いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

(第6話)手・・ / [小説]甘い誘惑

2008-01-28 20:47:40 | [小説]甘い誘惑
<ここまでの話>
(第1話)きっかけ・・
(第2話)待ち合わせ・・
(第3話)イタメシ屋・・
(第4話)ワイン・・
(第5話)胸・・
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神様のいたずらなのか?、妖精の気まぐれなのか?
理由は全く解らないのだが、楽しい時間は本当に早く経過してしまう
気がつくと、店に入って既に3時間が経過していた・・
ワインの甘さにも負けて、ボトルは3本目が空になっている・・

「わ・た・しぃ・・・ ちょびっと酔っちゃいました♪ てへっ・・」

「そうだね・・ いい感じに仕上がっているね♪」

「女性の酔っ払いって・・ お嫌いですか? 」

「いや・・ 酔ってっても酔って無くても、君は君だ・・ 嫌いじゃないよ・・」

「嫌いじゃ無いって事は・・ す・き? って言う事ですかぁ?」

「おいおい・・ 大丈夫か? 本当に酔ってるのか?」

「そんな事はないですよ~ で・・ どっちなんですか? す・き? きら・い?」

「参ったなぁ・・ 好きだよ・・ 」

「やったぁ! 今、私の事を『好き』って言いましたよねぇ~ ♪
 へっへぇ~・・ ドサクサにまぎれて、私の事をくどいてるんだぁ!」

「いや・・ 君が好きか嫌いか?って聞いたから・・ 好きって答えただけで・・」

「でしょう? すきなんだぁ・・ ああ! なんか幸せっ!!
 お世辞でも、好きって言われると、気分は悪くは無いですよ・・ ♪」

「そ・・ そうか? そんなもんなのか?」

「そうですよぉ・・ じゃ・・ 試してみましょうか?」

と・・ 彼女は私の耳元に口を近づけてきて・・ ささやくように・・

「・・ す・・ き・・ 」・・と

彼女の息遣いが耳に感じられ
頭のテッペンから足先まで、電気が走った・・ 
一体なんなんだ!・・

「どう?・・ 嫌な感じじゃないでしょ? ふふっ・・  ねっ!」

と無邪気に笑う彼女の顔に、私も笑うしかなかった・・
本当に楽しい子だ♪

彼女はすっかりと上機嫌で、常に肩がふれあい、その重みとぬくもりを
心地よく感じ、また、しっかりと受け止めている自分がそこにいた・・
座席の関係もあり、顔と顔の距離も短く、常に彼女の整った唇が目について離れない・・
この時間が永遠に続けば良いのに・・ と感じていたが・・

