皆様こんばんは。
本日は第2回未来の星新鋭最強戦、1回戦第2局が行われました。
残念ながら、小山空也三段、小池芳弘初段はそれぞれ敗れました。
小山三段は2敗となり、無念の敗退です。
本日は、小山三段の対局をご紹介しましょう。
1図(実戦白36)
朴河旻二段の黒番です。
黒△に対して白1は模様の接点で、逃せない所です。
これで白Aなどと上辺を囲うのは、黒Bと打たれて模様の大きさで負けてしまいます。
2図(変化図)
また、ここで黒1などと受けると、プロ失格の烙印を押されてしまいます。
黒△は石数が多く、根拠もある程度確保できているので、強力な厚みです。
そこを囲う手は、厚みを囲うなの格言通り、悪手なのです。
一方白2あたりに打たれると、隙間の多い上辺が強化され、白にとって最高の展開です。
白2のような手は薄い所を囲っているので、悪い手ではないのです。
3図(実戦黒37)
そこで、実戦は黒1の肩ツキ!
4線に肩ツキは珍しいですが、この局面ならではの好手でしょう。
次に押さえ込みが厳しいので、白に受けを強要しています。
4図(実戦白38~黒41)
そこで、白1、3と受けたのは止むを得ません。
そして黒4で、白△を分断!
これが黒の一連の構想でした。
肩ツキの2子を援軍として、戦いに引きずり込もうというのです。
大きな戦いになれば、左下の黒勢力も働いて来ます。
白としても、一方的に攻められる展開は避けたい所です。
白Aから反撃して、難しい戦いが始まりました。
5図(実戦黒61~黒69)
手順が進んだ場面で、黒1以下が厳しい攻めでした。
白8まで、小さく生きるだけになっては、つらい分かれでした。
もう少し頑張れると良かったのですが、難しかったのでしょうか。
なお、白Aのハザマが空いていますが、黒Bと差し込まれて、左右の切りが見合いになるので上手くいきません。
つまり、中央はほとんど止まっているのです。
6図(実戦白70~黒77)
白1のカカリは普通ですが、白3、5は定石に無い手です。
黒8までとなると、黒8と△で2目の頭と「おしり」を両方叩かれた格好になってしまうからです。
悪形の代表ですが、小山三段があえてこの進行を選んだのには、勿論理由があります。
7図(変化図)
白1、3は定石というだけであり、この場面には全く合っていません。
一例として黒14までとなると、白は生きている左下から数目の地を増やしただけです。
黒は右下、右辺を打ち、大満足の分かれです。
実戦の白が頭をぶつけた打ち方は、このような展開を避けているのです。
8図(実戦白78~白80)
実戦に戻って、白1、3と打った場面です。
ここで黒Aと繋げば、白Bあたりから黒地を制限する予定でしょう。
右辺を低く渡るようなら、後に白Cからのヨセが効果的になります。
白△と低い所を下がったのは、引き籠ったように見えて、実は広い右辺を意識した手なのです。
9図(実戦黒81)
実戦は白の狙いを察知して、黒1と右辺を広げて来ました。
次に白A、黒B、白Cと打てば、黒△を取る事はできます。
しかし、先手を取って黒Dと囲われては、ゲームセットです。
右辺の黒が大き過ぎます。
10図(実戦白82~白90)
そこで、白1と根元を切って行きました!
黒△を取れる訳ではありませんが、白Aの切りを狙って、中で大暴れしようというのです。
小山三段、必死の勝負手です。
11図(実戦黒91~黒99)
しかし、相手の対応は的確でした。
黒5まで、下辺の黒を守りながら白に迫り、白8には黒9が急所への一撃です。
これで白は息が詰まりました。
最後は白、覚悟の玉砕となりました。
小山三段は残念でしたが、小池初段にはその分まで頑張って欲しいですね。
明日の1回戦最終局では、昨日勝った宋相勲三段と再び対局します。
勝って決勝トーナメント進出を決めて欲しいですね。
なお、対局の模様は、幽玄の間で中継されます。
応援、よろしくお願いします!
