【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【久々の川下り】

2007年08月11日 | アジア回帰
 ルアンプラバーンの町を歩いていると、「一緒に川を下る人、求む」という英語の文字が目に飛び込んできた。

 そこは旅行会社の店先で、カヤックツアーを企画したのだけれど頭数が揃わないらしい。

 話を聞いてみると、2つのコースがあって、ひとつは渓谷に分け入ってレベル2~3(かなりの大波あり)に挑むもの、ひとつはレベル1~2の初級者コースということだった。

 もちろん、レベル3の大波に食指が動いたが、カヌーを漕ぐのはおそらく1年ぶりだ。

 しかも、パーイのコテージでラーと取っ組み合いをしたときに傷めたらしい右胸の痛みが、まだかなり激しい。

 沈(沈没)したときに眼鏡の流失を防ぐ眼鏡止めもなく、ここは大人しく初級者コースで体慣らしをするのが妥当だと考えた。

     *

 下るのは、メコン川に流れ込む支流である。

 だが、車で1時間近くもさかのぼったというのに、川幅は広く流れはゆったりとしている。

 しかも、川の水は真っ赤、使う船はガイドと共有のタンデム(2人艇)である。

 川下りの醍醐味には欠けるが、ここはラオス、止むを得まい。

 もう1艇のオランダ娘たちと共に流れに乗ると、意外に流れは早いことが分かった。

 大河らしく、ところどころに強い渦巻きもあり、なかなかあなどれない。

 前に座ったガイドの漕ぎっぷりは半ば素人で、これでオランダ娘たちが沈したらレスキューには手間取るだろうな、とため息が出た。

 まわりの風景は、スローボートで下ってきたメコン川とほとんど変わりがない。

 見えるのは、空と雲と山と川だけである。

 午前中に、1箇所だけレベル3に近い大きな落ち込みに遭遇した。

 落ち込んだ途端波に喰われてカヤックが傾くと、なんとガイドが漕ぐ手を止めて「沈脱」の構えに入っている。

 呆れて「漕げ、漕げ」と怒鳴るが固まったままなので、やむなくひとりで漕ぎぬけた。

 怒りよりも、笑いがこみ上げてくる。

 オランダ娘たちが沈したら、本当にどうする気だったのだろう。

 以降は凡庸な流れが続いたが、昼食のために立ち寄った川辺の村は、伝統的な家の構えや暮らしぶりがそのまま残っており、とても興味深かった。

 放し飼いの鶏やあひる、岸辺の傾斜を利用した厨房や豚舎、果樹畑、そして水辺で歓声をあげる?川ガキ?たち・・・。

 そこには、日本の?川の民?たちが忘れてしまった何かが、今も着実に息づいていた。

 川ガキたちの歓声に誘われて、私も真っ赤な水の中に泳ぎだした。

 午後は1時間ほど漕いだところで、目前に寧猛な雨雲が迫ってきたので、ガイドがツアーの中止を宣言した。

 岸辺に寄せると、5人の川ガキたちがカヌーを取り囲んだ。

?サバイディー(こんにちは)?

 タイ語の「機嫌がいい、元気だ」という言葉が、ここでは挨拶語だ。

 川下りのあとには、とてもふさわしい。

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