室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

充実した演奏を聴いて決意新たに・・

2007-12-16 14:21:43 | Weblog
先日12/10 は東京オペラシティのドレスデン室内管弦楽団演奏会を聴いた。充実した演奏会だった。月曜日の午後2時という時間でもよくお客さんが入っていた。お目当ては舘野泉さん演奏による、吉松隆作曲”ケフェウス・ノート”の東京初演。カシオペアの妻、ケフェウスの五つ星の星座をカシオペア座に対する左手に見立てての、左手とオーケストラのための協奏曲作品というアイデアだそうだ。星の物語らしい、煌めくサウンドで出来ていた。精度の高いストリングスのミルキーウェイの上で、ピアノはクラスター音(手のひらでグシャッ)ですら美しくかった。吉松さんは、サウンドメーカーだ。それと、エネルギーの運びのコントロールが抜群に上手い。価値あるスタイルを確立しており、今後も吉松スタイルの作品が次々と演奏されるだろう。シャガールのようだな・・。

ドレスデン室内管弦楽団も素晴らしかった。指揮者とコンサートミストレスは同じブラニーさんで、ご夫婦なのかな? コンミスのブラニーさんのバイオリンは派手な音色ではないが、キリッとしまった精度の高い、しかもしなやかさがあって素晴らしかった。コンパクトな室内管弦楽団らしく、隅々まで行き届いた演出があちこちに見られた。モーツァルトのアイネクライネ・ナハトムジークにしろ、ヴィヴァルディの四季の”冬”にしろ、オリジナルな解釈を持たせながら、エキセントリックに放り出す事なく、抑制の利いた、計算された表現である事が分かる。チェロ以外、全員が立ち弾きなのは最近の流行ではある。アンコールでのモーツァルトのセレナーデか何かの緩叙楽章では、外側から順に舞台から姿を消す演出で、聴衆を愉しませた。

先週そのあとは、一段落するまで猶予を頂いていたお付き合い大会。遊んだってゆう事です
昨日は新宿三丁目の銅鑼ライブに”田部フレンズ”で出演後、辻堂のブルックランズでの”レジェンド4”(後藤雅広さん、千香さん、阿部寛さん、小林真人さん)のライブを聴きに行きました。自分がやった直後に聴いたこともあって、安心して素晴らしい演奏を聴きました。聴く人をハッピーにする後藤さんのクラリネット。千香さんのピアノの流暢なジャズ語にいつもながら憧れます。阿部さんは最近アメリカから輸入した”ソレンティーノ”という幻のギターを再調整してお披露目。キラッとした立ち上がりは阿部さんチューンらしいとも云えるけれど、エピフォンの別ブランドというだけあって、高級感のある品の良いサウンドでした。楽器が違うとアドリブも変わってくる印象を受けました。恐らくもっと大勢の編成でも、隙間からきっと聞こえる力のある楽器じゃないかな、と思いました。ト音記号ネクタイの小林さんは新しいベースフィーチャー曲を仕入れ、バッキングに、アドリブに、良いバランスで存在感があります。何人かのお客さんを飛び入りさせるやり方も、一度にかたまりにせず、適当に散らしたのも、昨日はスマートでした。

今日は、年末年始に向けて、マイペースを貫いてやるべき事を全部やってやるぞ!・・と新たな決意をして、ベッドカバーを洗いました。夜までに乾いてね・・。