白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ほぼ毎日更新していました。
著書「やさしく語る」シリーズ4作発売中です。

13路盤プロアマ本戦その2

2016年07月05日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
今日は級位者教室の宣伝をする予定でしたが、第1回13路盤プロアマトーナメントの対局日でした。
皆様注目されていると思いますので、そちらの紹介を先にしましょう。



1回戦、奥田あや三段(黒)対大橋拓文六段戦です。
大橋六段は恐らく世界一13路盤に詳しい棋士です。
一方の奥田三段は力戦家、その棋風は13路盤でも変わらないようです。
先月私がスペースマンでGO!に出演した時に奥田さんの対局に触れましたが、大橋六段と打っても乱戦になると予想していました。
その予想自体は当たりましたが、しかし仕掛けたのは大橋六段でした。

白1!
いきなり大ゲイマジマリに付けて行きましたが、19路盤ではまずあり得ませんね
相手の石を強くしてしまうからです。
しかし、大橋六段には13路盤ならではの戦略がありました。





黒1と受けていれば穏やかですが、さらに白2と利かしに行く作戦でしょう。
一例として白8まで、こうなると黒地は左右の隅を合わせて20目ぐらいです。
一方白も下辺の両隅、上辺を合わせて20目近くになりそうです。
お互いにこの程度の地の大きさですと、コミ6目半の価値が大きくなります。
狭い13路ならではの、数字を意識した打ち方と言えるでしょう。





黒も白の意図を察知し、黒1と外に向かいました。
白は2が後続手段、やはり隅を利かそうとしています。





黒1と隅を守れば、白2、4と足早に立ち回ります。
白△の石は黒が取りに来れば捨ててしまいます。
こう上辺に根を下ろしてしまえば大きな黒地は出来ず、やはり6目半のコミが大きくなって来ます。





実戦は黒、こちらのツケにも反発しました。
外側に向かわれるのを拒否したと言う事です。
白もそれならと黒を分断、乱戦模様になりました。
難しい戦いでしたが、13路専門家の大橋六段に一日の長があったでしょうか。
最後は白番大橋六段の中押し勝ちとなりました。






2局目は武宮正樹九段(黒)対王景怡会津中央病院杯戦です。
3手目、小目!
世界広しと言えども、小目に打って注目されるのは武宮九段ぐらいのものでしょう(笑)





しかし、黒1、3と打って・・・





いつの間にか黒が外回りになっています。
13路でも流石武宮九段ですね。
終始細かい勝負でしたが、僅かに武宮九段がリードしていたでしょうか。
最後は黒半目勝ちとなりました。





2回戦、武宮九段(黒)大橋六段戦です。
2連星からの高ガカリ、これは武宮九段が19路盤でもよく打っています。
今回は隅と隅の距離がかなり近いですが・・・(笑)





その後このような形になりました。
白が左下のハネツギを打って、左辺の黒の根拠が無くなりましたが・・・





ここで黒1!
アマの方にはこういう手をお勧めしていますが、多くのプロは地が好きなので一見甘く見えてしまいます。
しかし躊躇せず打てるのが流石武宮九段ですね。
この手が何かと言えば、
1、黒△の一団と黒○を繋げる
2、黒□とも連携させて中央を模様化する
という一石二鳥の手です。
打たれてみるとやはり好手で、これで全体のバランスが取れています。
この対局も難しいヨセ合いとなり、最後は大橋六段の白半目勝ちとなりました。


13路には独特の部分がある一方、19路と同じ発想で打つ場面も多いです。
碁盤の狭さ故に碁の奥深さを感じた1日でした。
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