いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第7話>索敵! / ガンダム外伝

2007-06-12 12:03:37 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話>宇宙暦0079年 12月11日・・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5a747c41d00b1628eb0c8e21e849a9e6
「<第2話>ソロモン海戦まであと13日」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3657079adce925aa852a122ddf8467dc
「<第3話>敵襲!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/febb0ea54cab1eec8a5e43ef3c1fc04e
「<第4話>ESFSグリフィン 発進!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/442a20813586f90d0374f30ede983102
「<第5話>訓練開始!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/69b4168945e2ac0387709862e531bf2d
「<第6話>MS戦闘論」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/8c95957df215b12e4eb73b298b0bc0f5
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


白兵の相手はヒロ中尉か! ちぃ!厄介な奴が相手だ!!・・
しかし!!まだ甘い! ビームサーベルが遅いっ!!

「中尉! 距離が150になったら、迷わずシールドを前にし、ビームサーベルを抜け!
 最初の一撃に集中しろ! 白兵戦の時間はMAXでも15秒以内と考えろ!
 チャンバラはするなよ! 一撃離脱が基本だ! ウロウロしていると味方に撃たれるぞ!
 離脱の際は足を使え! ザクを蹴り倒すのは非常に有効だ!
 ザクと接触した後に離脱する際は、直線で移動するなよ、必ず方向転換を行え!
 直線で移動すると敵からは狙い目になるからな!」

ヒロ中尉の212号機は、私のビームサーベルをシールドではじき返し、
素早くガンを私に向けてきた・・やるな・・ 
私は軌道を変え、リン少尉に向かう、ヒロ中尉は素早く追走し、行く手を阻む・・

「常にターゲットを変更しろ! 1機の敵にかかっていると、他の味方機が危なくなる。
 離脱したら、次の敵にアタックをかけろ!
 敵と距離が離れたら、射撃タスクに移行しろ! 狙撃タスクの機位も確認を怠るな!
 味方が自分を援護できない状況と判断した場合は無理をするな! 敵との距離を保て!」

と言っている間に、ヒロ中尉のビームサーベルが私のシールド(盾)に突き刺さった、
いい間合いである、迷いが無い、良い太刀筋だ・・ 
だが、きれいな筋であるから、逆に読める・・ 
私はシールドをヒロ中尉のジムにぶつけ、はじき出しフルスロットルを吹かせた・・
そして、その瞬間に援護位置にいた、213号機をガンカメラに捕え HIT!した!

「・・・ こちらベリースリー 一発やられました・・」

「・・・ しまった!」と・・ヒロ中尉の声が混じる・・

「リン少尉、援護位置は射撃タスクだ! 私を落とす事ばかりを考えていたろう!
 だから、ヒロ中尉の背中ばかりが見えて、射撃を躊躇していたな?・・
 射撃は距離500前後で、動きながら白兵タスクの援護射撃を行え、止まるなよ!
 白兵タスクが相手をしている敵の動きを予測し、敵が味方のジムに接触できないよう
 進路を塞ぐように援護しろ! 敵を落とそうとは考えるな!援護が任務だ!
 白兵機が敵と接触し、離脱するタイミングを逃すな! 狙い目だ!
 敵の動きに注意しろ! 敵は1機ではないぞ! 自分に向かってきたら、
 即座に白兵タスクに移行すること!
 狙撃タスクの機位も意識しろ! 狙撃タスクのジムに敵が接近した場合、
 援護を行うのも射撃タスクの任務だ! チームで戦う事を意識しろ!」

私はリン少尉にビームサーベルで切りかかった!
ヒロ中尉は射撃位置で援護に回っているが、リン少尉の後ろに回ればヒロ中尉は撃てない!

「・・・ ベリースリー 離脱しろ! 後は俺がやる!!」

ヒロ中尉の声がする・・ リン少尉の防御が遅い!

「シールドは飾りか?! コックピットブロックの前に常に構えろ!
 メインカメラががら空きだぞ! ジムの頭部も守れ! やられるぞ!
 メインカメラをやられたら、迷わず後方に待機し、狙撃タスクに移行しろ!」

リン少尉がシールドで防御を固め、私との距離を開けた!
ヒロ中尉機がリン少尉の機体に重なり死角が出来た瞬間、私は反転し!
ミィ少尉の位置に機首を向ける・・ その際、ヒロ中尉にガンを向けるが・・
ガンのスコープから消える! ヒロ中尉も跳ね上がっていた! 

