白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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週刊碁2000号&本日の指導碁(7子局)

2017年04月03日 23時24分32秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
日本棋院発行の週刊碁が、4/10号(4/3発売)で2000号に到達しました!
記念企画の「棋士の逸品」コーナーでは、棋士個人から30種類もの読者プレゼントが提供されています。
大変な値打ち物も出品されており、私がハガキを出したくなるぐらいです(笑)。
皆様、ぜひ2000号をご購入&プレゼントにご応募ください!

それとお知らせを忘れていましたが、ツイッターの日本棋院若手棋士アカウントの担当者が、星合志保初段から上野愛咲美初段に交代しました。
上野初段はまだ15歳、中学校を卒業したばかりですね。
若いですが碁は力押しではなく、独特のバランス感覚を持っています。
近い将来、間違いなく活躍するでしょう。
ツイッターの方はいかにも若い女の子という感じで、そのギャップを楽しんで頂くと良いのではないでしょうか(笑)。

また、本日は日本棋院有楽町囲碁センターにて指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
指導碁にできた一場面をご紹介しましょう。



1図(テーマ図)
7子局です。
白1、3とハネツギを打った場面です。
左辺の白を生きると同時に、白Aから隅の根拠を奪う手を狙っています。
黒はどう考えたら良いでしょうか?





2図(実戦)
実戦は黒1と隅を守りました。
形の良い守り方で、こう打っておけば死ぬ心配がありません。
2桁級の方であれば、これを正解として良いでしょう。
まずはしっかりと石を守る習慣を付けるべきです。

しかし、そこからレベルが上がって初段を目指そうという方は、さらに進んだ考え方も身に付けなければいけません。
黒1は守りとしては完璧ですが、白に対する響きがありません。
白2の開きを許しては、白に楽をさせてしまっているのです。





3図(正解)
黒1と詰め、根拠を奪う手が正解です。
外側に黒が多いので、今弱い石は上辺の白なのです。
黒5まで進むと、一瞬のうちに右上一帯が大模様になりました。

もちろん、自分の石の守りも忘れてはいけません。
白6と打たれると左上の黒が危険ですから、そこで黒7と生きておきます。
この間に白が打った手はダメばかりですから、黒大成功です。

著書「やさしく語る 碁の本質」でのテーマになっているように、攻めと守りはどちらも大切です。
両方できてはじめて初段への道が開けるのです。