世の中、そんな上手くは出来てはいない・・

「あっ・・ もうこんな時間ですねぇ・・」

「ああ・・ お尻に根っこが生えたみたいに、居座ってしまったね・・
 お互いに、ちょっと酔ったみたいだし・・」

「そろそろ出ましょうか?」

「そうだね・・」

「いくらかなぁ・・ ワリカンで良いですよね!」

「いや・・ 私が無理にここに誘ったから、今日はこちらで何とかするから・・
 気にしなくて良いよ・・」

「えっ? 良いんですか? ひょっとしたら・・ 会議費ですか?♪」

「まぁ、そんなもんだ・・ ♪」

「は~い!♪ ご馳走様で~す!」

私は支払いを済ませ、外に出た・・ 既に夜の10時をまわっているのに
じっとりとした熱気が冷えた体にのしかかってくる・・

「やっぱり・・ 外は暑いね・・」

「そうですね・・ で・・すっかり夜になっちゃいましたね♪
 これって不良の時間ですよね♪」

「そうなのか?・・ 不良の時間か?・・ 私は、宵の口と言うけどね・・」

「酔いのくちぃ?♪」

「ははは! 座布団1枚だな♪
 違ってるよ・・ 宵の口だ! まだまだ、これから!って事だな ♪」

「そうなんだ・・ ひょっとしたら、曜日を間違えちゃいましたね・・」

「ん? なぜ?」

「だって・・ 明日も仕事だもん・・ 金曜日にすれば良かった・・」

「ああ・・ そういうことかぁ・・ おっちゃん連中で、はしごする条件が
 金曜だもんな・・ やはり、平日は次の日が辛いから・・」

「平日に、はしごした事があるんですか?」

「若いときは曜日は関係なかったからなぁ・・ 昼間はガッツでユンケル飲んで・・」

「へぇ・・ ユンケル飲んで頑張ってるのぉ?・・ なんか、間違ってるぅ♪ 」

と、お馬鹿な話をしているうちに、2人は駅に到着していた・・
この駅は、他の電鉄との乗換駅だが、2人が乗る電車は始発駅である・・
3つ目の駅で、私は別の路線に乗り換えるが、彼女はそのまま乗っていくのだ・・

切符を購入し改札を入った時、電車の発車のベルが鳴った・・

「あっ! 待って! 乗りま~す!!」

と、とっさに私は彼女の手を掴み、慌てて改札から一番近いドアから飛び乗った、
車内は首都圏ほどでは無いがかなりの混みようで、押し込むように車両にもぐり込む
2人は急いで入った事もあり、私の顔のすぐ下に彼女の頭があるような
ほぼ密着状態になってしまっていた・・

「ふぅ・・ 間に合ったね・・」

と声をかけようとして、ふと気がついた・・ 彼女の顔が見えない・・
というか、彼女の頭の真上に私の顔があるのだ・・
彼女がかろうじて顔を持ち上げ

「はい・・ 間に合いました・・ ・・」

と小さな声で言い、すぐに顔を下に向けた・・ ほんとに小さな声で・・

「どうしたの? しんどいの?」

「ううん・・」

今度は顔を上げずに言う・・
その時、私はあることに気がついた・・ 

それは、私の手が何かを握っていて
その何かが、逆に私の手を握り返してきたからであった・・

それは、柔らかく、あたたかく・・
私には、それを振り解く勇気を持ち合わせてはいなかった・・・

(第7話)電車・・」に続く・・
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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
他のSNSでのコメント (いちごわさび)
2008-02-03 23:30:24
○うみ 2008年02月02日 08:59

お久しぶりです
ポッチっと押しておいたぁ
次回が楽しみ~


○いちごわさび 2008年02月03日 23:26

>お久しぶりです
はいな!! お久です!!

>ポッチっと押しておいたぁ
やっぱりうみさんは優しいなぁ!! 大好き!(きゃっ!)

>次回が楽しみ~
はい! 頑張って書きますね・・
で・・ やっぱり手を繋ぐって・・ 良いですよね(汗;)
返信する
和音さん へ (いちごわさび)
2008-02-02 15:30:45
実際に?ですか?
会社の女性社員とたこ焼き食べたり、ラーメン食べたり・・ お茶したり・・ は

ありますよ、お昼を一緒により、帰りがけにちょっと・・って・・方が多いかなぁ・・

あまり考えず、普通に誘って、普通に食べて、馬鹿言って(笑)

まぁ・・ 私の性格から・・というのもあるのでしょうが・・

この小説は男性がどんどん惹かれている・・と読めますが、
逆に考えると、こういう行動が自然にとれると、男は刺される(笑)とも
読むことができると思います。(参考に? なるかな?)

意味なんか考えず、いつも笑顔で・・が一番ですが・・
返信する
私には・・・ (和音)
2008-02-01 21:27:14
無理ですね。こんなふうに男の人を誘惑するのは。

同じ会社の男の人と食事したことって、飲み会以外ではないです。異性の同僚、もしくは上司、部下と2人で食事って実際あるんですかね。そういうのはドラマの中だけだと思ってたんですけど・・・。

だから私は結婚できないのかなあ?




