白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

棋聖戦第2局感想

2020年01月22日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
芝野虎丸名人(20)が賀歳杯に出場しましたが、結果は残念でした。
序盤は苦しそうに見えたものの、中盤では良くなったかと思いましたが・・・。
安全策が裏目に出たとのことでしたが、プレッシャーがかかると芝野名人でもそんなことがあるのですね。



皆様こんばんは。
昨日はお休みしました。
1日遅れになりますが、棋聖戦第2局の2日目を振り返っていきましょう。


1図(封じ手)
封じ手は白△でした!
白Aを決行する前の手続きです。
今回は当たらないだろうとは思っていましたが、この手を候補に入れていなかったことは失態でした。




2図(実戦)
白はあちらを打ったりこちらを打ったりと、まさに変幻自在の打ち回しで黒模様を削減しました。
リスクが低いうえに損もしておらず、流石の打ち回しだと思いました。




3図(実戦)
しかし、河野臨挑戦者(39)はじっと我慢してチャンスを伺っていましたね。
黒1~5と、じりじり白に迫りました。
そして、白6に黒7が強手!
次に白Aは黒Bで潰れです。
急に難しくなってきましたね。




4図(実戦)
本局最大のハイライトシーンはここでしょう。
白1と出たとき、黒2と転戦したのにはビックリ!
そして、白3とお付き合いしたのにはさらにビックリ!
プロが500人いれば、499人は白6と抜くのではないでしょうか。
それが自然な手ですし、形勢も白有利です。


5図(実戦)
しかし、取れないシチョウを追いかけるかのような、白1~5が豪快な手筋です!
これが両者の読み筋でした。

善悪で言えば、4子をポン抜く方が優ったことは明らかでしょう。
しかし、井山裕太棋聖(30)はどうしてもこの手筋を見せたかったのではないか・・・。
私にはそう思えてなりません。
もちろん、それは単なる思い込みかもしれませんが、少なくともこの碁が面白くなったことだけは間違いないでしょう。

結果は白中押し勝ちでした。

井山棋聖の2連勝となりましたが、河野挑戦者のしぶとさも流石のものでしたね。


第3局は2月1日(土)、2日(日)に行われます。
お楽しみに!



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は1月28日(火)、2月12日(水)、2月28日(金)、3月27日(金)に指導碁を行います。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日(今月は第3土曜日)に講座と指導碁を行っています。

白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。

New!上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~21:30です。


☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 棋聖戦第2局封じ手予想 | トップ | 芝野虎丸-柯潔 »

囲碁界ニュース等」カテゴリの最新記事