このところ、夜中に聞こえる「カリカリカリ」という不快な音に眠りを妨げられるようになった。
なにせ、その音は寝室の枕元に近い柱の根元辺りから聞こえてくるのである。
おそらくネズミだろうと見当をつけて柱を叩くと、一瞬音はやむものの、すぐにまた始まる。
くそお、完全に舐められているわい。
音源のあたりにヘッドランプを向けても、何も見えない。
ついでに、外に出てベランダの下に潜り込み、音源のあたりを探ってみたが、かじった痕跡などもない。
うーむ。
家組みを解体しない限りは見えない部分の柱でもかじっているのだろうか。
*
ネズミとの闘いは、数年前から間断なく続いている。
一度などは、寝室の蚊帳の中に入り込んで来たこともあった。
対策は、近所の雑貨屋で売っている紫色の粉末の殺鼠剤である。
これを炊いた米にまぶして、部屋の隅や通路になっている梁の上などに置く。
すると、数日後に異臭がして、家の隅や庭先などにネズミの遺骸が転がっていることに気づく。
そして、ネズミどもはしばらくは鳴りをひそめるのだが、いつの間にか足音などが聞こえてその気配を見せ始める。
そして、仏壇に供えた米が朝になるときれいになくなってしまうようになる。
ネズミどもの完全復活である。
*
ま、仏飯を喰われるのは仕方がないとして、柱をかじられては大問題だ。
何か良い方法はないものかと町の大きな雑貨屋や荒物屋などを探し回ってみたところ、「最新式(?)だ」という粘着捕獲式のネズミ捕りを勧められた。
強力な粘着剤を敷きつめたプレートの真ん中に餌を置いて、それを狙いにきたネズミどもを身動きできなくしてしまおうという仕掛けである。
いわば、旧来のネズミ捕り器の科学的(?)改良版なわけだが、これとて決して極悪なネズミどもを根絶やしにできるわけではあるまい。
ただ、この方式のいいところは、殺鼠剤とは異なり、その成果が、つまりは捕獲数が確実に把握できるという点にある。
しかも、旧来のネズミ捕り器とは違って、複数の捕獲も可能であるらしい(パッケージに身動きのできなくなったリアルなネズミ数匹の絵が描いてある)。
つまり、わがオムコイにも文明の夜明けがやってきたのである。
*
胸をワクワクさせながら、茶色いベトベトの粘着剤が敷かれたプレートの中央に、米やトウモロコシの粒をまぶす。
夜を待ち切れずに、明るいうちから寝室や収納部屋の隅に置いた。
すると、どうだ。
夕方になって寝室をのぞくと、すでに一匹が粘着剤にからめとられている。
その1時間後に見ると、また一匹。
「うーむ、こ、これは凄い!」
興奮して収納部屋に行くと、こちらもすでに一匹が横倒しになって身悶えしている。
夜を待たずにして、この大成果である。
夜が更け、朝が明けたら、一体、どんなことになっているのだろうか。
うう、ゾクゾクしてきたなあ。
*
ところが、朝になって罠を確かめてみると、寝室は2匹、収納部屋は1匹、計3匹のままである。
つまり、一匹も増えていない。
ガックリ来た。
以前どこかで、「驚くほど大量に捕れた」という記事を読んだような記憶があるのだがなあ。
もしかして、おとりの餌がチープ過ぎたのか。
だが、昨夜はあのうるさい「カリカリ音」が一度も聞こえなかったし、仏壇の供米もまったくの手付かずのままだ。
今のところは3匹しかいなかったのか、それとも仲間や家族の異変に気づいて、他のネズミどもはじっと身をひそめているのか。
今夜、もう一度トライしてみることにしよう。
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家の中に侵入できないように,屋根裏や床下への開口部をふさげれば良いのですが,それも難しいですものねぇ.
うるさくなったら,一時的に罠などで生息数を減らすのが一番効果的なんでしょうね
やはり、「経験」の差ですか。この3日で総計5匹が捕れましたが、いずれも小さなネズミばかりです。