函館港イルミナシオン映画祭 会期中広報「イルプレ」

函館港イルミナシオン映画祭開催期間中情報をリアルにお届けする「イルプレ」です。

草の上の仕事

2008年12月07日 | 2008
6日の最初を飾ったのは、本映画祭第1回上映作品の「草の上の仕事」でした。

この映画では一面緑色の草原の中で、草刈り職人とアルバイトの青年が黙々と草刈りをする姿が描かれています。
初めは草刈りのおぼつかない青年に腹を立てる草刈り職人ですが、共に草刈りをしていく中で二人の心が徐々に
通じ合っていきます。
 
草刈り職人とアルバイトという異なる人生を歩んできた二人。
初めはぎくしゃくしていましたが、草刈りの仕事の話や幼少時代の話、自分の夢の話を通して少しずつお互いが
距離を縮めていく場面が心に残りました。
 
また、15年前の爆笑問題の太田光の演技にしばしば客席からは笑いがこぼれました。

45分の中に二人の心の交流がギュッと詰まった作品だと思います。

【十字街】星屑夜曲/エメラルド

2008年12月06日 | 2008
十字街シアターでの最初の作品は「星屑夜曲」と「エメラルド」でした。
まず「星屑夜曲」は、恋人の死をなかなか受け入れられない女性の気持ちがとても伝わってきました。
自分と親しい人間の死に向き合った時に、それが信じられず実感が持てないという気持ちは共感を覚えました。
亡くなった恋人の本当の気持ちを知り、“見えなくてもちゃんとある”という星を知った時、彼女は死というものときちんと
向き合えたのだろうと思いました。

次は「エメラルド」です。
こちらの作品もまた、彼女の死を受け入れられない男性のお話です。
大切な人を亡くしても、気を強く持ち続けるということはとても難しいことのように思います。
仕事が手につかなかったり、何もする気がなくなったりしてしまうことは仕方のないことです。
しかしその時の仲間の優しさが伝わってきて、せつないお話の中にも温かさのある作品だなと感じました。

また、これらの作品の上映の後には「星屑夜曲」の外山文冶監督と、「エメラルド」の井口昭久監督のトークショーも
行われました。

まず外山監督は、
「いろいろな方に助けられてこの作品をつくることができました。
2006年に発表した作品ですが、それが今もこうして観てもらえるというのはうれしい」と作品に対しての
思いを語られていました。
また「冬の函館に憧れを持っており、プロ1作目の作品を撮るとしたら、函館か青森で
撮りたいです」とおっしゃっていました。
その時にはぜひ函館でお願いします、監督!

次に井口監督です。
この作品は仲間同士が集まってつくった作品だということでした。
また「照明を務めた方の知り合いのミュージシャンが書いた曲からインスピレーションを受け、脚本を書き上げました」という
裏話もしてくださいました。

外山監督、井口監督、ありがとうございました!

オートバイ少女

2008年12月06日 | 2008
「草の上の仕事」と同時上映された「オートバイ少女」。
この二作は、本映画祭の第1回上映作品でもあります。
17歳の少女とオートバイというインパクトのある組み合わせです。
1人オートバイに跨り、父親に会いにやって来たみのるの姿は、子どもと大人の狭間をさまよっているように感じました。
みのるは父親に会いに行くことで、自分を探しにいったのではないでしょうか。
高校も辞め、父親に捨てられたと思っているみのるは、自分のルーツを確認したかったのだと思います。
自分が思い描いていた理想の父親とは違う現実の父親に会い、さらに腹違いの妹が居ることを知ったみのる。
監督・脚本・制作をされたあがた森魚さんは、この父親をどのように作るかとても葛藤されたそうです。
親子とは、血の繋がりとは何か、ということを考えさせられる作品でした。

愛しのティツィア―出島の西洋婦人像―

2008年12月06日 | 2008
 「愛しのティツィア-出島の西洋婦人像-」は、長崎の出島に西洋女性で初めて来日したティツィア・ベルフスマの
日本での存在を、彼女の子孫であるルネ・ベルスマ氏が探求の旅で見つけ出すというものでした。
上映にあたって、日本語字幕が出ないというハプニングがあったものの、ベルスマご夫妻の解説によって進めることができました。
 映画を観て、500点の肖像画や版画、陶器などが日本人の文化に残されていたことで、旅での紐解きが次々と進み
彼女の存在が身近に感じられたような気がしました。
多くの日本人がティツィアに魅了され、名は知られなくとも彼女に関する作品を作っている。
日本における彼女の存在は、今も生き続けています。

この映画の製作者であるルネ・ベルスマさんご夫妻にお話を聞きました。

「歴史というものは、男性がアクションを起こすことで作られていきます。
ほとんどの歴史の中に、女性が主体となっているものは少ないと思います。
しかし、私の祖先ティツィア・ベルフスマは、女性でありながら歴史に残ることを
したのではないでしょうか。
 彼女の存在を初めて知ったとき、とても誇りに思いました。今までどういう人か
知らなかったので、旅を進めていくうちに
彼女の旅がわかるような気がしてきました。
記録として残すというよりも映画として上映したいと思うのです。」と話して下さいました。
貴重なお話をお聞きすることができました。ありがとうございました。

シナリオ大賞受賞者インタビュー グランプリ

2008年12月05日 | 2008
今年で12回目を迎えたシナリオ大賞。
応募数は、なんと174本!!

