白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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攻めと石取り

2020年01月13日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座

<本日の一言>
先日、何もしていないのにキーボードがおかしくなりましたが・・・。
3日ぶりにPCの電源を入れたら、何もしていないのに普通に動作しました。
放電や再起動は何度も試していたのですが・・・。
気分屋のPCとは困ったものです。



皆様こんばんは。
本日は合宿の最終日でした。
合宿は現役学生から大先輩まで、幅広い年代の参加がありました。
卒業してもずっとつながりが続くことは素晴らしいことだと思っています。

さて、本日も合宿での指導碁を題材にしたいと思います。
対局数の関係もあり、最終日の碁は扱わないことも多いのですが、今回は本人たっての希望がありました(笑)。


1図(テーマ図)
下辺白がいかにも弱そうですね。
黒はどのように攻めたら良いでしょうか?

実際のところ、色々な方法が考えられる場面だと思いますが、やはり一定のセオリーはあります。
また、失敗につながりやすいパターンも・・・。




2図(実戦)
「白の姿は薄い、ズタボロにしめてやろう!」
この考え方は結構危険です。
まあ、それはそれでは1つの流儀だとは思いますが、少なくとも最後までしっかり読みきる力が備わっていなければいけません。
そして、それができているアマチュアは非常に少ないです。

実戦は黒1、3と鋭く仕掛け、白の分断を図りました。
Aの所のコウ争いになりますが、黒にもかなりの負担がかかっています。
その割に、コウ争いに勝ったとしても莫大な利益を得られるわけではありません。
いわゆる、事を好む打ち方ですね。




3図(実戦)
その後、色々あって景色が激変しました。
普段は後日談にはあまり触れませんが、やはり本人たっての希望によります(笑)。
あての無い戦い方をすると、大きなリスクを背負うことがあります。
対局中に心に留めておきたいことの1つですね。





4図(正解)
無理やり白を分断する必要は無く、例えばこのように攻めれば確実です。
攻めながら着実に利益を上げていますね。

攻めの道の延長線上に石を取りにいく道があることは確かですが、両者の性質は全く違います。
石を取ることが大好きな方も、それだけにこだわるのではなく、得をしながら攻める感覚も身に付けておきたいものです。



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