「・・・ くそぉ・・ 隊長め! ゴキブリみたいに早いや! ・・ 」

と、弱音のようにも聞こえるが、しっかりと、私がミィ少尉を狙って近づく進路に
的確に射撃をし、私の動きを止めている・・(口は悪いが筋は良い!・・)
そして、こちらの狙いにも、予測できない動きを継続しているため、
その後の私のガンカメラがメンバーを捕らえる事が出来なくなっている事も事実だ・・
ヒロ中尉も、リン少尉も新型への機種変更での障害は無いようだ!
というか・・ こちらも、動きを止めると、すぐにロックオンアラームが鳴る!
214からか・・ミィ少尉のロックオン回数がやけに多い・・
ミィ少尉、狙撃向きか・・ 油断できない・・

「・・・ ベリースリー 左から回れ! ベリーフォオ援護しろ!」

まずい・・ 囲まれた・・ 
ヒロ中尉が再度白兵を挑んで来る、的確だ!・・
しかし、そんなチャンバラには付き合えない!
サーベルを交わす瞬間に、私はヒロ中尉のジムの腹部を足で蹴り上げた!
最後の荒業である、その反動でミィ少尉のジムに向かった

「中尉すまんな・・  これが一番確実な離脱方法だからな!・・」

「・・・  あああ・・ 大尉ぃ!! ジムを壊さないで下さいよぉ~
      演習でしょ? 無茶しちゃ駄目ですってばぁ・・」

ん? サミー曹長の声だ・・ グリフィンではみんなが見ているのか?・・
じゃ・・観客の声援に応えて、もう一丁!派手にかますか!   と、

調子に乗って狙撃位置の214号機にガンをあわせた・・ HIT! いや・・
かわされたか?・・ くそぉ!

「ミィ少尉! 上手くかわしたな・・ 今の位置は狙撃タスクの位置だ!狙撃は
 距離1500あたりで、状況を把握しつつ、狙撃を行う事!
 狙撃したら、すぐに移動だ! デブリ等を有効に利用する事も1つの方法だぞ!
 今の距離はちょっと近い、 近すぎると、相手に狙われるぞ! 
 宇宙ではビーム減衰が少ないので、2000からの狙撃も有効だが、
 ジムコマンドにはスナイパー機能がないので、1500程度を目処にしろ。
 しかし、自信があれば2000でも良い! 位置関係は三角形を意識しろ!
 そうそう・・さきほどみたいに、敵の狙撃MSがいないかの索敵は怠るな!
 サーマルセンサー(熱探知センサー)の出力はMAXにしておけ!
 敵の狙撃タスクMSを発見したら確実にしとめろ!
 また、異様を感じたら、即時移動しろ! 自分が狙われているぞ!」

ロックオンアラームが鳴る! 今度は213号機・・ リン少尉か・・
狙撃位置についたな・・ 的確だ!
私はミィ少尉のジムの懐にもぐりこんだ! これでは撃てまい!
今度は、ジムのボディを相手のボディにぶつけ、はじき出す!

「狙撃ターゲットは支援タスクの敵MSだ!
 敵の動きに法則性があれば、新兵の可能性が高い、あおり撃ちや3点射撃で確実にしとめろ!
 射撃タスクの味方機の位置を常に意識しろ! 敵が射撃タスクの味方機に接近した場合、
 即座に射撃タスクに移行しろ。
 また、敵が接触してきたら、即時白兵タスクに移行しろ!
 その際しばらくは援護が無いと自覚しろ、無理をするな! 敵との距離を保て!
 こういう風になっ!」

私は、ビームサーベルを抜いてミィ少尉に白兵を挑んだ・・その瞬間・・

「HIT! HIT!・・212! 212!」モニターが赤く点灯した・・

「・・・ うっひょう! やったね~ ♪!」

くそぉ!! ヒロ中尉にやられたかぁ・・ もうちょっと強く蹴りだしてたら
脳震盪でも起こしてくれてたのにな・・・ まぁ・・良いか・・

「よし! 終了だ! 良くやった、みんな、今の動きを覚えておけ!
 実戦でも同じだ・・ そう簡単に弾など当る物では無い!
 つまり、敵の弾もそう簡単には当らん、ということだ・・
 5機落とせば、エースと言われる、その意味が解るだろう・・
 そう簡単に落とせる物ではない事を理解しろ!
 そのためにチームで戦い、味方機を援護する事を一番に考えろ!
 最後に、狙撃タスクは母艦の一番近くにいる・・ 戦闘区域を抜け出す
 敵に注意しろ、母艦の援護も狙撃タスクの任務の一つだ! 覚えておけ!
 次はタッチアンドゴーの訓練だ、
 タッチアンドゴーのあとは2X2フォーメーションの訓練に移るぞ!」

「・・・ た~いちょ! 最後の動きが甘かったっすよ~ ♪
     これで、2度目ですね たいちょうを 仕留めたのは!
     気分が良いや!! いやっほう!!」

「ああ・・ 私も甘ちゃんだな・・ ミィ少尉を頂いてやろう!って
 ちょっとあせったかもしれん・・」

「・・・ へへ! だって今は私が小隊長ですもんね♪
     やっぱり部下を野獣さんから守らなくっちゃ!!」

「こら! 誰が野獣だ!」

「・・・ たいちょぉ!」
「・・・ 隊長!」

リン少尉とミィ少尉が同時に答えてきた・・ 誰が野獣だ! こんなに優しいのに・・
さて・・ 私の1対3の奮戦をちゃんと艦長どのは見てくれていたかな・・
ちょっと、顔がニヤついた ♪


