白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

1/17の対局

2020年01月19日 23時59分59秒 | 対局

<本日の一言>
明日から明後日にかけて、棋聖戦第2局が行われます。
日本棋院ネット対局幽玄の間囲碁プレミアムで中継されますので、ぜひご覧ください。



皆様こんばんは。
本日は碁聖戦予選の大須賀聖良初段(15)との対局を振り返ります。


1図(実戦)
私の黒番です。
白1のツケには黒2~10まで、それなりの黒地を持って生きることができます。
しかし、大須賀初段は全く不満を感じていない様子でした。

そして、黒12のカカリに対しては、白13のゆったりした挟みを選びました。
白の勢力圏なので、もっと厳しい打ち方を選びたくなる棋士も多いでしょう。

ここまでの手順だけでも、大須賀初段の特徴が見て取れますね。
まだ15歳ながら、非常に落ち着いていると思います。




2図(実戦)
私としても、ここまでの手順で後悔するところはありませんでした。
次に黒Aと伸びる手が自然で、大きな戦いになりそうです。

ところが、先の進行をあれこれと読んでいるうちに、おかしな考えが浮かんできました。
先の見えない戦いより、かわして打つ方が分かりやすいのではないかと・・・。




3図(実戦)
実戦は要石である黒×を抜かせるという、碁の法に無い打ち方をしてしまいました。
当然ながら形勢もいっぺんに悪くなっています。
逃げの気持ちが惨憺たる結果を招きました。




4図(実戦)
ただ、黒△まで一応勝負形には持ち込んだかと思いました。
碁盤の右半分を全部黒地と主張しています。
白Aから手を付けられ、分が悪そうではありますが・・・。




5図(実戦)
結果的には右下隅を手にされるだけで済み、良くなったと思いました。
しかし、リードの大きさを見誤っており、安易に逃げ込みを図ってまたおかしいことに・・・。
負けコースもあった気がしますが、結果は黒2目半勝ちと幸いしました。


相手の方が大局観に明るく、手も読めていたと思います。
なぜ勝てたのかよく分からない一局でした。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は1月28日(火)、2月12日(水)、2月28日(金)、3月27日(金)に指導碁を行います。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日(今月は第3土曜日)に講座と指導碁を行っています。

白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。

New!上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~21:30です。


☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!