【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【夕景のプール】

2009年04月28日 | アジア回帰
 嫁のラーをオムコイに戻し、私はひとりチェンマイに居残った。

 昨夕は、「ひとりじゃ退屈だろう」と友人のウィワットが誘いに来てくれ、彼が
勤めているホテルのプールでひと泳ぎすることができた。

 このホテルは、チェンマイラム病院の隣にあり、3階にある屋外プールからはセンタン(セントラルデパート)越しに壮麗な夕景を楽しむことができる。

 また、仰向けになってプールに浮かべば、ホテルと病院のふたつの高層ビルと、それによって鋭角に切り取られた青空がシュールな風景を描き出しており、オムコイのタマチャー(自然)だけを見慣れた目には、なかなか新鮮である。

 プール自体も、縦10メートル強とこじんまりしており、ゆったりとした動きの背泳や平泳ぎで何往復しても、いっこうに疲れることがない。

 そのうちに、ボーイさんがビアチャン(象印ビール)を3本持って現れたので、プール脇のテーブルに腰を据えての宴会となった。

 互いの近況や今後の暮らしの見通しなどを語り合ううちに、ウイワットが「このホテルで働いたらどうか」と言い出した。

 なんでも、このホテルを利用する日本人は年配の夫婦づれが多く、タイ語はもちろん英語も話せないため、食事をするのにも苦労しているのだという。

 また、スタッフに英語が堪能な者がいないため(片言の英語をしゃべる彼が一番うまいらしい)、ファラン(欧米人)客とのコミュニケーションもいまひとつ深まらないという。

「そこで、あんたが日本人やファランの意向を深いところで聞きだしてくれれば、彼らの意向に添ってツアーを組んだり、ガイドしたりと、今よりもいいサービスが提供できると思うんだ。もちろん、運転は俺が引き受けるから、ふたりで組んでひと儲けしないか。その気があるんなら、社長に話してみるから、ちょっと考えてみてよ」

 彼は家を新築したばかりで、しかも古いソンテオ(赤い乗り合いタクシー)を売って新しいソンテオを買う計画を立てており、給料以外のボーナスを稼ぎたいらしい。

 まあ、ヴィザの関係でガイド稼業は無理だが、困っている観光客の手助けならできないこともないだろう。

 そんな話をしているうちに、ビールの酔いが次第に回ってきた。

 いつも飲んでいるビアシン(獅子印ビール)に較べ、彼が好むビアチャン(象印ビール)は、かなり強く感じられる。

「こいつとも、もう2年の付き合いになるんだなあ」

 厨房からつまみを調達してきて、「食え、食え」と薦めてくれる彼の温顔を眺めながら、ぼんやりとそんなことを思っていた。

 さて、もうひと泳ぎするか。


 

 
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