その受賞者の方にインタビューさせていただきました。
【函館市長賞(グランプリ)】・・・大山淳子さん『通夜女(つやめ)』

イルプレ(以下イ):受賞おめでとうございます。このシナリオ大賞は、どこでお知りになりましたか?
大山淳子さん(以下大山):シナリオ学校の先輩が、今年このシナリオ大賞から生まれた映画「うた魂」のシナリオを書いたことを知り、今回初めて応募しました。
イ:グランプリの賞金が300万円という大金ですが、使い道は決まっていますか?
大山:まだ決まっていません。これからの勉強に使えたらと思います。
イ:函館港イルミナシオン映画祭にメッセージをお願いします。
大山:とてもあたたかい雰囲気で地元の皆さんと作っていていいと思います。今度は映像化した作品を持ってきたいと思います。


大山さん、インタビューに答えていただきありがとうございました。
また、いらして下さいね。

開会式

2008年12月05日 | 2008
美しい夜景をバックに開会式・シナリオ大賞表彰式が行なわれました。
(インタビューの内容は「受賞者インタビュー」にて掲載します)
グランプリに大山淳子さんの『通夜女(つやめ)』。
準グランプリに灯向亮さん『春の柩(はるのひつぎ)』。
荒俣宏賞に猪原健太さん『エンマムシは腐乱死体の夢を見るか?』。
加藤正人賞に永井利明さん『期間限定彼女』。
林海象賞に杉原由美子さんの『銀の降る森 金の降る川』がそれぞれ受賞しました。
また、映画祭に毎年参加して頂いているあがた森魚さんの還暦を祝したミニコンサートが行なわれました。
かつての恩師に向けた曲に、会場も手拍子で盛り上がりました。
なお、あさって(12月7日)はあがたさんのコンサートがあります。盛り上がること間違いなし!!是非おこしください♪♪

胡同の理髪師

2008年12月05日 | 2008
この映画では、93歳の理髪師チン爺さんの、北京にある胡同(フートン)と呼ばれる伝統的な家屋における何気ない日常が描きだされています。
感想として、この映画では「生と死・新と旧」がふんだんなユーモアによって上手に描き出されているように思いました。
チンさんの日常はささやかながらも、充実しているように感じた方も多いのではないでしょうか。このような日常を通して、人生における幸せとは何かを感じ取ることができる、そんな映画でした。


ギターを持った渡り鳥

2008年12月05日 | 2008
今日の作品の頭を飾ったのは、函館山ロープウェイ50周年記念作品として上映された、「ギターを持った渡り鳥」です。これは1959年に公開された函館ロケ作品です。
 まず、片手にギターを持ち、馬車に乗って現れる小林旭に衝撃を受けました。と、同時に、若かりし小林旭に「男のかっこよさ」をひしひしと感じました。
 

作品を御覧になったお客様からもたくさんの感想をいただきました。
「とても懐かしかった。小さいときに一度観たことがあったので、思い出しながら観ることができた。明日からも映画を観に来たい」(女性)
「この映画は若いころに観ていて、懐かしく感じた。町並みが今とは変わっていたり、忘れていたストーリーを思い出したりしながら観た。」(市内・男性)
「ぶんぶんクラブで応募した。去年もそこから応募し、宍戸錠さんの映画もみせてもらい、
トークショーでは感動した。
 この映画は若いころに観ていて、懐かしく感じた。町並みが今とは変わっていたり、忘れていたストーリーを思い出したりしながら観た。当時、映画撮影の時にも実際に俳優さんを見に行っていたし、友達と2人で誰のファンだとかいう話もしていた。そのようなことを思い出させてくれる映画だった」市内・男性、女性


2008年イルミナシオン映画祭、開幕!

2008年12月05日 | 2008
いよいよ函館港イルミナシオン映画祭2008が開幕します!

今年は「栄光の日本映画」と称し、今村昌平監督、市川崑監督、黒木和雄監督3名の巨星を偲び、3作品を上映するほか、当映画祭第1回に上映された3作品を「函館0年特別上映」という名のもとに上映。

また初の海外作品「胡同の理髪師」、さらには女優坂井真紀さんをお迎えしての熊切監督新作「ノン子36歳(家事手伝い)」、そしてそして「パークアンドラブホテル」では、りりぃさんをお迎えしてお送りします。

2008年度国際ドキュメンタリー映画祭PUNTO DE VISTAで、ジャン・ヴィゴ賞受賞した「ツヒノスミカ」、またこの作品がデビュー作となる池田監督の「東南角部屋二階の女」などなど見所も満載です。

もちろん今年も函館山山頂クレモナホールだけではなく、まちづくりセンター内に十字街シアターを設営し、多彩なジャンルの作品を上映します。こちらも目が離せません!

今日から3日間、様々な角度から映画祭の横顔を紹介してまいりますので、どうぞお楽しみに。
そしてお時間があれば、ぜひ当映画祭へ足をお運びください!