに通うケイジ,ステージママとして初めてケイジに向き合える母,トップモデルとして不動の人気を誇るタカシが抱える家庭での虐待,あっけらかんとして見えるアキラの心にくすぶる闇。
「母親だから息子を愛して当然だって皆言うけど,誰があたしを愛してくれるの?」母だって,子供だって,父だって愛されたい。
 愛されることを求めていた人々が「愛する」ことを意識したとき初めて相手と向き合い,手を触れることができる距離に届く。痛いほどの現代人の孤独と再生の物語を冷静に,かつ温かく見つめた珠玉の作品が届きました。
 「子供の映画は20代から撮りたくて,そのころは子供が近かったけど40代になって子供が遠くなったからこそ,同じ目線に立って見つめ直したかった。」という福岡監督,主演のケイジ役の役者さんには台本を読ませず,オーディション時からエチュードを繰り返し,またスタッフも10歳の子供に伝わるようにしたのがこういう雰囲気作りにつながったとか。
 劇中では,子供を父親の虐待から守れない辛い立場の母親役を演じた筒井真理子さんは,映画にも出てくるファッションメーカーの企業コンセプトのポスター「あなたは子供を愛する資格がありますか?」を見る直前に,中東紛争地域のテロで息子を2人も失った父親が同じ境遇にある親たちと怒りや恨みをぶつけつつも理解し合い,争いは無益,人間を愛そうと語る姿を見て,戦争や虐待で子供が傷つけられている現状がある一方で,こういう子供を愛そう,みんなを愛そうという大きなテーマのある作品に出られてよかったと語ってくれました。「誰しも疵を持っているけど,誰も悪くない。」自らの命を絶とうとする者にさえも温かな赦しのまなざしを向ける本作は,ちょっぴり日常に疲れて乾いた心のひび割れを潤してくれるはず。
 最後に,インタビューに快く答えてくださった筒井さんが語ってくださったお母様の「愛情をケチっちゃいけない。」という言葉は,きっと世界にあふれる様々な争い事を鎮める魔法の言葉。「愛してよ」と言う前に,つぶやいてみてください。

「ラブドガン」鑑賞は整理券を忘れずに!

2004年12月04日 | Weblog
12/4[土]18:20より上映予定の『ラブドガン』は、主演の永瀬正敏さんをゲストに予定しておりますが、事前の問合せが多くよせられており、お客様が殺到するおそれがあるため、たいへん申し訳ありませんが整理券を発行させていただくこととなっております。

整理券は、当日4日AM10:00より、函館山ロープウェイ山麓駅の映画祭受付にて発行いたします[先着順配布、なくなり次第終了]。

整理券がなければ「ラブドガン」はご覧いただけないことをくれぐれもご了承くださいませ。

ダイタモンドの原石発見!シナリオ大賞グランプリインタビュー!

2004年12月04日 | Weblog
2004年シナリオ大賞長編・短編グランプリのお2人にアポなし取材を敢行しました~!
お2人ともやっと実感がじわじわと沸いてきたご様子。表彰式を終えホッと一息・・・のところを牛頭Barにて直撃。スミマセン、突然で…(汗)

■栗原裕光さん 《長編グランプリ『あたしが産卵する日』》

---この作品を書こうと思ったきっかけは?

NHKの合唱コンクールで精一杯歌っている女の子を見ていて、「なんか魚みたい。鮭の産卵シーンみたいだな」と思ったのが初めでした。

---苦労した点は?
 
どうもギャグ映画っぽくなってしまうところです。多分これは4稿目くらいなんですけど、その間に主人公の女の子がだんだんと成長していって今回のシナリオができたのです。

---受賞の喜びをどうぞ!

実感がわかないですねー。「まじっすか!」って何回も何回も聞きましたよ。なんだか賞金をもらいすぎて、申し訳ないです。


■中島直俊さん《短編グランプリ『タタズムヒト』》

---この作品を書こうと思ったきっかけは?

大学でシネマ研究会に在籍していて、そのときに書いたものなんです。2~3年前くらいです。地方限定のしきたりとかそういうのを書いてみたくて。

---苦労した点は?

イマキヨという名前ですね(笑)
横溝正史さんの『犬神家~』にスケキヨって出てきますよね。実はそれがイメージで。次に出てきたのが忌野清志郎さんなんですよ。忌まわしくてスケキヨ、なんだかオドロオドロしくて気に入ってつけました(苦笑) それに「さん」をつけたのは、座敷童なんかにも「座敷童さん」などと「さん」付けしてた地域もあったらしいので「イマキヨさん」名づけました。

---もしも映画化されるとしたら、主人公のイメージは?

例えば岸部一徳さんとか、寺島進さんとか。(インタビュアーここでもぶんぶんと頷く)

---入賞する自信はありましたか?

手応えはあまりなかったです。でも友人たちの間では好評だったので、応募してみました。シナリオ大賞に応募したのは初めてだったのですが、評価されてとてもうれしいです。

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インタビューをしていて、これからの映画界を背負って立つ原石を私たちは見つけたのかもしれない!とこちらまで高揚してしまいました。グランプリ受賞、おめでとうございます!これからのご活躍をお祈りしています。私的感情をチラと書かせていただけるのなら一言だけ。両作品とも、がっつりおもしかった!(訳:とても面白かったです)…というわけでいつの日か映画化されることを希望しつつ、このへんで。(み)

今宵、牛頭Barでナニが起こったか!

2004年12月04日 | Weblog
年に一度、ベイエリアの片隅にひっそりと灯がともる怪しい空間、それが牛頭Bar…。
石炭ストーブを囲み、夜な夜な映画人たちが集い、戯れ、そして酔いしれる…。

ってことで今年もオープンしました、牛頭Bar。
間違っても「ぎゅうとう」とは読まないで!「ごずバー」が正しい読み方です。

映画祭の期間中…と言っても今年は3日と4日、ゲストも観客の皆さんも一緒になって交流できる噂のBar。そんな夢のようなBarなんてあるはずがないとお思いのアナタ!一度足を運んでみませんか?本当なんですよ、嘘じゃないんですよ!監督さんや俳優さんらがそこにいるんです。本当にそこにいるんですよ!>しつこいって。

今日いらした方々の一部をこっそりお教えしましょうか?篠原監督、大滝監督、福岡監督、深川監督、飯田監督…そのほかにもたくさんのゲストがご来店!もう人数が多すぎて、実際何名の方にお越しいただいたか把握できないくらいの盛況ぶり。たぶんざっとみて、100名は超えていたでしょう、確実に。美味しいお料理とお酒、食べ飲み放題でなんと会費は2000円!今日はカニ汁まで登場してました。じゅるる。

どなたでも2000円さえあればご来店できます。
4日は21:00~25:00まで開催!みなさまのお越しをお待ちしています~。
画像は大滝純監督による乾杯の図。わー、楽しそう!