本日は第2回未来の星新鋭最強戦、1回戦第2局が行われました。
残念ながら、小山空也三段、小池芳弘初段はそれぞれ敗れました。
小山三段は2敗となり、無念の敗退です。
本日は、小山三段の対局をご紹介しましょう。
1図(実戦白36)
朴河旻二段の黒番です。
黒△に対して白1は模様の接点で、逃せない所です。
これで白Aなどと上辺を囲うのは、黒Bと打たれて模様の大きさで負けてしまいます。
2図(変化図)
また、ここで黒1などと受けると、プロ失格の烙印を押されてしまいます。
黒△は石数が多く、根拠もある程度確保できているので、強力な厚みです。
そこを囲う手は、厚みを囲うなの格言通り、悪手なのです。
一方白2あたりに打たれると、隙間の多い上辺が強化され、白にとって最高の展開です。
白2のような手は薄い所を囲っているので、悪い手ではないのです。
3図(実戦黒37)
そこで、実戦は黒1の肩ツキ!
4線に肩ツキは珍しいですが、この局面ならではの好手でしょう。
次に押さえ込みが厳しいので、白に受けを強要しています。
4図(実戦白38~黒41)
そこで、白1、3と受けたのは止むを得ません。
そして黒4で、白△を分断!
これが黒の一連の構想でした。
肩ツキの2子を援軍として、戦いに引きずり込もうというのです。
大きな戦いになれば、左下の黒勢力も働いて来ます。
白としても、一方的に攻められる展開は避けたい所です。
白Aから反撃して、難しい戦いが始まりました。
5図(実戦黒61~黒69)
手順が進んだ場面で、黒1以下が厳しい攻めでした。
白8まで、小さく生きるだけになっては、つらい分かれでした。
もう少し頑張れると良かったのですが、難しかったのでしょうか。
なお、白Aのハザマが空いていますが、黒Bと差し込まれて、左右の切りが見合いになるので上手くいきません。
つまり、中央はほとんど止まっているのです。
6図(実戦白70~黒77)
白1のカカリは普通ですが、白3、5は定石に無い手です。
黒8までとなると、黒8と△で2目の頭と「おしり」を両方叩かれた格好になってしまうからです。
悪形の代表ですが、小山三段があえてこの進行を選んだのには、勿論理由があります。
7図(変化図)
白1、3は定石というだけであり、この場面には全く合っていません。
一例として黒14までとなると、白は生きている左下から数目の地を増やしただけです。
黒は右下、右辺を打ち、大満足の分かれです。
実戦の白が頭をぶつけた打ち方は、このような展開を避けているのです。
8図(実戦白78~白80)
実戦に戻って、白1、3と打った場面です。
ここで黒Aと繋げば、白Bあたりから黒地を制限する予定でしょう。
右辺を低く渡るようなら、後に白Cからのヨセが効果的になります。
白△と低い所を下がったのは、引き籠ったように見えて、実は広い右辺を意識した手なのです。
9図(実戦黒81)
実戦は白の狙いを察知して、黒1と右辺を広げて来ました。
次に白A、黒B、白Cと打てば、黒△を取る事はできます。
しかし、先手を取って黒Dと囲われては、ゲームセットです。
右辺の黒が大き過ぎます。
10図(実戦白82~白90)
そこで、白1と根元を切って行きました!
黒△を取れる訳ではありませんが、白Aの切りを狙って、中で大暴れしようというのです。
小山三段、必死の勝負手です。
11図(実戦黒91~黒99)
しかし、相手の対応は的確でした。
黒5まで、下辺の黒を守りながら白に迫り、白8には黒9が急所への一撃です。
これで白は息が詰まりました。
最後は白、覚悟の玉砕となりました。
小山三段は残念でしたが、小池初段にはその分まで頑張って欲しいですね。
明日の1回戦最終局では、昨日勝った宋相勲三段と再び対局します。
勝って決勝トーナメント進出を決めて欲しいですね。
なお、対局の模様は、幽玄の間で中継されます。
応援、よろしくお願いします!