白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

手筋

2018年09月22日 23時54分09秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
日本棋院の3名の棋士が文化庁に表彰されます。
囲碁棋士の活動を評価して頂けることはありがたいですね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
現在、鬼怒川で中央大学囲碁部若手OB中心の合宿が行われています。
私も参加して指導碁を打っていますが、本日はその中の1局を題材にしましょう。



1図(テーマ図)
4子局、白△と打った場面です。
現在、左上黒と左辺黒が競り合っている状況です。
左上黒は×の所に1眼しかありません。
黒Aと打てば生きますが、それは最後の命綱です。





2図(実戦)
黒1~5と打ったのが実戦です。
こう打つ方は多いでしょう。
ただ、この打ち方は上下どちらの白にも響きません。
悠々と白6の大所に回られてしまいました。





3図(正解図1)
白の2間飛びの薄みを衝いて、黒1、3と仕掛けるのが正解です。
実戦に頻出する手筋ですが、知らないとなかなか打てないでしょう。





4図(正解図2)
白1に対して、1子を捨てて黒2、4と外回りに石を持ってくることができました。
2図と比べて、黒石がのびのびとしていることが感じられませんか?





5図(正解図3)
黒14まではその後の想定される進行の1つです。
上下の白が絡み攻めになり、明らかに黒のペースになっていますね。


手筋は時に戦況を一変させることがあります。
囲碁の上達のためには、手筋を沢山知っておくことが大切です。