井山九段、決勝進出！

皆様こんばんは。
昨日は「いい石の日」で、本日は「いい囲碁の日」です。
そして、そんな日に我らが井山九段がやってくれました。
世界最強の柯潔九段を破り、ＬＧ杯決勝進出です！



1図(実戦)
井山九段の黒番、白△と打たれた場面です。
ここで全局を見渡してみますと、右下隅は黒が確保していますが、その他の3隅は白地です。
さらに白にはコミがあり、目に見える地では白が大幅にリードしていることが分かります。
黒としては、中央白を攻めながら、青で囲ったあたりに大きな黒地を作りたいところですが・・・。
しかし、それは難しいのではないかと思っていました。
この時点で、私なら迷わず白を持ちます。





2図(実戦)
その後、白×をほぼ取り込むことができ、黒が盛り返したのではないかと思っていました。
しかし、ここで白△とは柯潔九段らしい厳しさです。
逆に黒×の大石に襲い掛かってきました。

仕事の都合で、私がリアルタイムで観戦したのはここまでです。
今だからこそ言えますが、この碁は井山九段の負けだと思いました。





3図(実戦)
白△まで進みました。
お互いに×の石を取り合う分かれになりましたが、増えた地は白の方が遥かに多いです。
こうなっては白優勢でしょう。
しかし、この後黒は白〇に襲い掛かり・・・。





4図(実戦)
白×を全部取ってしまいました！
柯潔九段は危険を恐れず踏み込む碁風であり、凌ぎは大の得意です。
しかし、そんな柯潔九段の石を仕留めてしまうとは・・・。

私たち棋士は、これまでずっと井山九段の強さをアピールしてきました。
しかし、それを証明するこれができず、歯がゆい思いがありましたが・・・ついにその機会がやってきましたね。

ただ、いくら世界最強の打ち手を破ったとはいえ、まだ優勝したわけではありません。
なんとしても2月に行われる決勝三番勝負を制し、名実共に世界チャンピオンになって欲しいですね！
3か月弱、楽しみに待ちたいと思います。