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他のSNSでのコメント (いちごわさび)
2008-02-01 19:00:39
○蒼い月 2008年01月28日 21:27
読みに行きます~!


○やっくん 2008年01月28日 21:31
いやあ~いいですね~
今回も冴え渡ってますなぁ!


○☆ゆか☆ 2008年01月28日 22:23
ふぅ~・・・ごちそうさまでした(≧∇≦)
やっと待ちに待ってた続きが読めた嬉しさと、
次は!次はいつ?という気持ちでごったがえしてます(笑
お座りしていい子で待ってます(笑
読み終えたら、ぽちっといつもボタン押してますw


○てぃーふ 2008年01月29日 02:07
次は彼女が打って出るか男が打って出るかですね
浮気は男の文化です!浮気万歳!!
続き楽しみにしてますよ~。


○いちごわさび 2008年01月31日 12:48
いちごわさびです。 返答が遅くなり、申し訳ありません (^^;)
いつも、暖かいご声援、本当に感謝しております。
来月は・・ もうちょっとペースを戻していこうかな? って・・
これからも宜しくお願いいたしま~す♪

 ■蒼い月さま♪
 >読みに行きます~!
 
 いつもありがとうございます。
 また、ご感想も! よろしく!!  (^O^)/
 
 ■やっくんさま♪
 >いやあ~いいですね~
 >今回も冴え渡ってますなぁ!

 そのように言っていただけて・・ それだけで活力になります ♪
 ただ・・ ストーリーは最後まであるのですが・・
 最近、その結末は・・ 面白くないかも? なんて欲も出てきました・・
 ちょっと悩んでいますが・・ 
 それもちょっと楽しくって(基本的にMだから? <=自爆)  

 ■☆ゆか☆さま♪
 >ふぅ~・・・ごちそうさまでした(≧∇≦)
 >
 >やっと待ちに待ってた続きが読めた嬉しさと、
 >次は!次はいつ?という気持ちでごったがえしてます(笑  

 待っています!って コメント・・ 本当に凄く嬉しく感じています。
 あえて、名前を定義しませんでした・・
 それが、逆に自分に置き換える事が出来るのかなぁ・・って
 でも・・ 女性側の心理が見えない形なので・・
 なにか女性側のアドバイスなど有りましたら、お願いいたします(^O^)

 >お座りしていい子で待ってます(笑  

 ははは・・ ワンちゃんですか?
 じゃ・・  「お手!」「お回り!」「待て!」・・・ (笑)  

 >読み終えたら、ぽちっといつもボタン押してますw
 あっ・・ 本当にありがとうございます。
 ブログ村も上位にいると、ブログ村からの来訪者も増えますので・・
 今後とも、宜しくお願いいたしま~す!

 ■てぃーふさま♪
 いつも、ご愛読感謝しております(^O^)/  

 >次は彼女が打って出るか男が打って出るかですね  

 そうですね・・ 男が動くか・・ 女が動くか・・
 てぃーふさんなら・・ どうします? (^^)  

 >浮気は男の文化です!浮気万歳!!
 >続き楽しみにしてますよ~。

 \(^o^)/ 万歳しちゃいました!(笑)
 男だけの文化でも・・ 無いかもね・・ 女性だって人それぞれです (^O^)
 この後の展開に、ちょっと悩んでいますが・・ やっぱ・・甘い方ですよね・・
返信する
mari.uuさん へ (いちごわさび)
2008-01-31 20:10:41
mari.uuさん どうもです!