「・・・ ベリーベースよりベリーワンへ! 緊急連絡です!」

「ん? こちら、ベリーワン なんだユカ少尉!
 艦長が私に惚れたってか?」

「・・・ もう・・隊長ったら・・ 全艦に音声が流れていますよ ♪
     というか、緊急連絡です!!
     艦の進行方向、約50000に熱源反応が出ました、
     レーダーではデブリ(浮遊物)と認識していますが・・
     デブリは複数あるので戦闘痕のようです・・
     艦長が、気になるので索敵してもらえないか? と・・」

「了解だ! 艦長の頼みなら断れん! ベリーワンは索敵にまわる、
 ベリーフォオは私に付いて来てくれ!
 ベリーツーとベリースリーは、着艦に慣れるため、
 タッチアンドゴーの訓練を続行のこと、
 まぁ、我々の訓練とターチン軍曹チームの訓練でもあるので、
 ヒロ中尉が責任を持って実施してくれ!・・・  小隊長殿♪ 」

「・・・ 小隊長のベリーツー 了解で~す。
     ベリースリーとタッチアンドゴーを行いま~す・・
     でも・・ そっちの方が楽しそうっすね・・」

「ああ・・ ただ、何が在るか解らん・・ 
 申し訳ないが、タッチアンドゴーのあと、全力でこちらに向かってくれ・・
 こちらの推進剤も半分だし、なにか嫌な感じもする・・」

「・・・ 了解です!  じゃ・・ ベリースリーさっさと済ませちゃおうぜ!」

「・・・ はいはい 仮小隊長どの!」

「・・・ なんだよぉ! その言い方はぁ!! 仮ってなんだよぉ!」

「・・・ はいはい♪」

「・・・ ハイは1回! もう・・ 行くぞ!!・・」


全く・・ いいコンビだ ♪

「ベリーフォオ、ミィ少尉・・ 大丈夫だな?」

「・・・ こちらべりーフォオ・・ 行けます!」

「ビームガンやバルカンの訓練モードスイッチを解除しておけ、
 艦長が言ったように、実弾装備をしておいて良かった・・
 何が出るか解らんからな・・ 全速で行く、付いて来い!」

私とミィ少尉のジムコマンドは、同時にスラスターを全開にし問題海域に機首を向けた。


「ベリーワンから ベリーベース! 位置情報を送ってくれ!」

「・・・ 了解! ベリーワンとベリーフォオに位置情報送ります。
     ミィ・・ 注意してね!」

「・・・ ベリーフォオからベリーベース 大丈夫よ 野獣さんと一緒だから♪」

「おいおい・・ 何に注意するんだぁ? 中尉はあっちだろぅ・・」

「・・・ 聞こえてます・・よぉ・・ 隊ち・う・・・」

ん? ノイズが入る・・ミノフスキー粒子が散布されているのか?

「ベリーフォオ・・ 聞こえるか?」

「・・・ ノイズ・・ありますが・・・聞こえます・・」

私は214号機の背中部分にMSの手を触れた・・
直接個体を繋ぐ事で震動を利用するMS同士のふれあい通信だ・・

「どうやら・・ 戦闘があったようだな・・
 手を離した後の通信はレーザー通信に切り替える・・
 グリフィンとの通信は、ミノフスキー粒子のおかげで、届かない・・
 私の機位を見失うなよ・・
 デブリの陰になると、レーザー通信も届かないからな・・」

「了解です。隊長!
 で・・  ユカが送ってくれた座標まで、あと4000程です。」

モニターに目をやった・・ 大きな2個のデブリを表す表示と無数の小さなデブリ
を認識した・・

「なにか見えるか?」

「大きなデブリは・・ あっ!!あれは・・ サラミス級の巡洋艦です!!
 滅茶苦茶やられちゃってますよぉ・・」

「警戒態勢だ! 周りに注意しろ! センサー値をMAXに上げろ!」

「熱源反応はサラミスからですね・・ 他にも小さな反応があるようです・・」

「そうだな・・ ついさっきやられたって事か・・動いている反応には注意しろ・・
 私とは距離を取れ! 一緒にいると、同時にやられるからな・・」

2機のジムは互いに距離をとり援護位置まで離れた。

「・・・ 隊長・・それにしても、ひどいやられ方ですね・・」

「ああ・・生存者がいないか、捜索にあたろう・・ ベリーフォオは左舷を見てくれ」

「・・・ ベリーフォオ・・了解!」

1つ、2つ・・ 2隻のサラミス級巡洋艦の残骸が浮遊している、その中に、
我軍のMSジムや戦闘ポッドのボール、そして敵であるジオン軍のMSザクの姿も見える・・
生存者がいる可能性は非常に高い・・ 
ということは・・ まだ敵が潜んでいる可能性も非常に高いという事だ・・

「・・・ あっ!! 隊長ぉ!!!」

サラミス級の左舷にまわっていた、ミィ少尉の叫び声だ!

「なんだ!!」 というより早く、私はスロットルを全開にしていた・・

「<第8話>初めての戦闘!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/2735929407d935b8ffe65adba543f819に続く・・・

(2007/06/12 12:03)