白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

問題解答その1

2017年11月17日 20時57分30秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は第36期女流本因坊戦第4局が行われました。
今回も謝依旻挑戦者が安定した戦いぶりを見せ、優勢を築いていたと思います。
しかし、藤沢里菜女流本因坊も我慢強く追いかけ、ついにヨセで逆転したのは見事でしたね。

時々アマの皆様の碁を拝見しますが、劣勢と分かると無茶な仕掛けに走る方が多いです。
実はプロでさえ同じ過ちを犯すことがありますが、藤沢女流本因坊は冷静でしたね。
無茶をせずにほんの僅かずつ差を詰め、その積み重ねで逆転しました。
皆様もぜひ参考にしてください。


さて、本日は昨日の問題の解答を発表します。



1図(正解図1-1)
1問目です。
白△は逃げられませんが、取られても3目中手になるので1眼にしかなりません。
ということで、もう1眼を潰しに行く白1の置きが正解です!
黒2と遮られますが、そこで白3がさらなる捨て石の手筋です。
この後、黒Aで2子を抜かれますが・・・。





2図(正解図1-2)
黒1と抜いた時、白2がまた手筋です。
黒Aの抜きに対して白Bと当て、黒2とつながせれば下の1眼が無くなりました。
これで黒全滅です。

この問題、本来はあまり難しくありません。
正解手順の手筋は、時間をかければ2桁級の方でも発見できるでしょう。
ただ、実際には黒△などの存在に惑わされてしまう方が多いのです。





3図(問題図変形)
問題をさらにシンプルにしてみました。
これだと解きやすくなったという方が多いと思います。
ですが、実はこれと元の出題図、そして元ネタの実戦形は全く同じ問題なのです。

しかし、実際には混乱が生じ、自ら問題の難易度を上げてしまうのですね。
詰碁を解くためには、読みの力や形の知識が必要になりますが、状況を整理してから考えるということもまた重要です。
詰碁は得意なのに実戦では上手く行かないという方は、後者が課題かもしれませんよ。

案外長くなってしまったので、2問目の解答は次回に引っ張ろうと思います。
コメント
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