気に入って頂けて、めちゃくちゃ嬉しいです(^0^)/
「わかってるくせに…」か・・ お見通しですね

最初は女性をmari.uuさんのノベルのカルメンちゃん
みたいな小悪魔?に・・との設定もあったのですが・・
そんな子との経験時?には、私は若すぎて・・(笑)
今の設定は小悪魔だけど・・ ・・・で ・・・の
まぁ、今後の展開をお待ちください(笑)
返信する
いいなぁ♪ (mari.uu)
2008-01-31 14:27:33
いいですね!楽しそう(*^o^*)こういう感じ大好き!駆け引きというか「わかってるくせに…」という感じ。
返信する
まさ↑るさん へ (いちごわさび)
2008-01-30 15:49:47
>ちょっとこの感じ…グラッとくる気持ちもわかるけど、
>あんまり露骨にモーションかけられると警戒しちゃいますね(-_-;)

おっ! さすがだ・・ さすがまさ↑るさん (^O^)/

実は、そういう事も考えられるのです・・
とにかく、その場の確実な事実だけでは判断できない、心の中?が見えないのですね
正直言って、この後に、どんな行動に移すか・・ は、正解なんか無いのかな?
って感じています。

もし、そんなシチュエーションに陥った場合・・ 私は、そのときの
「気」というか・・ そんなものを判定条件に加えるのだろうなぁ・・とも

で・・ その「気」は、文章の行間を読んで、読んだ人の経験でそれを判断するしか
ないだろうな・・って思っています。(ちょっと卑怯ですが・・)

ですから・・ この第6話は、読んだ人それぞれに意見が分かれるのだろう・・
って感じています。


>さて、間合い切って頭を冷やすか、玉砕覚悟で突っ込むか?

うん・・ 私だったら 玉砕覚悟かも(笑)・・
でも、話は、どうなるのかは? 次回までのお楽しみ・・としておいてください ♪
返信する
あやめさん へ (いちごわさび)
2008-01-30 15:49:01
いつもコメントありがとうございます(ほんと感謝です)

>淀屋橋から三つ目なら京橋で片町線に乗り換えて、家は放出…なんてことにww。

なんてマイナーな・・というか 私にとってあまりにも近場の設定で(笑)
全国の人は「放出」を読むことが出来ませんってば(笑)  [答:はなてん]

>ちょっと安全策を考えすぎていませんか、この方は。
>男なら自らの意志ってものがあるでしょう。

えっ・・ 汗;
優柔不断ですか? でもね・・ まだ、1回目の夕食ですよ・・
お酒の力もあって・・・(でも、これも考え方ですね・・ 勉強になります・・)

>分別盛りの歳だとは思いますが、
>それにしてもこの先何かがあっても彼女の責任…、そんな感じがしますね。

う~ん 分別盛りの歳だから、抑制もかかってしまいます・・
また、それも面白く・・ 女性の責任にしたくない・・とも おっさんは考えちゃうでしょうね
卑怯者・・って言われたくない・・ でも・・ 据え膳食わぬは・・の諺もあるし・・

>毒食らわば皿までと言うじゃないですか、たとえ玉砕してもそんな心意気の男があやめは好きです。

毒ですか?(笑) 魔女の毒りんごなら食べても良いかも(^O^)
玉砕覚悟で挑戦する・・ それも一つの世界ですね・・
だって・・ 女性だって、楽しみたい・・という欲望はあるのだ・・という事ですね。

ここから、パラレルワールドで 2部構成にしてみようかな・・
返信する
訂正 (まさ↑る)
2008-01-30 01:38:49
誤:心中→正:玉砕 でした(^_^;)
返信する
ちょっとこの感じ… (まさ↑る)
2008-01-30 01:04:22
グラッとくる気持ちもわかるけど、あんまり露骨にモーションかけられると警戒しちゃいますね(-_-;)



さて、間合い切って頭を冷やすか、心中覚悟で突っ込むか?
返信する
淀屋橋から (あやめ)
2008-01-28 21:39:54
三つ目なら京橋で片町線に乗り換えて、家は放出…なんてことにww。

ちょっと安全策を考えすぎていませんか、この方は。
男なら自らの意志ってものがあるでしょう。
分別盛りの歳だとは思いますが、それにしてもこの先何かがあっても彼女の責任…、そんな感じがしますね。
毒食らわば皿までと言うじゃないですか、たとえ玉砕してもそんな心意気の男があやめは好きです。
返信する

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