白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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SGW杯4週目結果

2019年09月24日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
本日は横浜の宇宙棋院でイベントを行いました。
お越しくださった皆様、ありがとうございました。
今後も第4火曜日に行う予定です。



皆様こんばんは。
月曜日はSGW杯の予選対局日です。
今週は延期されていた4枠の残りの対局と7枠、そして8枠の下半分の対局が行われました。

1図(溝上-酒井1)
4枠決勝、溝上知親九段(42)と酒井真樹八段(51)の対局です。
溝上九段の黒番で、白△と切られた場面です。
一見すると、左上黒が危なそうですが・・・。



2図(溝上-酒井2)
黒1、5、7が全て利くため、黒11で白2子を取り込んでしまいました。
利き筋は「切り札」にも例えられますが、適切なタイミングで使えば効果抜群ですね。
この後、黒は左下も凌いで勝ちを決めました。
溝上九段が本戦出場を果たしました。



3図(金澤-桑原1)
7枠1回戦、金澤秀男八段(43)と桑原陽子六段(45)の対局、金澤八段の黒番です。
白△とハネた場面です。
攻め合いの形になりましたが、この後100手以上も放置されました。
ここに戻ってきたのは、黒×の生死が問題になってからです。
どういうわけでしょうか?



4図(変化図)
黒1と取りにいけば、白2と放り込んで本コウになります。
この後、黒A、Bと連打してコウに勝つ可能性と、白Cと取られてコウに負ける可能性がありますが・・・。
どちらにしても、黒1の石が無駄になりますね。



5図(変化図)
では、白1と取りにいった場合はどうでしょうか。
やはり黒2と放り込んで本コウですね。
この後、白A、Bと連打してコウに勝つか、黒Cと取られてコウに負けるか・・・。
どちらにしても、白1の石が無駄になります。

つまり、どちらが仕掛けてもコウの形は変わりませんが、仕掛けた方が1手損になってしまうのです。
コウの取り番が有利になるという僅かなメリットがありますが、その程度では割に合いません。
結局、どちらも自分からは触りたくないので、いつまでも放置されてしまう運命なのですね。
不思議な形です。

なお、結果は金澤八段の黒番1目半勝ちとなりました。
金澤八段はこの後も連勝し、本戦出場を果たしました。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター
・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は10月11日(金)、11月15日(金)、12月13日(金)に指導碁を行います。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日に講座と指導碁を行っています。

白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。

New!上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~21:30です。


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