白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

ナショナルチーム合宿

2018年12月26日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
これから厳しい寒さが続くそうです。
風邪を引かないよう気を付けましょう。
新年を気持ちよく迎えたいですからね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は幽玄の間ナショナルチーム合宿の対局が中継されていたので、1局ご紹介しましょう。
ナショナルチームは皆様からのご支援によって支えられています。



1図(テーマ図)
伊田篤史八段(24)と広瀬優一二段(17)の対局、伊田八段の黒番です。
広瀬二段は入段3年目にして新人王を獲得するなど、売り出し中の若手です。

白の仕掛けに対して、黒が最強手で応じた場面です。
白×が弱くなっていますが、白はどう動いたものでしょうか?





2図(実戦)
実戦は白△のツケ!
格好良い手が飛び出しましたね。
黒Aと打って白4子を取りにくれば、白Bから振り替わっていこうということでしょう。
「捌きはツケから」と言いますが、石を捨てる発想を持てなければ捌きのツケは使いこなせません。





3図(実戦)
実戦は黒1、3と応じましたが、白Aの切りという弱点が生じました。
その瞬間、白4の切り!
一転して力強く戦っていきました。

場合によっては捨て、場合によっては助けるという柔軟な打ち回しですね。





4図(実戦)
その後、白△と黒×の2子を抜くことになりました。
白はほぼ生き形となり、中央の黒5子は取り残されています。
こうなっては白が成功しました。
上手いものですね。

この後も白の鋭い打ち回しが随所で見られました。
皆様もぜひ棋譜をご覧ください。